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外来化学療法室だより


「バレンタイン」

2024年を迎え早1ヶ月以上過ぎました。
化学療法室のディスプレイは、「お正月」の飾りから「バレンタインデー」のかわいらしい飾りに変わっています。


化学療法室の看護師が手作りでハートのオブジェを作成していますので、ぜひご覧になってください。
たくさんのハートを見て少しでも「ほっこり」とした気持ちになっていただけるとうれしいです。

バレンタイン

さて、外来で治療を継続している患者さんが抱えている苦痛は、身体的なものから心理・社会的苦痛までたくさんあります。
がんの症状以外にも治療の副作用による苦痛、通院や待ち時間の苦痛、先の見通しへの不安、医療者への不満や遠慮、経済的負担、自分の役割を果たすことができないことへの葛藤、孤独感・・・挙げればきりがないかもしれません。

外来療養を継続するために重要なポイントの1つに「セルフケア」があります。
ひとりで様々な苦痛を抱え込まずに、他者に助けを求めることも「セルフケア」の1つです。
わたしたちは、ひとりで苦痛を抱え悩まれているみなさまのサポートができればと考えています。

気持ちのつらさや不安なこと、症状や治療の苦痛、疑問点など言葉で表現してみてください。
化学療法室では、化学療法室看護師と薬剤師だけでなく、がん相談支援センターの相談員と緩和ケア認定看護師がいつでもサポートできる体制を取っています。
副作用症状についてだけでなく、気持ちのつらさに対してもみなさまに寄り添い一緒に考えていきたいと思います。
みなさまの苦痛が少しでも楽になるよう支援させていただきます。


昨年12月に化学療法室にいらした多くのみなさまにアンケートのご協力をいただき感謝しています。アンケートでは、私たち看護師を労ってくれる温かいメッセージと様々なご意見をいただきました。アンケートでいただいたご意見を真摯に受け止め、更に良いケアを提供できるように精進していきますのでよろしくお願いします。



「年の瀬」

今年も残すところ2週間を切りました。
一年が過ぎるのはとても早く感じます。日々、慌ただしく過ぎていきますが、今年一年の自分を振り返り、来年はどのような年にしたいかゆっくりと考える時間を持ちたいですね。


この時期、外来化学療法室ではクリスマスツリーを飾っています。
かわいらしいオーナメントが飾ってあるので、ぜひ見に来てください。

また、年末が近づいてくると、新年に向けディスプレイも変更していきますので、楽しみにしていてください。


さて、コロナとインフルエンザが流行しています。
皆様も日々、感染予防に努めていることと思います。

感染を予防するためには、私たち一人ひとりがセルフケアに努めて感染を防ぐことが大切です。
感染予防のために、ウィルスとの接触を減らし、ウィルスを体内に入れないように心がけましょう。


マスクの着用は、感染を完全には防げませんが、ウィルスを他人にうつさない意味では有効です。他に手洗い、うがいも継続してください。さらに「密閉・密集・密接」の3密を避け、時々部屋の換気を行ってください。
そして、感染してしまった場合は、重症化に至らないよう適切に対処することが必要です。

抗がん剤治療を受けている方は、感染すると重症化する場合があります。
体調の変化に気をつけ、周囲の人たちにも感染予防に努めていただくことが必要となります。
症状があるときは、ご相談ください。



今年も外来化学療法室が混み合い、皆様に大変ご迷惑をおかけ致しました。
来年も私たち外来化学療法室スタッフは皆様に寄り沿ってお力になりたいと思っています。
素敵なクリスマスを過ごして良いお年をお迎えください。

「秋の気配」


長い猛暑の夏が過ぎ、ようやく秋の気配が感じられるようになってきました。
皆様も夏の疲れが溜まっているのではないでしょうか。




そのような夏の疲れの対策として、睡眠・食事・入浴などの生活習慣を整えることが大切です。
元気をつけようとして、食欲がないときに無理をしてたくさん食べる必要はありません。


食欲がないときは、お粥やおじやなど消化の良い物を食べたり、スープなどの胃に負担がかからない物を取り入れていきましょう。



化学療法室の通路には、季節にあったメニューを提案させていただいています。
その中には、いろいろな具材のお味噌汁も提案させていただいていますので、ぜひ参考になさってください。

そして、化学療法室のディスプレイも秋仕様となっていますので、秋の雰囲気を楽しんでくださいね。


さて、抗がん剤治療中に便秘の症状に悩まされる方も多いと思います。
便秘の原因は、抗がん剤や嘔気止めやオピオイドなどの薬剤性のもの、がんの直接的な影響によるもの、食欲低下に伴う水分摂取量の減少によるもの等、様々です。


便秘薬は、原因や程度によって、その人に合ったものが処方されます。処方された便秘薬を自分の排便状況に合わせ、適切なタイミングで使用することが必要となります。
便秘薬の内服方法等わからないことがありましたら、いつでも外来化学療法室のスタッフにご相談ください。

また、ご自身で毎日一定の時間に排便を試みることや、水分摂取すること、散歩や体操などの適度な運動を行うことなども便秘対策としておすすめします。

便秘が続いている場合は、主治医や薬剤師、看護師に伝え、適切な排便対策を講じて、2~3日に1回以上は排便があるように調整していきましょう。


「セミ」


8月のこの季節、毎日セミの合唱で目覚める方もいるのではないでしょうか。セミの声を聞くと「うるさい」「暑苦しい」などネガティブなイメージがわいてきます。
しかし、セミの一生について思いを馳せると、セミの声にも力をもらえる気がします。


セミは、卵の期間が1年、幼虫の期間が数年から7、8年、長いもので15年以上、地下で幼虫の期間を過ごす種類もいるそうです。
地下で過ごす間にも、モグラ、ケラ、ゴミムシ等の天敵の餌食になる幼虫もいます。
長い地下生活を終え地上に出て成虫へと脱皮した後にも、鳥やアリやカブトムシなどの昆虫、小動物や人間など様々な天敵がいます。
そのような状況で生き延びたセミのオスは、仲間に自分の存在を知らせたり、メスを惹きつけるために一生懸命に鳴きます。地上に出てからのセミの寿命は数日から数週間です。
頑張って生き抜いているセミの声を夏の風物詩として楽しんでみてください。


外来化学療法室のディスプレイも夏仕様となっています。ぜひ、ご覧になってください。

さて、治療中の方には「痛み」に悩まされている方も多いと思います。「痛み」に対して痛み止めが処方される場合がありますが、中には「できるだけ飲まないようにしている」「麻薬の依存症になると困る」「我慢できない程の痛みではないから」と、服用を控えてしまう方がいます。

しかし、「痛み」は我慢しないでください。「痛み」を我慢することで日常生活に支障をきたし、体力を消耗してしまいます。
「痛み」の症状は本人しかわからないため、痛みがあるときは自分から医療者に伝えましょう。

そして、「痛み」が強くなりそうな時は、我慢せず頓服薬を使いましょう。
「麻薬系の薬剤を使用するのが怖い」「依存症になる」と思っている人もいるようですが、「痛み」のある状態で使用する場合は、「痛み」のみに働き、精神や身体の依存を引き起こすことはないので、使用を控えないようにしてください。

「痛み」の対処方法、痛み止めの使用方法や内服のタイミング等わからない場合は、いつでもご相談ください。
外来化学療法室の看護師と共に薬剤師、緩和ケア認定看護師が連携して支援させていただきます。


「森林浴」


新緑が美しい季節となりました。
新緑を見ていると、樹木の生命力を私たちに分けてもらえているようで元気が出てきますね。

新緑の美しいこの時期は、自然の中で風景や自然が奏でる音や肌触りなどを五感で味わいながらのんびりと過ごす「森林浴」を楽しむには良い季節です。



「森林浴」はさまざまな良い効果があると言われています。緊張や不安、抑うつ、怒り、混乱、疲労などの症状を改善する効果、睡眠の質を改善する効果、自律神経のバランスを整える効果などが実証されています。

日常生活の中でも公園や神社など、ちょっとした樹木のある場所に身を置くことでも、気持ちが穏やかになり、緊張感や疲労感が緩和されリラックスできます。

病院に通院してくる際に時間がありましたら、駿府城公園で「森林浴」を楽しんでみるのも良いですね。

現在、外来化学療法室の通路は、少し早めですが、紫陽花の花のディスプレイとなっています。
外来化学療法室にいらした際には、ぜひご覧になってください。


さて、抗がん薬治療による副作用として脱毛を経験し、ウィッグの購入を検討している方も多いと思います。
ウィッグは、数千円~数十万円と価格の幅が広く、最近では通販サイトを利用する方も増えています。ウィッグを選択する際には、「自分に合った価格帯・被り心地・スタイル」の3要素から検討することをお勧めします。必ずしも価格帯と見た目は相関していないので、勧められるままに経済的負担になる価格帯の物を購入する必要はありません。

多くの自治体で「ウィッグや乳房購入の助成」を行っています。居住している地域の市役所に助成制度があるか確認してみましょう。申請方法や助成の金額は自治体によって異なりますので、確認が必要となります。

ウィッグの選択方法について、ご不明な点がありましたら、外来化学療法室にご相談ください。

「4月」

4月に入り、過ごしやすい季節となってきました。

新年度が始まるこの季節は、様々な美しい花が咲きます。
桜、チューリップやフリージアなど、色とりどりの花が私たちを楽しませてくれています。

そして、名前は知らなくても、道ばたに咲く小さな花を見つけると心が癒やされますね。
花を愛でることは、脳の活動に影響を与え、ドーパミンやセロトニン、オキシトシンといった物質が分泌されます。それらの物質は、心理生理的に生じたストレス反応を緩和させる効果があるといわれています。
外来化学療法室で治療されている方の中にも、趣味で園芸をされていたり、花の写真を撮影されている方もいて、私たち看護師に多くのことを教えてくださいます。話を聞くたびに、植物、花といった自然は私たちに多くのパワーをあたえてくれるんだなと感じます。

外来化学療法室のディスプレイは、早くも端午の節句仕様になっています。


ディスプレイの中には、通院している患者さんが折ってくれた紅白の双子の鶴が飾ってありますので、手に取ってごらんになってください。
さて、抗がん剤治療をしていると食欲不振が続くことがあります。
食欲不振が長期化することで「体力が落ちてしまうのでは」「何とかして食べなければ」と不安や焦りが強くなってしまうことがあります。
食欲不振の原因は、味覚障害、嘔気、便秘、下痢、器質的な問題、口内炎など様々です。今まで好んで食べていた物が、味覚障害により食べたくなくなってしまうこともあります。
そこで、「食べたくない」「食べられない」原因は何なのかを考え、原因となっていることに対処していく必要があります。
無理に食べようとがんばりすぎたり、嘔気などを我慢したりせずに、「食べられない」状況を医療者に伝えていきましょう。

「食欲不振」のときには、「食べたいときに食べたいものを食べたいだけ食べる」が基本です。必ずしも一日三食定期的に食べる必要はありません。
外来化学療法室では、食欲不振時の食事の工夫など相談対応をしています。
また、看護師だけでなく薬剤師、栄養士の介入もさせていただきチームでの支援も行っていますので、お声かけください。

「新年」

あけましておめでとうございます。
みなさまはどのような新年を迎えられたでしょうか。

今年は、うさぎ年です。うさぎはピョンピョンと跳びはねる姿や、温厚な性質であることから、「飛躍」「向上」「家内安全」を象徴しています。
他にも「植物の成長」「豊作」を意味することもあり、新しい事に挑戦するのに最適な年であるともいわれています。
新年を迎え、みなさまも何か新しい事を、はじめてみてはいかがでしょうか。

卯

うさぎの写真

外来化学療法室でも、今年は新しい事に挑戦し、皆様のお力になれればと考えています。
外来化学療法室のディスプレイもお正月仕様になっていますので、ぜひごらんになってくださいね。

今月のディスプレイの写真


さて、抗がん剤治療を受けていると、口腔粘膜炎や口腔乾燥といった副作用症状が出現することがあります。
口腔粘膜炎は、口の中の粘膜がダメージを受け炎症が起こり、「痛み」や「出血」や「しみる」などの症状が出現します。一方、口腔内乾燥は、唾液の分泌が減少することで起こり、「口が渇く」「ネバネバする」「話しづらい」などの症状が出現します。そして、これらの症状は、感染の原因となったり、食事摂取に影響するので、セルフケアが大切になります。

口腔粘膜炎、口腔内乾燥の対処として「口の中を観察」「清潔」「保湿」「痛みのコントロール」をすることが必要となります。

歯磨きを行う場合は、歯と歯茎の境目、かぶせもの間など、鏡を見ながら丁寧に行ってください。歯ブラシは、奥に届きやすいヘッドの小さなものを選択しましょう。
うがいは、1日4回以上行うようにしましょう。洗口液を用いる場合は、ノンアルコールの低刺激のものを選択しましょう。
口腔内乾燥がある場合は、保湿剤を用いると良いでしょう。保湿剤はスプレータイプ、ジェルタイプ、液体のものがあるので、自分に合った物を選んでください。

痛みが強い場合は、我慢せずに鎮痛剤を用いていきましょう。

症状が悪化する前に、主治医、外来化学療法室の看護師、薬剤師にご相談ください。

「クリスマス」


今年も、クリスマスイルミネーションが輝く季節がやってきました。
クリスマスのディスプレイを見たり、クリスマスソングを聴くと、ワクワクした気持ちと、もう今年も終わりなんだなと感慨深い気持ちになりますね。

MERRY CHRISTMAS

今月のクリスマスのディスプレイ

12月に入り、外来化学療法室の通路も、クリスマスのディスプレイとなっています。
そのディスプレイの中には、ストローで作られたかわいらしい海老が隠れています。その海老は、化学療法室に通院されている方が作ってくださいました。
化学療法室にいらした際には、クリスマスディスプレイの中の海老を探してみてくださいね。


さて、がんを診断されると、気持ちの整理をする間がなく、次々と検査や治療の予定が立てられていきます。
そして、診断直後は、情報が乏しい中でも様々な選択を迫られることも多く、不安や焦りから気持ちが揺れ動くことが多くあります。
そのような時に「仕事を続けることは無理だ」と即仕事を辞めることを決断してしまう方がいますが、少し待ってください。

まずは、病状や治療について整理してみましょう。そして「仕事」に対する価値感について考えてみてください。「経済的に仕事が必要」「仕事をしている間は病気を忘れられる」「社会とのつながり」「生きがい」「退職して治療に専念したい」「仕事と治療を両立したい」等々、様々な思いがでてきます。

退職を考える前に、主治医に、治療中も働くことができるのか、何か制限はないか確認してみてください。
そして、職場で活用できる制度があるかも確認しましょう。働き方の一時的な変更や、傷病手当金のこと、体調が不良の際は休憩室で休息が取ることができるか等、職場に聞いてみてください。
当院では、仕事と治療の両立で悩んでいる方の相談やアドバイスをがん相談支援センターでお受けしています。
治療の開始前、治療中の今、仕事を諦める前に、ぜひご相談ください。



今年は、外来化学療法室が混み合い、お待たせする時間が長く大変ご迷惑をおかけしました。そのような中でも、抗がん剤治療を受けられている皆さまと様々なお話をさせてもらい、私たち化学療法室スタッフに元気と優しい言葉をたくさんいただき感謝しています。
来年も、皆様のお力になれるよう努力していきたいと思っています。
少し早いですが、素敵なクリスマスと良いお年をお迎えください。

よいおとしを

「どんぐりとフォックスフェイス」


今年も残すところ早2ヶ月となりました。
11月は霜が降りる時期になることから「霜月」と呼ばれるようになったそうです。
秋と冬との境目のこの時期は、日中は過ごしやすいことが多いですが、朝晩は冷え、寒暖差が激しく体調を崩しやすい季節でもあります。
外出時は、上着やマフラーなどで気温差を緩和するようにしてくださいね。


霜月

今月のディスプレイ

外来化学療法室のディスプレイは、11月に入り、秋色になっています。
先月に引き続き、外来化学療法室で治療中の方が持ってきてくださったかわいらしい「ドングリ」「フォックスフェイス」という黄色の果実が飾ってありますので、外来化学療法室にいらした際にはご覧になってください。
なかなか外出ができない方も、外来治療室の通路で、紅葉狩り気分を味わっていただければと思います。

どんぐりとフォックスフェイス


さて、抗がん剤治療中のインフルエンザの予防接種について質問を受けることが多くあります。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるため、接種することでインフルエンザを発症することはありません。
化学療法中は免疫力が低下する傾向があるため、インフルエンザワクチンの接種は勧められるといえます。
インフルエンザワクチン接種の可否や接種時期については、主治医に相談してください。

コロナワクチンと同様に、インフルエンザワクチンも、接種したからといってインフルエンザにかかってしまうことを完全に予防できるわけではありません。
しかし、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防することができます。

予防接種



コロナの流行もまだまだ続いています。
そのため、手洗い、うがいなどの一般的な感染予防対策は継続して行っていきましょう。

そして、できるだけ人混みを避け、規則正しい生活を心がけ感染予防に努めていきましょう。

手洗い、うがい

どんぐり

どんぐり



気温も下がり、すっかり秋めいてきました。

化学療法室のディスプレイは10月に入り「ハロウィン」をテーマにしたものとなっています。
ハロウィンのディスプレイの中には、たくさんのどんぐりが飾ってあり、秋らしさを演出してくれています。

今月のディスプレイ

お手紙




そのどんぐりは、外来化学療法室で治療を受けている方が、拾ってきてくれました。
その方に、どんぐりは漢字で「団栗」と書くということ、どんぐりはブナ科のクヌギ、ナラ、カシ等の実の総称で、どんぐりの木という決まった木はないと教えていただきました。

その方の書かれた美しい文字のお手紙も、外来化学療法室に飾らせていただいています。

外来化学療法室にいらした際には、ぜひ、かわいらしい団栗を手に取って秋を感じてくださいね。

さて、がんの治療中の方の中には、内服の抗がん薬を使用している方も多くいらっしゃると思います。内服の抗がん薬は、適切なセルフケアが治療継続の鍵となります。

内服時には、決められた用量を、決められた時間に内服するよう心がける必要があります。
飲み忘れた場合には、2回分を一度に飲まずに、次の分から内服してください。自己判断で飲む量を変更しないようにしましょう。
副作用の出現は人によって異なりますが、早期に発見したり、症状が出たときに落ち着いて対処するためにも、副作用症状を知っておくことは大切です。
また、症状が強い場合は、無理に内服を継続せずに、病院に連絡を取り相談をしてください。

おくすり


おくすり手帳

抗がん剤を処方してもらっている病院以外に受診する際には、お薬手帳を提示して、抗がん剤を内服していることを伝えてください。
また、サプリメント、健康食品、漢方薬、民間療法などを取り入れたい場合は、使用する薬剤によっては抗がん剤の作用に影響する場合もありますので、開始する前にご相談ください。

抗がん剤内服薬は、こどもの手の届かないところに保管しましょう。包装から出して保管したり、カプセルから出したり、粉砕して剤型を変更しないでください。
また、抗がん剤に限らず、処方された薬を他の人に渡したり、もらうことは避けてください。

ご不明な点、お困りな点などありましたら、医師、看護師、薬剤師にご相談ください。

「秋の気配」

月光浴


9月に入り、朝晩は過ごしやすくなってきました。
9月10日は、とても美しい中秋の名月を見ることができました。

秋は美しい月を見ることができる季節です。月の明かりが美しい日には、「月光浴」をしてみてはどうでしょうか。
日光浴は、太陽の光を浴びることですが、「月光浴」は月の明かりを浴びることです。
そして「月光浴」には、心の安寧を得られたり、不安の緩和やリラックスできる効果などがあると言われています。

寝る前にブルーライトを見るのはやめよう



寝る前には、スマートフォンやパソコンのブルーライトを見るのはやめて、やさしい月の明かりを見て、心を落ち着かせ良眠に導きましょう。

今月のディスプレイ




外来化学療法室のディスプレイもすっかり秋色になっていますので、外来化学療法室にお越しの際はご覧になってください。

さて、抗がん剤治療中は、口腔粘膜炎や口腔内乾燥などの症状が出現することがあります。
口腔粘膜炎は、抗がん剤の治療後10~12日頃にピークを迎え、その後、徐々に粘膜の再生が進み症状が改善していきます、しかし、抗がん剤の投与サイクルごとに発生する可能性があるので、口腔内のセルフケアが大切となります。

歯磨きの方法には、歯面に対して90度に歯ブラシをあて歯ブラシを小刻みに動かしながら1本ずつ磨くスクラビング法と、歯周病予防のために、歯面と歯肉の境に対し45度の角度で歯ブラシを当てて磨くバス法があります。自分にあった方法で、歯磨きをして口腔内の清潔に努めましょう。
ただし、嘔気などがある場合は、必ずしも歯みがき剤を使用する必要はなく、ブラッシングだけでもかまいません。

ぶくぶくうがい

そして、1日4回以上はブクブクうがいを行うよう心がけてください。
口腔内の乾燥がある場合は、保湿効果のある洗口剤や保湿薬を使用してもよいでしょう。

お困りの点などありましたら、ご相談ください。

スクラビング法

バス法

「ひまわり」


夏まっさかりの今、ひまわりの花をよく見かけますね。
ひまわりは、太陽を追って花の向きを変える性質があります。
しかし、この朝方は東を向いて日の出を待ち、日中から夕方にかけて太陽を追って西を向く性質は、若い成長期にあるひまわりだけだそうです。

成熟したひまわりは、東を向いて咲いています。成熟したひまわりが東に向いている理由には諸説あるそうですが、成長したひまわりが動きを止め、種子を育み、次世代に繋ぐ準備をしているんですね。

ひまわり

今月のひまわりのディスプレイ



外来化学療法室の通路にもひまわりをディスプレイしてありますので、ぜひご覧になってください。

さて、抗がん剤治療中に食欲不振の症状が出現することがあります。
食欲不振の原因はさまざまですが、味覚障害が食欲不振の原因となっていることもあります。
味覚障害の症状としては、「何を食べても味がしない」「苦みを強く感じる」「甘みを強く感じる」「砂を食べているよう」「料理の味付けがうまくできない」等々の症状があります。

そのような味覚障害の症状が出た場合、自分が食べやすい物を探してみましょう。
嘔気などを合併していて食べることができない場合は、無理に食べようとせず、嘔気止めを使用し、症状が楽になったら、食べたいものを食べたいときに食べるようにしてください。

食欲不振



味覚障害があるときの味付けの工夫として、うまみやこくを効かせたり、酸味をきかせたりするとよいでしょう。塩味のかわりになる、はっきりした味として、ポン酢やソース、マヨネーズやケチャップ、柑橘類を味のアクセントにおすすめします。
また、食べやすいものは人によっても違います。丼ものやラーメンなどは、汁気と適度な甘みもあり、食べやすいことがあります。

プリン、カステラ、アイスクリーム



食事が食べられない場合は、プリンやカステラ、アイスクリームなどの嗜好品を摂取してもよいでしょう。

ポン酢、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、柑橘類、丼もの、ラーメン


さらに、唾液の分泌を促すように、水やフレッシュジュースを口に含んだり、レモン水や炭酸水でうがいをしてもよいでしょう。
口腔内の乾燥が強い場合は、人工唾液を使用する方法もあります。

お困りの点などありましたらご相談ください。

唾液の分泌を促します

「朝顔」

梅雨が明け、あちらこちらで色とりどりな朝顔の花が咲いています。

朝顔の花は、朝日を浴びて開花するイメージがあります。しかし、朝日とは関係なく、日没から9~10時間後に咲くそうです。
この性質を知っていると、翌日何時頃に朝顔が開花するかわかりますね。
そして、半日ほどで花がしぼんでしまうのは、暑さで花びらの水分が蒸発して乾燥してしまうからです。そのため、暑ければ暑いほど、早くしぼんでしまいます。
一輪の朝顔が咲いている姿を見られるのは短時間ですが、美しい朝顔の花は、私たちに夏の訪れと、1日の時間の流れを感じさせてくれますね。

あさがお

今月の朝顔のディスプレイ




7月に入り、外来化学療法室にもたくさんの朝顔の花を飾ってありますので、
ぜひご覧になってくださいね。

さて、蒸し暑い日々が続き、熱中症の危険が高まっています。

熱中症は、高温多湿な環境で過ごすことで、体温調節機能がうまく働かなくなり、熱が体内にこもった状態です。
抗がん剤治療をしていると、食欲が低下したり、下痢などの副作用で脱水傾向になることがあり、さらに熱中症のリスクが高まります。
そこで、熱中症予防に努める必要があります。

暑さを避けるために、炎天下の外出は避け、外出時は帽子や日傘を使用し、直射日光にさらされないようにしてください。
また、通気性の良い衣服を着用し、気温が高い時はエアコンを活用し、室内を適温に保ちましょう。
また、汗をかいていなくても、こまめな水分補給を心がけてください。
新型コロナウイルスの感染予防のため、大半の方はマスクの着用をしていると思いますが、屋外で他者との距離が確保できる場合は、適宜マスクをはずし、熱がこもるのを避けましょう。

熱中症の症状として、めまいや顔のほてり、倦怠感や嘔気、筋肉痛やけいれん、体温上昇等があります。
抗がん剤の副作用症状だから仕方ないと我慢せずに、異常を感じたら早めにご相談ください。

熱中症対策

「紫陽花」


色とりどりの美しい紫陽花を見かける季節となりました。

あじさい


あじさいをなぜ「紫陽花」と漢字で書くのか調べてみますと、唐の詩人の白居易が招賢寺というお寺を訪ねたときに、その寺にあった紫の花を「紫陽花」と名付けたことが由来という説があります。
しかし、その紫の花はとてもよい香りがしたということから、実はあじさいではなく、ライラックの花だったのではないかと言われているそうです。
ライラックの花と間違えて名付けたとしても、「紫陽花」という当て字は、あじさいの美しい姿をとても表している素敵な漢字ですね。

ライラック

6月のディスプレイ



外来化学療法室のディスプレイも、6月に入り「紫陽花」を飾ってあるので、ぜひご覧になってくださいね。
さて、6月に入り梅雨の季節でもありますが、天気のよい日は日差しが強いため、紫外線対策をしていく必要があります。
特に、抗がん剤や放射線治療の影響で皮膚が刺激を受け炎症が起きやすくなっている方は、紫外線防御対策をこころがけましょう。
紫外線防御対策として、皮膚の露出が少ない服を着用し、アームカバーを使用したり、帽子をかぶったり日傘を使用するのもよいでしょう。

また同時に、日焼け止め製品を使用することをお勧めします。
日焼け止めには、B領域紫外線(UVB)防止効果を示すSPF、A領域紫外線(UVA)防止効果を示すPAが記載されています。
確実に紫外線を防御するには、数値の高い製品を選ぶよりも、生活のシーンに合わせた製品を選択し、適切に使用することが必要となります。
買い物や通院など日常生活の中での屋外での行動でしたら、SPF15~30程度、PA++~+++の日焼け止めで十分でしょう。
そして、製品に記載されている量をムラのないよう均一に塗るようにしてください。汗をかいて日焼け止めがとれてしまったりした場合や、屋外で何時間も過ごす場合などは、2~3時間ごとに塗り直すことが勧められます。

一日の終わりには皮膚を泡でやさしく洗浄し、保湿に務めてくださいね。
ご不明な点などありましたら、外来化学療法室の看護師・薬剤師にご相談ください。


紫外線対策

「鯉のぼり」

鯉のぼりがそよぐ、気持ちの良い季節となってきました。

5月の晴れわたった空は、すがすがしく、思わず深呼吸をしたくなります。
童謡「こいのぼり」では、「屋根より たかい こいのぼり」という歌詞が冒頭に出てきますが、一般家庭ではベランダや屋内に飾る鯉のぼりが主流になっているようです。
自治体によっては、寄付で集めた鯉のぼりを田んぼや川に飾るイベントを行っている所も多くあるようです。機会がありましたら、大空に泳ぐ鯉のぼりを見に出かけるのもいいですね。

こいのぼり

今月のこいのぼりのディスプレイ



5月中、外来化学療法室の通路には、小さな鯉のぼりが泳いでいるので見に来てくださいね。

さて、抗がん剤治療の副作用というと「嘔気(はきけ)」を思い浮かべる方が多いと思います。昔のドラマで、抗がん剤治療を受けながら嘔吐している場面をみたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、現在、嘔気や嘔吐の様相がより明確となっており、制吐剤の開発が進みました。更に、適正な制吐療法を行うためのガイドラインに基づいた制吐療法を実施することが標準化されています。
そのため、ドラマのように抗がん剤治療を受けながら嘔吐してしまうということは、ほとんど起きなくなっています。

はきけ

また、使用する抗がん剤によっても嘔気の出現するリスクは違います。
自分が使用している抗がん剤の嘔気のリスクの程度を知ることも大切です。そして、嘔気が出現した場合は、いつ出現し、どれくらい持続したかをメモしておきましょう。

制吐剤(嘔気どめ)を処方されている場合は、我慢せずに内服をして、その効果もメモしておくとよいでしょう。
そして、嘔気がある時には、無理に食事摂取しようとせずに、少量ずつ食べられるときに食べやすい物を摂取しましょう。

嘔気は辛い症状です。これくらいなら大丈夫と我慢せずに、嘔気のタイプを知り、予防できるよう一緒に考えていきましょう。

メモしましょう

「桜」

3月の終わりから、駿府公園のの木も美しい花を咲かせています。
夜のお堀の水面に映る桜の花は、とても幻想的です。
また、散った桜の花びらがお堀の水面をピンクに染めている様子も大変美しく、春を感じさせてくれます。
以前は、お花見というと桜の木の下で宴会をするというイメージでしたが、コロナ禍の今、純粋に桜の花を愛でることができているような気がします。

水面の桜

今月のディスプレイ

桜


外来化学療法室のディスプレイも「桜」がテーマのものになっていますので、ぜひご覧になってくださいね。
さて、最近では習慣的にたばこを吸う人は減少していますが、2018年のデータでは男性の喫煙率は29%、女性の喫煙率は8.1%です。
たばこを吸うことで、イライラを鎮めたり、リラックスやリフレッシュができ、ホッとする一服の時間が持てる等のメリットもありますが、健康にとっては「百害あって一利なし」と言ってよいでしょう。

たばこの煙の中には、発がん物質が約70種類含まれています。
喫煙は、肺がんをはじめ、口腔、咽頭、喉頭、鼻腔、食道、胃、肝臓、膵臓、膀胱、子宮頸がん発症との因果関係が明らかになっています。
また、がんに罹患した方の喫煙は、再発のリスクを高めるだけでなく、新たに発生するがん(2次がん)の原因のひとつとなります。

そして、化学放射線治療中の喫煙は、治療効果を下げるといわれています。
ニコチンは、口腔粘膜の収縮をきたし、生体の免疫能低下を引き起こします。また、嫌気性菌の増加を引き起こすともいわれており、治療の妨げとなります。

たばこを吸う人


現在、喫煙されている方は、ぜひ「禁煙」にチャレンジしてください。
まず、たばこ、ライター、灰皿を処分することから始めてみましょう。
最初はつらいですが、たばこが吸いたくなったら深呼吸をしたり、ガムをかんだり、歯を磨いたり、体操をするなどの行為で気を紛らわせましょう。
禁煙することで、周囲の人の受動喫煙を防ぐことができたり、心筋梗塞、脳卒中、閉塞性肺疾患や高血圧等、様々な疾患の原因を減らすことができます。

禁煙にチャレンジ

禁煙外来



わかってはいても禁煙が難しい方は、当院には「禁煙外来」もありますので、ご相談ください。

「ひなまつり」


3月3日は、ひなまつりです。

ひなまつりには、ひな人形のお供え物として、菱餅を飾る方も多いのではないでしょうか。

ひなまつり

菱餅と甘酒

菱餅は、女の子の健やかな成長や厄除け、子孫繁栄などを祈って飾られます。
菱餅の赤、白、緑の春らしい3色は、ひなまつりを華やかにしてくれます。
菱餅は、もともとは2色だったそうですが、明治以降は赤色が加わって、現在の3色になったそうです。そして、赤色はクチナシで染めた色で、魔除けの意味があります。
それぞれの色の意味に想いを巡らせ、飾り終えた菱餅を甘酒を飲みながら食べるのも風情がありますね。

お雑煮とおかき

菱餅を食べるのには、特に決まった方法はなく、お雑煮にしたり焼いてたべたり、揚げておかきにして食べてもよいでしょう。


化学療法室にも、3月はかわいらしいおひな様が飾ってありますので、ぜひご覧になってください。

今月のディスプレイ

さて、がんの治療を受けることになると、どれだけお金がかかるのか不安になる方も多いと思います。
検査代、手術費用、抗がん剤治療、放射線治療、薬代、入院費など、がんの病期や治療内容により金額は異なりますが、公的な医療保険が適応されますので負担は3割以下です。それでも、高額になる場合があります。

そこで、医療費の負担を軽くする高額療養費制度の利用をぜひおすすめします。この制度では、ひと月に医療機関や薬局の窓口で支払いをした額が一定の金額を超えた場合、超えた金額が払い戻されます。治療を開始する前に早めに手続きをしましょう。

どれだけお金がかかるのかしら

その他に医療費控除や、介護保険制度、傷病手当金、障害者年金、ウィッグ・乳房補整具の購入費用の助成(自治体により異なる)、精子や卵子等の凍結保存費用の補助(自治体により異なる)、医療費助成(自治体により異なる)、若年がん患者の在宅療養生活支援(自治体により異なる)などの支援対策があります。

がんになると、体のこと、仕事のこと、家族のこと、お金のこと、自分の気持ちのこと、将来の計画等、多くの不安におそわれることがあると思います。
ひとりで悩まず、主治医、薬剤師、看護師、栄養士などに、ぜひご相談ください。そして、当院には、がん相談支援センターに専門の相談員がいますので、お声かけくださいね。

ご相談ください

「ハート」


今年も2月に入りバレンタインデーが近づいてきました。
外来化学療法室のディスプレイもバレンタイン仕様となり、かわいらしい赤やピンクのハートがたくさん飾ってありますので、ぜひご覧になってくださいね。

今月のディスプレイ

赤いハート

ハートは、心臓・胸・感情・心・気持ち・愛情などを意味します。
特にバレンタインデーの近い、この時期のハートマークは「愛情」を意味して、ハート型のチョコレートが店頭にも多く並びます。
ハートマークの絵文字は、気軽に使うことが多いですが、海外ではハートマークの色によって、込められる意味合いが違うそうです。

カラフルなハート


赤いハートは「愛」、ピンクのハートは「かわいい」「恋」、オレンジのハートは「好き」、緑のハートは「新しい出会い」、黒いハートは「嫌い」というように使い分けがされてされているようです。
日本では、ハートの色での使い分けは馴染みがありませんが、ハートの色で隠している思いを表現してみるのも楽しいですね。

さて、抗がん剤治療をしていると薬剤の副作用症状が出現することがあります。
副作用症状を予防したり、軽減するためにはセルフケア(自己管理)が大切になります。
自分が行っている抗がん剤治療の副作用を知り、起こりうる副作用に対してセルフケアしながら、自分らしく生活できるようにしていくことが治療を継続する上で重要です。
まずは、自分の治療内容と副作用症状を知り、主体的に治療に取り組むことができるようにしていく必要があります。
セルフケアというと難しいと思うかもしれませんが、苦痛が出現したときに、病院に電話をして相談することも大切なセルフケアのひとつです。
感染予防のための、うがい、手洗い、マスクの着用もセルフケアです。

外来化学療法室のスタッフは、みなさまのセルフケアの支援をすることが大切な役割のひとつです。
ひとりで頑張りすぎたり、これくらいなら我慢できると無理をせずに、ぜひご相談ください。
困難なときや辛いときに、他者にSOSを出すのも必要なセルフケアです。

うがい てあらい マスク

「折り鶴」

新年、あけましておめでとうございます。
今年も、外来化学療法室のスタッフ一同、皆様が安心して治療ができるよう、また副作用症状が少しでも楽になるように支援させていただきたいと思います。

謹賀新年



外来化学療法室のディスプレイも、新年を迎え、お正月らしいものとなっています。
そのディスプレイの中には、千代紙で折った小さな折り鶴がたくさん飾ってあります。
この可愛らしく美しい折り鶴は、以前外来化学療法室に治療にきていた方が、思いを込めて折ってくれたものです。

新年のディスプレイ

たくさんのかわいい折り鶴です


「折り鶴」は、長寿祈願や幸福祈願、病気快癒の願いが込めて作られることが多いですね。
この折り鶴を折ってくださった方も、副作用で痺れている手で、治療中も、自宅でも時間をみつけてはたくさん作ってくれました。
ですから、この折り鶴には、「病気が良い方向にむかうように」「みなさんが幸せになれますように」と大きな願いが込められているように感じます。
皆様も外来化学療法室にいらした際には、ぜひこの折り鶴を手に取ってみてください。
さて、抗がん剤治療をしていると、口内炎ができることがあります。抗がん剤治療をうけた数日後にできはじめ、7日目くらいで痛みを伴う潰瘍が生じ、10日前後で症状のピークとなります。
口内炎は、痛みが伴うので、悪化すると固形物だけでなく、水などの液体を摂取することも辛く困難になってきます。
そのため、口内炎の悪化を予防して痛みを軽減する必要があります。口内炎の悪化予防のために、口腔内の清潔を維持して、細菌感染を予防することが重要です。

そこで、うがいを1日3回以上することをおすすめします。口を閉じてブクブクうがいをしてください。
歯ブラシは、やわらかめでヘッドの部分が小さな物を選び、歯磨き剤がしみる場合は、歯磨き剤は使用せず水だけで磨きましょう。
食事は、塩分や酸味、香辛料を多く含む物は控え、刺激の少ないものを食べやすい形で摂取しましょう。食べやすくするために、柔らかく煮込んだり、トロミをつけたり、栄養補助食品を利用してもよいでしょう。

必要に応じて痛み止めを含むうがい薬や、痛み止めの内服薬を処方してもらうこともできます。
我慢せず、主治医・薬剤師・看護師にご相談くださいね。

口内炎とブクブクうがい

「クリスマスケーキ」


12月に入り、クリスマスイルミネーションが街中に輝いています。
クリスマスツリーやリースなどを飾るお宅も多いのではないでしょうか。
クリスマスの飾り付けをしたり、クリスマスソングを聴くと、楽しい気分になりますね。

クリスマスの飾りつけ

クリスマスの飾り付け

クリスマスのサンタといちごのケーキ



そして、クリスマスといえば、スポンジケーキに生クリームを塗り、いちごのデコレーションに、砂糖でできたサンタクロースが飾られたクリスマスケーキを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。


クリスマスに食べるお菓子は、国によって異なっています。ドイツでは、最近日本でもよく見かけるドライフルーツがたくさん入ったシュトレン、イギリスではクリスマスプディング、フランスでは木の形を模したブッシュドノエル等、どれも甘くておいしい物ばかりです。

世界のクリスマスのケーキ

クリスマスのテーブル



日本のクリスマスケーキは、ケーキメーカーの企業の戦略により始まり、定着したものですが、やはり華やかな生クリームと苺のケーキは、うきうきわくわくした気分をくれるものですね。



外来化学療法室のディスプレイもクリスマス仕様になっていますのでご覧になってくださいね。

今月のディスプレイ

さて、抗がん剤治療をしていると、骨髄抑制という副作用が出現することがあります。
骨髄抑制とは、抗がん剤治療後に白血球・赤血球・血小板の造血機能が低下する副作用症状です。
これらの血球のうち、最も抗がん剤の影響を受けやすいのは白血球です。
白血球には、好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球の5つの成分があります。
中でも、好中球は、白血球の中の半数以上を占めており、体の中に侵入した細菌や真菌などの病原菌や異物を貪食して分解し、殺菌を行うことで感染を防ぐ役割をします。

抗がん剤治療中の方は、医師より「今日は好中球が少ないので治療を延期しましょう」と説明を受けたことがある方も多いと思います。好中球の低下している時期は、無理に治療を行わずに感染予防に努める必要があるからです。

好中球の働き



一般的に好中球は、抗がん剤治療後1~2週間で最も低い値となり、その後徐々に回復していきます。特に好中球の低下が起こっている可能性がある期間は、うがいや手洗いをしっかり行い、全身の清潔を保つようセルフケアを行っていきましょう。

うがいと手洗い

「銀杏」

紅葉が美しい季節となってきました。
青空と鮮やかな紅葉のコントラストは、気持ちをすがすがしくさせてくれます。

赤色のモミジの葉も美しいですが、黄色のイチョウの葉もまた美しさが格別ですね。
そのイチョウの木になる銀杏も秋の味覚のひとつです。

青空と鮮やかな紅葉のコントラスト

ぎんなん拾い



銀杏拾いも、秋の風物詩ですが、銀杏の強いにおいが付き、手や靴の裏が臭くなってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。


そして、銀杏といえば茶碗蒸しが思い浮かびます。
茶碗蒸しの中に銀杏を見つけたときには、ほっこりした気持ちになりますね。
銀杏は、素揚げにしたり炒っても美味しく食べることができます。
ただ、くれぐれも食べ過ぎによる銀杏中毒にも注意して秋の味覚を楽しんでください。

ぎんなんと茶碗蒸し

今月のディスプレイ



外来化学療法室の通路も秋色になっていますので、ご覧になってくださいね。

さて、抗がん剤治療を受けていると、爪が割れやすくなったり、変色したり、爪の表面に凹凸が出現することがあります。
爪の割れを予防するために、爪用のやすりで爪の先端を滑らかにしておきましょう。
爪の先端を滑らかにしておくことで、衣類などにひっかかり割れてしまうことが少なくなります。
また深爪をすることで爪囲炎の悪化をきたすことがあるので、切りすぎないよう注意が必要です。
そして、爪切りは入浴後などの爪が柔らかくなっているときに行いましょう。

爪用のやすりで爪の先端を滑らかにしておきましょう

マニキュアを塗ってカバーしてもよいでしょう


爪の変色が気になる方は、マニキュアを塗ってカバーしてもよいでしょう。
マニキュアやベースコートなどで、爪の補強を図ることもできますが、色やつやが気になる方は、市販の保護コートなどを試してみてください。
ジェルネイルは、装脱時に爪甲を研磨することが多く、さらに脆弱化を進めたり緑膿菌が繁殖して起こるグリーンネイルの原因となることがあるので推奨しません。
また、足の爪障害をきたしているかたは、きつく爪先が当たる靴は避けましょう。

抗がん剤による爪の変化にお悩みの方はご相談くださいね。

「ハロウィン」


10月に入り、化学療法室のディスプレイも「ハロウィン」をテーマにしたものとなっています。

ハロウィンというとかぼちゃのランタンを連想される方も多いと思います。
ハロウィンでは、かぼちゃを怖い顔に加工し、火をともすことで、悪霊を追い払う魔除けとして飾られます。

HALLOWEEN

かぼちゃの料理やスイーツ


そのかぼちゃは栄養価の高い野菜で、さまざまな料理やスイーツにも用いられます。
かぼちゃに含まれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどは、免疫力アップや疲労回復に役立ったり、抗酸化作用もあり老化を防ぐともいわれています。
また、かぼちゃにはカリウムも多く含まれており、むくみを軽くしてくれる働きもあります。
そして、かぼちゃの皮には、食物繊維も豊富に含まれ、便秘改善にも効果があります。

ハロウィンの時期に、ぜひかぼちゃを使った料理やスイーツを取り入れてみてくださいね。

さて、抗がん剤の治療中には、便秘が出現することがあります。
抗がん剤自体や、治療時に使用する嘔気止めが便秘の原因になることもあります。
また、オピオイド鎮痛薬を使用している場合も便秘を引き起こすことがあります。
水分摂取量の減少が、便秘の要因となることもあります。

便秘の薬は、便秘の程度や原因によって、その人に合ったものが処方されますので、医師、看護師、薬剤師にご相談ください。

おくすり


そして、日常生活において、排便習慣を整えるために一定時間に排便を試みたり、食物繊維を多く含む食品や水分を摂取するようにしてみましょう。
また、体を動かすことで腸蠕動が促されるため、散歩や体操などの運動を取り入れても良いでしょう。
腹部を温め、マッサージすることでも腸蠕動を促しますので試してみてください。

少なくとも2~3日に1回排便があることを目指して調整していきましょう。
便秘が続いている場合は、医療者に伝えて、対策を一緒に考えていきましょう。

水分摂取や散歩

「秋の味覚」

9月に入り、ぐっと気温が下がり、過ごしやすい季節になってきました。

秋といえば「食欲の秋」「読書の秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」など多くの代名詞があり、さまざまな活動をしたくなる季節です。
そして、「実りの秋」でもあるこの時期は、気温が下がるため、基礎代謝がアップし食欲が増すと言われています。

収穫の季節である秋は、さまざまな食材が旬を迎えます。
そして、「秋の味覚」というと、ぶどう、柿、梨、きのこ、さつまいも、なす、栗、さんまなどさまざまな食べ物が思い浮かびます。
食欲不振や味覚障害が出ている方も、食べやすい食材をみつけて、「秋」を肌で感じるだけでなく、味覚でも「秋」を感じてくださいね。

味覚の秋です

今月のディスプレイ



外来化学療法室のディスプレイもすっかり秋色になっていますので、
外来化学療法室にお越しの際はご覧になってください。

腎臓を保護します


さて、抗がん剤の中には腎機能を障害するものがあります。

そこで、抗がん剤治療を受ける際に腎臓の機能を採血や尿で検査します。
腎機能障害を来しやすい薬剤を使用する場合、多量の点滴をして、たくさん尿を出して腎臓を保護します。

そして、腎機能障害をきたさないためには、予防と早期発見のためのセルフケアが大切になります。

水分を多めに摂取することを心がけてください

外来での抗がん剤治療後の数日間は水分を多めに摂取することを心がけてください。
普段、食間に水分をとらない方も、食事と食事の間に水分を取るようにしましょう。
可能であれば、体重を毎日測定し変化を見てください。
そして、尿の色が非常に濃い、尿量が少ない、12時間以上排尿がない、体がむくんで体重が急激に増加している等の変化があった場合は、ご相談ください。

トイレが頻回になることを避けるため水分摂取を制限してしまう方がいますが、抗がん剤治療後は、意識的に水分を摂取し、トイレに行くようにしてくださいね。

体重を毎日測定し変化を見てください

味覚の秋

「ひまわり」

8月の定番の花といえば「ひまわり」が一番に思い浮かびます。
太陽に向かって咲く黄色い花は、私たちにパワーを与えてくれます。

そんな「ひまわり」は、絵画のモチーフとなることも多くあります。
特に、印象派の巨匠のゴッホやモネの「ひまわり」は、誰もが知る絵画ですね。

8月の定番の花といえば、ひまわりが一番に思い浮かびます



ゴッホが描くひまわりは、ゴッホにとって希望の象徴でした。
ゴッホは、アルルのアトリエで、ゴーギャンと共同生活を送る際に、ゴーギャンを歓迎し部屋を飾る装飾絵画として「ひまわり」を描きました。

今年の夏もコロナ禍で外出がままならないですが、ゴッホの「ひまわり」の絵に思いをはせながら、自宅でひまわりを花瓶に飾って鑑賞してみるのも良いですね。

ゴッホやモネの「ひまわり」は、誰もが知る絵画ですね

ひまわりのディスプレイ




外来化学療法室の通路にもひまわりをディスプレイしてありますので、
ぜひご覧になってくださいね。

さて、抗がん剤治療中に高血圧の症状を経験する方がいます。
収縮期血圧140mmHg以上かつ拡張期血圧90mmHg以上を高血圧といいます。
そして、食塩の取り過ぎや肥満など生活習慣に関連した環境因子や加齢・遺伝子が関係するものを本態性高血圧、腎疾患や血圧をあげる薬剤などによって起こるものを2次性高血圧といいます。
抗がん剤治療により出現する高血圧は、後者の2次性高血圧に分類されます。

高血圧

高血圧を引き起こす主な薬剤としては、アバスチンⓇやサイラムザⓇなどがあげられます。
そのような薬剤を治療に用いる場合、可能であれば毎日血圧を測定することをおすすめします。
血圧は、1日のうちでも変化します。そのため、測定する時刻を決めて、毎日一定の時刻に測定する習慣をつけてください。
その際に、頭痛や肩こり、めまい、嘔気、倦怠感などの症状も記録しておきましょう。
そして、記録した測定値を、診察の際に主治医にみてもらいましょう。
高血圧が続く場合には、降圧剤が処方される場合もあります。


日々、血圧測定を実施することで、自分の血圧のベースラインを知ることができ、血圧上昇の兆候に早めに気づくことができます。
どのように記録して良いかわからない方は、血圧手帳を用意致しますので、外来化学療法室でご相談くださいね。

ご相談くださいね

ひまわりと花火

「朝顔」

夏の風物詩のひとつに「朝顔」があります。

朝顔という呼び方は「朝の容花(かおばな)」に由来するという説があります。
「容花」とは「美しい花」のことで、朝顔は「朝に咲く美しい花」という意味です。

あさがお

朝顔の栽培


朝顔は、多くの方が小学生の頃に栽培したことがある植物ではないでしょうか。

7月のディスプレイ


朝顔の花は数時間しか咲かず、1回咲くとしぼんでしまう1日花ですが、毎日次から次へと新しい花が咲きます。
地植えだと1本の蔓で100個以上の花が咲き、蔓は3メートル以上伸びるそうです。
早朝にぷっくりと膨らんだつぼみや美しく開いた花を見ると、優雅で、とても癒やされますね。

外来化学療法室の通路のディスプレイにも朝顔が咲いていますので、ぜひご覧になってくださいね。
さて、抗がん剤治療中に下痢の症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
下痢に伴い腹痛、食欲低下、悪心などの症状が生じることもあります。また下痢をすることへの不安から、外出や食事を控えてしまうなど、生活に支障をきたすこともあります。

下痢は、疾患そのもの、抗がん剤治療の影響に伴うもの、抗がん剤以外の薬剤性のもの、放射線治療に伴うもの等の原因により生じます。

下痢の症状が出現したら、「便の性状と量、血液が混じっていないか、1日に何回くらい下痢をしてどれくらいの期間続いているか」観察してください。
また、下痢を重症化させないために、排便のパターンや性状の変化が出はじめたら、早めに主治医や看護師に相談してください。内服の抗がん薬を内服している方も、我慢せず病院に連絡をください。

下痢をしている場合は、腹部を温めたり、腸管への刺激を避けるために、温かくて消化の良い食事を摂りましょう。また、腸管に刺激のある香辛料、アルコール、カフェイン飲料や、脂肪分や繊維を多く含むものは避けた方がよいでしょう。

下痢どめの薬に関しては、原因により使用する薬剤が異なるため主治医にご相談ください。

下痢をしている場合

7月のディスプレイ

「紫陽花」

梅雨に入り、紫陽花の花をよく見かけるようになりました。

最近では、八重のものや、白や赤い色のものなど、さまざまな品種の紫陽花を見かけます。
梅雨の中、水滴をしたたらせながら咲く姿は、いずれも美しく私たちの心を穏やかに和ませてくれます。

紫陽花

紫陽花のディスプレイ



外来化学療法室のディスプレイも紫陽花を取り入れていますので、ご覧になってくださいね。

さて、抗がん剤治療を受けながらも趣味を続け、日々の暮らしを楽しんでいる方も多くいらっしゃいます。
当院の外来に通院中のMさんはとても花が好きで、自宅のお庭で園芸を楽しみ、季節ごとにご主人と外出し、花の写真を撮影しています。
その写真をいつも外来化学療法室に持ってきてくださり、それを見て多くの方が癒やされています。
現在、Mさんご夫妻が撮りためた写真を、外来化学療法室の通路に展示し、作品展を開いています。
どの写真も、素敵で癒やされるものばかりです。外来化学療法室にいらした際には、ぜひ鑑賞してください。

作品展

日焼け止め対策


がん治療中は、薬剤や放射線治療等の影響で皮膚が刺激を受け、炎症が起こしやすい状態になっていることがあります。そのような状態の時には、紫外線から皮膚を防御する必要があります。
外出時には、UVカット効果のあるアームカバーや帽子、日傘などを使用し、皮膚を保護しましょう。
さらに、日焼け止めを使用するとよいでしょう。日焼け止めは、有機系の紫外線吸収剤を用いないノンケミカルの製品にしましょう。
水や汗に強い「ウォータープルーフ日焼け止め」もありますが、これは洗浄剤を用いても皮膚に残ってしまう場合があるので、使用する場合は使用後の洗浄方法を確認し、皮膚に残らないようにしてください。
また、汗をかいて日焼け止めが落ちてしまった場合は、2、3時間ごとに塗り直すことをおすすめします。

おさんぽ



日焼け予防対策をしながら、屋外での散歩や写真撮影等の趣味を楽しんでくださいね。

ajisai

「立夏」

青空や新緑が爽やかで美しい季節となってきました。

2021年の立夏は5月5日から5月20日だそうです。
立夏は、夏の始まりを表す言葉で、暦の上では夏が始まったことになります。

立夏



立夏のこの時期は、田植えが始まったり、私たちの住む静岡では茶摘みも始まりますね。

子供の頃に歌った

「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る 
 あれに見えるは茶摘みじゃないか あかねだすきに菅の笠」


と口ずさみながら、青空を見上げて立夏を感じてください。

田植えや茶摘み



今年も、コロナ禍で遠出はままなりませんが、自宅でゆっくりと新茶を飲みながら
初夏の香りと味を堪能しながら、季節の移り変わりを体感してくださいね。

自宅でゆっくりと新茶

5月のディスプレイ



こどもの日は過ぎてしまいましたが、外来化学療法室の5月のディスプレイは
端午の節句をイメージし鯉のぼりが泳いでいますので、ご覧になってください。
さて、抗がん剤治療中は、食欲不振の症状に悩まされる方も少なくありません。
食欲不振の原因は、抗がん剤の作用によるものと二次的に起こるものと多岐にわたります。
抗がん剤によって出現する味覚異常や、便秘、下痢、口内炎等によって二次的に引き起こされる場合は、原因を減らしていくようにアプローチする必要があります。
また、抗がん剤治療に対する心理的ストレスからも食欲不振となることがあります。

食欲不振時には、「食べたいものを食べたいだけ食べる」ことが基本です。
可能であれば、消化の良いものや、高タンパクのもの、エネルギーの高いものがおすすめですが、「食べなければならない」「栄養を取らなければならない」と、自分を追い詰めてさらにストレスを増強させないように注意してください。
一口でも食べられたときには、たくさん食べられない自分を否定するのでなく、自分を認めて褒めてあげることが大切です。
また、食事の質にこだわらず、嗜好品を口にしてみても良いでしょう。
時に家族や友人から、食べることを勧められても食べられないことや、自分のために良かれと思って勧めてくれる気持ちに応えられないことに対して、負担感や罪悪感を感じ悩まれている方も見受けられます。
そのような場合は、たくさん食べることが苦痛に繋がっている状況を周囲の人に伝えるお手伝いをしますのでご相談ください。

食欲不振が続く場合には、どのように対処していけばよいか、一緒に考えていきましょう。

食欲不振

立夏

「お花見」


4月も半ばとなり、もう桜も散り始めていますが、皆さまは、「お花見」をすることができたでしょうか。

お花見


お花見の習慣は奈良時代から始まったそうですが、昔も今も日本人の桜を愛する心は変わりませんね。
コロナ渦において、以前の「お花見」のように桜の木の下で宴会といったようなことはできなくなりましたが、純粋にお花の美しさを堪能することができている気がします。

桜は、春の訪れとともに一斉に咲き、1、2週間でパッと散ってしまいますが、その後青々とした新芽が私達を明るい気持ちにしてくれます。

お花見

お花見のディスプレイ



4月に入り、外来化学療法室のディスプレイは「お花見」をテーマにしたものになっていますので、外来化学療法室にいらした際にご覧になってくださいね。

さて、抗がん剤の治療を開始する時や、抗がん剤を変更すると説明を受けた時に、多くの方は、はじめて経験する抗がん剤治療に対して恐怖や多くの不安を感じます。
難しい薬の名前や多くの副作用の話に混乱し、気持ちの整理がつかないまま抗がん剤治療が始まる場合もあると思います。

医師から説明を受けた抗がん剤の副作用症状がすべて起こるわけではありませんので、ご安心ください。
しかし、副作用症状を知っておくことは大切です。起こっている症状の原因がわかることは、安心材料のひとつとなります。

私たちは、「がん」の診断を受け複雑な治療の説明を受け不安や孤独感の中にいる方の支えとなれるように支援させていただきたいと思っています。
抗がん剤治療中は、セルフケアが副作用症状を軽くするポイントとなることも多くあります。私たちと共に、セルフケアの方法を考えていきましょう。

わからないことや、医師に聞けなかったこと、モヤモヤしていることなど、外来化学療法室看護師、薬剤師にご相談ください。

薬

ご相談ください

SAKURA

「桃の節句」


3月3日は「桃の節句」ひなまつりです。

桃の節句




3月3日が「桃の節句」と言われるようになったのは、旧暦の3月3日頃に春の訪れと共に桃の花が咲くことや、桃が厄除けや長寿をもたらす力を持っていると信じられていたことに由来します。
優しいピンク色の桃の花は、心が癒やされますね。

桃の節句

桃の節句のディスプレイ



3月中は、外来化学療法室の通路にも、小さなかわいらしいお雛さまが飾ってあります。
定番の動物の置物も三人官女と五人囃子となってお雛様を引き立てているので、ぜひご覧になってくださいね。

さて、がんの治療中の方には「痛み」を我慢している方が時折みうけられます。
「痛み」が続くと、不眠や食欲不振、体力低下をまねくこともあります。
長期間「痛み」を我慢していると徐々に痛みが悪化し、よけいに多くの鎮痛剤が必要になると言われています。
痛みを緩和させることで食事や睡眠を取ることができ不安も和らぎますので、我慢をせず鎮痛剤を使用しましょう。

よく、がんの疼痛治療に用いられるオピオイド鎮痛薬に対して「麻薬を使用すると寿命が縮む」「効かなくなってしまうことがある」「麻薬を使うのは末期の時だ」と思い込んでいる方がいますが、それは誤った情報です。
また、「副作用が怖い」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、副作用症状が出現しても対処することができます。

実際に、長期間オピオイド鎮痛薬を使用して普通の生活を送られている方は多くいます。

「痛み」の症状に対して悩まれている方は、必要に応じ緩和ケア科に受診することもできますので主治医や看護師、薬剤師にご相談ください。

痛みを緩和

3月

「チョコレート」


2月14日はバレンタインデーですね。

バレンタインデーのチョコレートのプレゼントは、お世話になった人や女性同士で交換したり自分のために購入したりと様相が変化してきています。また、チョコレートだけでなく、いろいろな甘くて美味しいお菓子も店頭に並んでいます。最近はスイーツ男子という言葉もあり、男性も甘い物を楽しんでいます。

バレンタインのチョコレート


甘い食べ物は、虫歯になる、太る、糖尿病になる等、マイナスのイメージもありますが、良い効果もたくさんあります。
タンパク質と砂糖は、エネルギー源になるだけでなく、脳内の神経物質に働きかけ、気持ちを安定させリラックスさせる効果があります。

食欲がないときや、憂鬱な気持ちの時には、甘いお菓子を食べて、エネルギーを摂取すると共にほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。

甘いお菓子を食べてほっと一息

ハートがいっぱいのディスプレイ



外来化学療法室のディスプレイも、バレンタインデーをテーマにハートがたくさんでかわいらしくなっていますので、外来にいらした際には見に来てくださいね。
さて、点滴での抗がん剤治療中は、血管が出にくく針を何回か刺されてしまうという経験がある方もいると思います。
抗がん剤の中には、血管の外に漏れてしまうと、強い炎症を起こしたり、場合によっては皮膚の壊死を起こしてしまうことがあります。
そのようなことが起こらないよう細心の注意をはらい、針を留置した部分を観察させていただき、場合によっては、針の刺し直しをさせてもらうこともあります。

治療によっては、点滴を行うために皮膚の下に埋め込んで使用する「中心静脈ポート」という器具を埋め込む場合もあります。
中心静脈ポートは、末梢の血管の確保が困難な方にも造設することがありますので、日頃、点滴の確保が困難で苦痛の強い方は主治医にご相談ください。

寒さによって、血管が収縮しやすい時期です。採血室や治療室に来る前は、身体を温かくして血管が出やすくなるようにしてきてくださいね。

点滴での治療

VALENTINE'S DAY

「新年」

あけましておめでとうございます。

みなさまはどのような新年を迎えられたでしょうか。
新型コロナの流行の猛威が収まらないなかでの年末・年始、
みなさまは新しい生活様式で、ゆっくりと心身を休めることができたでしょうか。

新年

丑年

今年は、「丑年」です。
みなさまは、牛が十二支で二番目に数えられるようになった理由をご存じでしょうか。
神さまが、十二支の動物を決めるために競争をさせた際に、歩くのが遅い牛は前日から出発しました。そんな牛の背中に途中からネズミが乗り、ゴールの直前で牛の前に飛び降りたネズミが一番になり、牛は二番になってしまったそうです。
地道で誠実な牛の性格が表れている逸話ですね。
牛は、酪農や農業で人を支えてくれる存在であり、古くから農作業などの重労働を辛抱強く手伝ってくれる様子から、「丑年」は「我慢」「耐える」「発展の前ぶれ」を表す年になるといわれています。
コロナ渦の今、新しい生活様式でじっと耐え、一日も早く普段の生活の戻ることができるよう祈るばかりです。

今年も外来化学療法室スタッフ一同、みなさまの治療の効果が最大限に出るよう願いを込めながら、副作用症状が軽減できるように精一杯支援させていただきたいと思います。

1月のディスプレイ

さて、がん治療を受けている多くの方が、代替療法を行っていたり、あるいは行ってみたいと思っているでしょう。
代替療法とは、「通常の医療に取って代わる」ものとされ多くの種類があります。
マッサージや健康食品、サプリメント、鍼灸、指圧、食事療法などが代替療法としてあげられます。
がんの進行を抑えたり、がんを治すことを目的に代替療法を行っている方もいらっしゃると思います。しかし、代替療法ががんの進行を抑えたり、治癒をするという有効性については証明されていません。
時に、極端な食事療法等を行って、食の楽しみを失ってしまったり、ストレスをため込んでしまっている方もみうけられます。
標準治療を行っている方が「代替療法」を行う場合は、生活の質を上げる目的で取り入れましょう。

サプリメントや健康食品の中には、抗がん剤の効果に影響を及ぼすものもあります。
食事療法や健康食品、サプリメント等を利用したい場合は、医師・看護師・薬剤師にご相談ください。

生活の質

今年もよろしくお願いします

「ホワイトクリスマス」

12月に入り、街中ではクリスマスのイルミネーションが輝いています。

ホワイトクリスマス

クリスマスの飾りつけでよく使われるクリスマスカラーには、「赤」「緑」「白」「金」等がありますね。そのクリスマスカラーにもそれぞれ意味があるそうです。
赤は、サンタクロースの服やヒイラギの実の色が思い浮かびます。赤は「キリスト教のシンボルカラー」でもあり「深い愛や寛大さ」を表しています。
緑は、もみの木のクリスマスツリーやリースなどに使われますね。緑は「永遠の命」や「強い生命力」などを表しています。
金色は、クリスマスツリーのてっぺんに飾られる星の色に使われることが多いですね。金色には「富や豊さへの祈り」が込められています。
白は、降り積もった雪のイメージです。白は「純潔さ」や「清らかな心」を表しています。

クリスマスカラー

12月のディスプレイ




今年の外来化学療法室の12月のディスプレイは、ホワイトクリスマスをテーマに「白」を基調としてみました。

外来化学療法室にいらした際には、ぜひご覧になってくださいね。


さて、抗がん剤治療をしていると、「味覚障害」といった副作用が出現することがあります。
症状は、「味を感じない」「苦味を強く感じる」「甘みを強く感じる」等、個人差があり、食欲に影響を及ぼす症状となります。もともと好きな食物をまずく感じたり、酸味のあるものなら食べることができる等、嗜好が変わることもあります。

味覚障害

味を感じない場合は、全体的に味付けを濃くしたり、塩味・醤油味を強く感じる場合は、だし汁を活用したり、レモンや香辛料などで風味を付けたりするとよいでしょう。
苦味を強く感じる場合は、甘みを強くしたり、キャラメルなどをなめてみてもよいでしょう。
また、唾液の分泌を促すことも大切です。炭酸水でうがいをしたり、ガムや飴をなめることで唾液の分泌を促すことができます。人工唾液を使用してもよいでしょう。

亜鉛不足により、味覚障害が出現している場合もあります。そのような場合は経口薬を用いたり、亜鉛を多く含む食品を摂取することで「味覚障害」が改善されることもあります。
「味覚障害」の症状でお困りの方は、医師、薬剤師、看護師にご相談ください。

キャラメル、ガム。飴


さて、今年はコロナの流行により、がん治療を受けている皆様は大きな不安とストレスを抱えながら毎日を過ごされていることと思います。そのような中、治療を継続されている皆様に、わたしたち外来化学療法室スタッフも勇気をもらっています。
来年も、少しでも皆様のお力になれるよう努力していきたいと思っています。

それでは、少し早いですが、素敵なクリスマスと良いお年をお迎えください。


すてきなクリスマスと、よいおとしを!

ホワイトクリスマス

「紅葉狩り」

だんだんと寒くなり、暖かいコートが活躍する季節になってきました。
木々も美しい紅葉を見せてくれています。

紅葉は、朝の最低気温が8度から9度を下回ってくると始まり、最低気温が5、6度になると一気にすすみます。
そして、夏から秋にかけての日照時間が長いことや適度な温度差があることで美しい色の葉がみられるそうです。
そのような条件が整った今年も美しい紅葉がみられますので、天気の良い日には紅葉狩りに行かれてはいかがでしょうか。

落ち葉をザクザクと踏みつける音や足の感覚は、まさに秋を体感しているといえるでしょう。

紅葉狩り

秋のおいしいたべもの



そして、秋には旬の様々な美味しい食べ物がでてきます。栗や柿、きのこ、さつまいも・・・

味覚からも秋を味わってくださいね。

さて、抗がん剤治療をしていて辛い副作用の1つとして「脱毛」があげられます。
しかし、すべての抗がん剤で「脱毛」が出現するわけではありませんので、主治医や薬剤師、看護師に確認してください。

「脱毛」が副作用としてあることがわかっていても、実際に脱毛がはじまると精神的ダメージは大きいです。特に女性にとって外見の変化は、なにより苦痛なものです。
そして、ウィッグを購入したくても、「高価な物なので」と諦めてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、昨年より、静岡市でもがん患者さんのウィッグや乳房補正具購入費用の助成が行われていますので、必要な方はご利用になってください。また、静岡市以外の方も、お住まいの地区で助成金制度があるか、市役所に問い合わせてみてください。

また、ウィッグもリーズナブルな値段の物も多く販売されています。最近は、医療用ウィッグを店舗に行かなくても通販で購入することもできます。
スマートフォンアプリを用いて、カメラで撮影した自分の写真を使い、髪の長さや毛色、分け目などを画面をタッチしながら選択し、オーダーメイドのウィッグを購入できる方法をとっている企業もあります。
ウィッグは必ずしも購入しなければならないものではありません。自分の生活スタイルに合わせた選択が大切になります。

脱毛時のケア方法やウィッグの選択方法、助成金申請方法について、外来化学療法室看護師にご相談ください。

ウィッグについても、外来化学療法室看護師にご相談ください

ご相談ください

もみじがり

「ハロウィン」

10月に入り、街中でハロウィンのディスプレイが見られるようになってきました。
ハロウィンというと仮装のイメージがありますね。
アメリカなどの国では、ハロウィンの日には、日本のお盆のように先祖が現世に帰ってくるといわれています。
その先祖に混じって悪霊や魔女達も現世にやってくるので、その悪霊たちから身を守るため、悪魔や魔女のふりをする仮装が始まったとされています。

HALLOWEEN


また、ハロウィンの日には、貧しい人々が裕福な家をまわって、その家の人たちのためにお祈りをして、お返しにお菓子やケーキをもらいました。
それが、現在の子供たちが「Trick or Treat (トリックオアトリート)」と言いながら、お菓子をもらいに家々をまわる風習につながっています。
今年のハロウィンも、かわいい子供たちの仮装に癒やされたいものですね。

Trick or Treat

10月のディスプレイ



外来化学療法室のディスプレイも10月からハロウィン仕様となっているので、
ぜひお立ち寄りください。
さて、抗がん剤治療中、使用する抗がん剤によっては「末梢神経障害」というしびれの症状が出現することがあります。
一般的に末梢神経障害は薬剤を中止したり減量することで症状の緩和や改善が得られますが、なかには治療終了後も症状が残る方もいます。
しびれの症状は、仕方ないものとして我慢している方もいますが、急激な悪化や左右非対称の症状が出現した場合は病院に連絡をください。

しびれの症状が出現すると、感覚が鈍くなり転倒をして怪我をしたり、火傷などをしやすくなりますので、注意が必要です。
足を締めつける靴や靴下も避け、爪切りをする際は深爪をしないようにしてください。
しびれている部分を温めたりマッサージを行うことで症状が緩和することもありますので、お風呂で温まりながら軽くマッサージをしてもよいでしょう。

エルプラットという薬剤では、冷たい刺激によってしびれが誘発されたり増強したりする場合もありますので、治療後数日間は冷たい飲食物を避けたり、身体を冷やさないようにすることが必要となります。

しびれの症状を軽減する内服薬もあります。効果には個人差がありますが、しびれの症状に悩まれている方は、医師、薬剤師、看護師にご相談ください。





しびれの症状に悩まれている方は、医師、薬剤師、看護師にご相談ください

HAPPY HALLOWEEN

「虫の声」

9月に入り、朝晩は涼しく過ごしやすくなってきました。
そして、夏の間に聞こえていた蝉の声が、秋の虫の声に移り変わってきましたね。

初秋には多くの虫の声を聞くことができます。
スズムシは「リーン、リーン」キリギリスは「ギー・チョン・・」コオロギは「コロコロ・・」「リッリッ・・」と鳴きます。他にも多くの虫の鳴き声が私達を癒やしてくれます。

秋に虫たちが盛んに鳴くのは、オスの求愛活動なのだそうです。
オスが美しい鳴き声を競いあい、メスにプロポーズしている姿を想像しながら虫の声を聞くのも
情緒がありますね。

プロポーズ♪

あれ松虫が鳴いている~♪


そして、子供の頃に歌った「虫の声」という歌を
「あれ 松虫が鳴いている
 ちんちろちんちろ ちんちろりん
 あれ 鈴虫も鳴き出した
 りんりんりんりん りいんりん・・」
と口ずさんで秋を感じてみてはいかがでしょうか。


外来化学療法室のディスプレイもすっかり秋色になっていますので、
外来化学療法室にお越しの際はご覧になってください。

外来化学療法室のディスプレイもすっかり秋色になっています

さて、抗がん剤治療の副作用というと「嘔気」を一番に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「嘔気」の副作用が起こりやすい人として、つわりがひどかった、男性より女性、50歳未満、車酔いをしやすい、お酒に弱いなどがあげられます。
しかし、すべての抗がん剤で「嘔気」の副作用が起こるわけではありません。
そして、嘔気に対して効果の高い薬剤も多くありますのでご安心ください。

中には、はじめての抗がん剤治療を受けた際に十分な「嘔気」のコントロールができなかったために、苦痛な体験を思い出し、抗がん剤治療の当日に予測性の嘔気といった症状が出現する方がいます。

嘔気


そのような症状を起こさないためにも、抗がん剤治療を行う際に、嘔気どめの点滴や注射を実施し「嘔気」を十分にコントロールするように努めています。
嘔気どめを使用していても「嘔気」が出現した場合は、我慢せず医師、看護師、薬剤師にご相談ください。
嘔気の症状をコントロールして、リラックスして治療が受けられるように支援させていただきたいと思います。

抗がん剤治療を行う際に、嘔気どめの点滴や注射を実施し、「嘔気」を十分にコントロールするように努めています

秋の夜長

「波の音」

波の音

外来化学療法室のディスプレイも、8月に入り「海水浴」をイメージしたものになっています


8月に入り、猛暑が続いてますね。夏の風物詩は様々なものがあります。花火大会、元気に咲きほこるひまわりの花、海水浴、スイカ等々、挙げればきりがないです。

外来化学療法室のディスプレイも、8月に入り「海水浴」をイメージしたものになっています。
「海水浴」といえば、「波の音」を思いうかべます。「波の音」にはリラックスできるゆらぎの効果があります。
みなさまも海や川や山などの自然に足を踏み入れたときに、心身ともに癒やされた経験がありませんか?
景色だけでなく、自然界の波の音や木々のこすれる音、小川のせせらぎ、虫の声などが私達の心をリラックスさせ、落ち着かせてくれるのです。
波の音のように、規則性と不規則性が程よくミックスされたゆらぎのことを「1/fのゆらぎ」といいます。「1/fのゆらぎ」は、脳波にも影響し、リラックスした時にでるα波の状態に導いてくれます。
また、波の音は、母親の胎内の音にも似ていると言われ、安心感を与えてくれます。
コロナ流行の影響で不必要な外出はおすすめできませんが、リラックスしたり、気持ちを落ち着けたい時には、インターネットで波の画像と波音を検索してみてはいかがでしょうか。

1/fのゆらぎでリラックス


さて、抗がん剤治療と並行して放射線治療を受けている方も多いと思います。
放射線治療の副作用の1つとして、放射線皮膚炎があげられます。
放射線皮膚炎は、外照射を行う際には避けることが難しい症状ですが、適切な皮膚のセルフケアを行うことで、発現を遅らせたり悪化を予防することができます。
一般的に、皮膚ケアでは「清潔」「保湿」「保護」が、ポイントとなります。

放射線治療を受けている方も、このポイントに沿って皮膚ケアを行ってください。身体を洗う際には、ゴシゴシこすらず、洗浄剤をよく泡立て、泡で汚れを取るようにしましょう。そして、洗浄剤の成分が皮膚に残らないよう、十分に洗い流しましょう。
入浴する際やシャワーを浴びる際は、お湯の温度を上げすぎないようにしてください。

また、身体を洗う際には、マーキングを消さないように注意しましょう。
皮膚にパウダーを付ける習慣がある方は、パウダーの使用を避けてください。パウダーの中には鉱物が含まれるものがあり、放射線皮膚炎を悪化させる場合があります。

清潔 保湿 保護



紫外線の強いこの時期は、日焼けにも注意して、猛暑を乗りきりましょう。
皮膚ケアについてわからないことがありましたら、外来化学療法室スタッフにご相談ください。

紫外線の強いこの時期は、日焼けにも注意して猛暑を乗り切りましょう

Summer Vacation

「七夕」

7月7日は七夕でしたが、今年はコロナの流行や災害などでそれどころではなかったですね。
天気も悪く天の川も見えませんでしたが、織姫と彦星は会うことができたでしょうか。

7月7日は、七夕です

今年の七夕の雨は、2人が会えて喜んで流した涙だと良いですね


七夕の日に降る雨は、「催涙雨」といわれ、
七夕の日にしか会うことができない織姫と彦星が、天の川を渡れず会えないことを悲しんで流した涙といわれています。
しかし、年1回会えたことが嬉しくて流した涙という説もあります。
今年の七夕の雨は、2人が会えて喜んで流した涙だと良いですね。

外来化学療法室では、みなさまに七夕の風情を感じて欲しいと思い、小さな笹と短冊を用意してあります。

みなさまも外来化学療法室にいらした際には、短冊に願いごとをしたためてみてくださいね。

短冊に願いごとをしたためてみてくださいね

さて、抗がん剤治療により、爪の発育に影響を及ぼす障害や、手足症候群という、手掌や足底に感覚異常が出現したり、発赤・亀裂・水疱といった症状が出現することがあります。
また、末梢神経障害という、主に手足のしびれをきたす症状が出現することもあります。

すべての薬剤でこのような症状が起こるわけではありませんが、これらの症状が出る可能性がある薬剤を用いる場合、予防として局所の冷却をする方法があります。
手足の先を冷やすことで、血管を収縮させ血流を減らすことで、手先足先の抗がん剤の影響を最小限にしようとするものです。

外来化学療法室では今まで、手先を冷やすフローズングローブを用いた手指冷却法を、主にドセタキセルやドキシルを点滴し、希望される患者さんに実施してきました。
今回、フローズングローブの定数を増やしましたので、上記の薬剤以外でも爪障害や手足症候群、末梢神経障害の副作用が出現する可能性がある薬剤を行い、希望される患者さんに手指冷却法を実施していきたいと思っています。
また、足用のフローズンソックスも用意してありますので、希望される方は看護師に声をかけてください。

フローズングローブ

七夕

「祈り」

新型コロナウイルス感染が拡大し、みなさまも落ち着かない毎日を過ごしていたと思います。
終息の兆しがみえはじめ規制が解除されましたが、第2波、第3波が起こる可能性があると言われていますので、がん治療中の患者さんは、まだまだ油断せず感染予防に努めていただきたいと思います。

「祈り」FOLD



このような中、がん治療中の患者さんの不安が高まっていることを心配された、放射線治療室と内視鏡検査部門の看護師が、折り鶴を折ってくれました。

看護師たちで折り鶴を折りました

「FOLD」折り鶴でできています




外来で化学療法を受けている患者さんの心が安らぐように、みなさまがコロナの感染から守られるように、その折り鶴を使って「FOLD」という文字を書いてみました。
「FOLD」は英語で「祈り」を意味しています。
「FOLD」の文字は、外来化学療法室の通路に展示してありますので、ぜひご覧になってください。

6月に入り、紫や青の紫陽花を飾ってあります




また、6月に入り、紫や青の紫陽花が飾ってあるので、不要不急の外出ができない今の時期は、治療にいらした際に外来化学療法室で季節を感じていただければと思います。
さて、抗がん剤治療を受けている患者さんから、口の中の乾燥について相談を受けることがあります。
口の中が乾燥している場合は、清潔に保ち保湿することが必要となります。
清潔に保つため、うがいをして、歯磨きを丁寧に行ってください。歯ブラシは、ヘッド部分が小さく、毛先の柔らかい物を選んでください。歯面に45度くらいの角度でブラシをあて、小刻みに歯ブラシを動かしながら丁寧に磨きましょう。

うがいの時に、市販の洗口液を用いる場合は、ノンアルコールで低刺激のものを選択してください。
口の中の痛みが強い場合は、歯磨き剤や洗口液を使わず、水や生理的食塩水(水1Lに対し食塩9グラム)を用いて歯ブラシをしましょう。歯ブラシで疼痛が強い場合は、ブラッシングをやめ、かわりに水や生理的食塩水で30秒ほどブクブクうがいをしてください。

口の中の保湿には、市販の保湿ジェルなどを用いてもよいでしょう。飴をなめたりして唾液の分泌を促すことも効果があります。
飴の中には、ノンシュガーで口腔内の環境を整える市販品もありますので、興味のあるかたは試してみてください。

口の中の清潔を保ち保湿することで、口内炎の予防にもつながります。また、ウイルス感染予防にも効果がありますので、積極的に口のケアを行いましょう。

歯ブラシは歯面に45度くらいの角度で

ブクブクうがい

6月の飾り

「お願い」

コロナウイルスへの感染の脅威が高まる中で、抗がん剤治療を受けている方は強い不安を感じていることと思います。

骨髄抑制の副作用が出現する抗がん剤もあるため、感染予防に努める事が重要です。
不必要な外出を避け、手洗いの徹底をお願いします。

当面、外来化学療法室は患者さん以外の入室をご遠慮頂きたいと思います。
更に、治療中の患者さんへの付き添いも避けていただくようお願い致します。

また、換気のため窓を開けている場合がありますのでご了承ください。


手洗いをしっかりしましょう

4月に入り、外来化学療法室の通路は「お花見」のディスプレイに変わっています。
通院されている皆様の「癒し」になるよう願っています。

外来化学療法室の通路は「お花見」のディスプレイに変わっています

「ひなあられ」


3月3日はひな祭りですね。

みなさまのお宅でもおひな様を飾ったでしょうか。

ひなまつり

外来化学療法室もおひな様を飾っていますので、ごらんになってくださいね。



外来化学療法室も例年3月にはおひな様を飾っていますので、
化学療法室にいらした際はごらんになってくださいね。
ひな祭りのお菓子といえば「ひなあられ」が思い浮かびます。

「ひなあられ」には3色のものと4色のものがあります。

3色の場合、ピンクは「生命のイメージ」、白は「雪のイメージ」、緑は「木々の芽吹きの新緑のイメージ」です。そして、我が子に3つの大きなイメージを取り入れ健やかに成長してほしいという願いが込められています。

4色の場合、赤は「桜のイメージ」で「春」、緑は「新緑のイメージ」で「夏」、黄は紅葉のイメージで「秋」、白は「雪のイメージ」で「冬」というように四季を表しています。そして、我が子が一年中健やかに過ごせるようにという願いを込められています。

おひな様を飾るのが面倒な方も、「ひなあられ」を用意してひな祭り気分を味わってみてはいかがでしょうか。

ひなあられ

さて、抗がん剤治療をしていると骨髄抑制という副作用が生じ白血球が減少することがあります。
白血球は、抗がん剤治療後、1~2週間で最低値となり、約3週間程で回復します。
白血球が減少すると感染のリスクが高まります。そこで、感染予防に努めることが必要となります。
コロナウイルスによる肺炎の脅威について毎日報道されていると、抗がん剤治療を受けている方は、特に不安が高まると思います。
しかし、感染予防は自分で行うことができますので、不必要に怖がる必要はありません。

うがいと手洗いを忘れずに


人混みへの外出は極力避け、外出後は必ず、うがい手洗いを行いましょう。
日常生活でも、うがいと手洗いを習慣づけるとよいでしょう。

そして「咳エチケット」を行ってください。
咳やくしゃみをする場合は他人から顔をそらすこと、ティッシュ等で口と鼻を覆い、使用後のティッシュは捨てること、マスクやティッシュがない場合は上着の内側や袖で口と鼻をおおって咳をすること、これらをお互いに心掛けていきましょう。

咳エチケット

ひな祭り

「バレンタイン」

バレンタイン

おいしそうで美しいチョコレートが店頭に並んでいますね



2月14日はバレンタインデー、今年も美味しそうで美しいチョコレートが店頭に並んでいますね。
日本では、女性が愛する男性にチョコレートを贈るという風習ですが、ヨーロッパの国々では、男性から女性に、カードやお花を贈る習慣があるそうです。


バレンタインの起源や由来を調べるとローマ帝国の時代まで遡りますが、そこまで深く考えず「愛の日」である「バレンタインデー」を楽しんでみてはどうでしょうか。
「本命チョコ」「義理チョコ」「友チョコ」に一言メッセージを付けることで、とびきりのプレゼントになりますよ。
また、自分のためにチョコレートを用意して、甘い香りと味で幸せを感じてみてはいかがですか。

ヨーロッパの国々では、男性から女性にカードやお花を贈る習慣があるそうです

外来化学療法室もかわいらしいバレンタインのディスプレイになっています




外来化学療法室もかわいらしいバレンタインのディスプレイになっているので、ぜひごらんになってくださいね。


さて、治療中の患者さんの中には不眠で悩まされている方も多いのではないでしょうか。
不眠の原因にはさまざまあります。

痛みによる不眠、身体症状の苦痛による不眠、不安や抑うつによる不眠、夜間の排尿に伴う不眠、薬剤性の不眠など、さまざまな要因が重なり不眠になる方がいます。
不眠の原因がわかっている場合は、原因となる症状などを取り除いて対処していく必要があります。

不眠の原因にはさまざまあります

不眠に対して、自分自身で行えることとして、「寝室を快適にする」「寝る前の刺激物(カフェインやスマートフォンの操作等)は避ける」「規則的な三度の食事と運動習慣」「規則正しく起きる」「寝酒は避ける」等があげられます。
昼寝は、昼食後に1時間以内程度なら夜間の睡眠に支障はきたしませんが、夕方に眠ってしまうと寝付きを悪くしてしまうので注意をしてください。
睡眠時間に関しては「7~8時間は睡眠をとらないといけない」と思い込んでいる方もいますが、睡眠時間は人それぞれです。
特に年齢が、60歳以上の方であれば、5~6時間睡眠時間がとれていれば大丈夫です。
睡眠時間にこだわらず、質の良い眠りをとるようにしていくことが大切です。眠くなったら寝床に入り、起きる時間は遅らせないようにしていきましょう。

不眠の症状によっては睡眠導入剤を用いる場合もありますが、まずは自分が行えそうな対処方法を実践してみてください。

昼寝は、昼食後に1時間以内程度で

バレンタイン

「初夢」


あけましておめでとうございます。

みなさまは「令和」になってからはじめての新年をどのように迎え、どのような「初夢」をみたでしょうか。

あけましておめでとうございます

「初夢」が良い夢だと良い一年になるといわれていますね。
元旦に、七福神が乗った宝船の絵を枕の下に入れて寝ると良い夢をみるという言い伝えがあります。

縁起の良い夢といえば「一富士二鷹三茄子」が有名ですね。「冨士」は「不死」に通じ「不老長寿」を意味し、鷹は「高」「貴」に通じ「出世」を意味して、茄子は「成す」に通じるので「子孫繁栄」や「蓄財」を意味するそうです。他には「朝」「血」「火事」「トイレ」「雨漏り」「死ぬ」「泣く」「太る」「亡くなった人」の夢なども縁起の良い夢と言われているそうです。みなさまは縁起の良い夢をみることができたでしょうか。

悪い夢を見てしまった場合も、人に話してしまうと、その夢は実現しないという言い伝えがありますので、悪い初夢をみてしまった方は、家族や私達に話してしまいましょう。

一富士二鷹三茄子

さて、抗がん剤治療をしていると、爪の変色や割れ欠け、爪囲炎などといった症状に悩まされる方も多いと思います。
爪の変色や割れや欠けに対してはマニキュアで補強することができます。割れた部分にはネイルシールを貼ることで、さらに補強につながります。
また、爪が薄くなり乾燥することも多いので、ハンドクリーム等で保湿する際に、指先や爪、爪の辺縁にも丁寧に塗ってください。最近は、爪の美容保湿クリームなども市販されているので利用してみてもよいでしょう。
乾燥した爪は割れやすいので、爪切りは入浴後などの爪が柔らかくなっている時にするとよいでしょう。陥入爪にならないように、深爪を避けるようにしてください。
ネイルケアを、自分で行うことが困難な場合は、点滴治療中に看護師が行うこともできるので、お声かけくださいね。
また、爪囲炎に対するテーピングの方法のリーフレットも準備してありますのでお持ちください。

ハンドクリーム等で保湿する際に、指先や爪、爪の辺縁にも塗りましょう。爪切りは爪が柔らかくなっているときにしましょう。

患者さんの素敵な作品



今年も、外来化学療法室スタッフ一同、みなさまの抗がん剤治療の効果が最大限に出るよう願いを込めながら、みなさまと一緒に抗がん剤治療に取り組んでいきたいと思っています。

2020年

「クリスマスツリー」


昨年、クリスマスの飾り付けをしてから、もう一年がたちました。
今年も外来化学療法室にクリスマスの飾り付けをしながら、時間のたつのが早いことをつくづく実感しています。
街中もイルミネーションが輝いていたり、クリスマスツリーが飾られ、すっかりクリスマスムードとなっていますね。

クリスマス

クリスマスツリー


クリスマスツリーは、いろいろなオーナメントを飾りますが、オーナメントにも意味があります。
一番上につける星の飾りは、賢者をキリストのところまで迷わないよう導いたベツレヘムの星を表し「希望の星」と言われています。
ボールは、アダムとイブが食べた禁断の果実の「りんご」を意味し、永遠の命の象徴と言われています。
鈴は、キリスト生誕の喜びを知らせた天使のベルだそうです。他に、杖の形をした飴や靴下、天使など、それぞれ意味合いがあるそうです。その意味を調べてみながら定番の飾り付けを楽しむのも良いですね。

外来化学療法室も、12月に入りクリスマスの飾りつけになっています。ぜひ、ごらんになってくださいね。

外来化学療法室も、12月に入りクリスマスの飾りつけになっています。ぜひ、ごらんになってくださいね。

さて、抗がん剤治療、放射線治療を行っていると、がんばろうと思っていても、治療が効いているのだろうか、自分はどうなっていくのだろう、がんになってしまったのは自分の何がいけなかったのか等々悩まれることが多いと思います。
そのようなつらさに対して少しでも「こころ」が楽になるようにと、外来化学療法室の通路に「癒しへのアファーメーションブック」という本を飾ってあります。
看護師が、その本を、毎日1ページずつ、めくっています。
そこには、短い文章ですが、「こころ」を軽く楽にしてくれる言葉が書かれています。
例えば「かけがえのない自分をいたわりましょう」「休息は大切な仕事です」などという言葉です。
どの言葉が自分を癒やしてくれるかは人により違うと思いますが、外来化学療法室にいらした際に本を手にとって眺めてみてください。
その本の美しい写真にも、「こころ」が洗われると思います。

本を手にとって眺めてみてください


さて、今年も通院治療を受けてきたみなさまに感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。
来年も、抗がん剤治療を受けるみなさまのお力になり、寄り添うことができたらと思っています。

それでは、楽しいクリスマスと、少し早いですがよいお年をお迎えください。

楽しいクリスマスと、よいお年を!

メリークリスマス!

「紅葉」


すっかり秋めいて、美しい「紅葉」があちらこちらで見られますね。

もみじ



この時期に、美しい「紅葉」を見るためには、いくつかの条件が必要になります。
1日の最低気温が8度以下になると紅葉がはじまり、5、6度になると紅葉がすすみます。
昼の気温が20度~25度で、昼と夜の気温差が大きいことでも紅葉がすすみます。
また、葉っぱに十分な日光が当たることや適度な湿度も、葉が紅葉するのに必要な条件になります。
その条件がそろっている今の時期に、お弁当を持って紅葉狩りに行くのもいいですね。

お弁当を持って紅葉狩り

外来化学療法室も「紅葉」のディスプレイになっているので、ぜひごらんになってください。



外来化学療法室も「紅葉」のディスプレイになっているので、ぜひごらんになってください。
さて、外来化学療法室に通院している患者さんから「何を食べたらがんに良いのでしょうか」「玄米食にした方が良いのでしょうか」「肉や甘い物をやめています」「ハムやソーセージは食べていません」など食事に関する質問や、行っている食事の制限について耳にします。

抗がん剤治療をしていると、副作用症状で食欲がなくなってしまうことがあります。
そのような中で、食事を制限してしまうと、身体維持に必要なエネルギーやタンパク質・ビタミンやミネラル等も不足してしまいます。

周囲の情報に振り回され過度に神経質になりすぎないようにしてください。
特定の食事療法や、ビタミンやサプリメントは、がんに対する治療効果は明確に証明されていません。
偏った食事療法は、食欲低下を助長し、生活の質を落としてしまう場合があります。

「何を食べたらいいのでしょうか?」



食事の基本は、「楽しく、おいしく」です。
医師から特別な指示がある場合以外は、無理をしないで体調にあわせて、その時に食べられる物や食べたい物を摂取してください。

食事の基本は、「楽しくおいしく」です。



外来化学療法室では、お食事のメニューに悩まれている患者さんやご家族にむけておすすめのレシピを紹介していますので、看護師にお声かけください。

レシピも紹介しています

もみじ

「ハロウィン」


「ハロウィン」の飾り付けがいろいろなところで見られる10月になりました。

「ハロウィン」は古代ケルト人の宗教的な行事の「万聖節」が発祥で、秋の収穫を祝い、悪霊を追い出すお祭りですが、日本ではなぜか仮装して楽しむイベントになっていますね。

ハロウィン


「ハロウィン」の色というと、オレンジと黒を想像しますが、なぜオレンジと黒なのでしょうか。
オレンジは「かぼちゃ」の色をイメージしがちですが、「ハロウィン」のオレンジは、木の葉・収穫・ランタン・火・火明かりの意味があるそうです。また、黒色は、夜・魔女・黒猫・コウモリ・クモなどを表す色になるそうです。

ハロウィンの黒とオレンジ

オレンジ色と黒色をベースにしたハロウィンのディスプレイをしているので、ぜひ見にきてくださいね




外来化学療法室も、オレンジ色と黒色をベースにしたハロウィンのディスプレイをしているので、ぜひ見にきてくださいね。


さて、前立腺や子宮の手術後に「尿もれ」に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
また、手術を受けたことがない方でも、加齢に伴い「尿もれ」の症状を経験する方もいます。
「尿もれ」には、くしゃみや咳をした拍子に尿が出てしまう「腹圧性尿失禁」や、トイレに行きたくなると、もう我慢できなくなる「切迫性尿失禁」があります。

ハクションッ!!

「尿もれ」がある方も、ない方も、改善と予防のために「骨盤底筋体操」をおすすめします。
骨盤底筋とは、骨盤の底にある筋肉群で、膀胱や子宮、直腸などが下がらないように支えており、排尿、排便に大きく関係します。この骨盤底筋の筋力が弱まると、尿道を締める力が弱くなるため、頻尿や尿もれが起こりやすくなります。

そこで、筋力が弱まり緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて、「尿もれ」を予防、改善していきましょう。
まず、肛門や膣をしめるようにして力を入れていきます。男性の方はおならを我慢するつもりで肛門をしめてください。
締めたまま5つ数えて、その後ゆっくり力を抜きます。これを何回か繰り返し行います。
この体操は、立ったままでも仰向けでも座っていても行えます。お腹を動かさずに、肛門や膣、尿道が締まる感覚があれば、体操は正しく行えています。

骨盤底筋

骨盤底筋体操は、いつでもどこでもできます



骨盤底筋体操は、効果がでるまでには数ヶ月かかりますが、いつでもどこでも簡単にできる体操です。この体操を習慣化して毎日行っていきましょう。

外来化学療法室には、骨盤底筋体操の方法について詳しく書かれているパンフレットが置いてありますので、ご自由にお持ちになってください。

HAPPY HALLOWEEN !!!

「中秋の名月」

中秋の名月



9月に入ってからも、猛暑が続き、まだまだ秋の気配も感じることができませんね。


9月といえば「十五夜」が思い浮かびます。「十五夜」は美しい月を観賞しながら、秋の収穫を感謝する行事です
「十五夜」は、旧暦の8月15日を指し、2019年は9月13日です。
満月は、1年のうち12回見られますが、中でも最も明るく美しい満月が見られるのが、「十五夜」の月で「中秋の名月」と言われています。
今年も、月の中で餅つきをするうさぎの姿が見られたでしょうか?
中秋の名月を見逃してしまった方も、十五夜に続いて美しいと言われているのが十三夜の満月です。今年の十三夜は、10月11日です。ぜひ、秋の美しい満月を見てください。

今年も、月の中で餅つきをするうさぎの姿が見られたでしょうか?

外来化学療法室の通路のディスプレイも「中秋の名月」をイメージしています


外来化学療法室の通路のディスプレイも「中秋の名月」をイメージしていますので、
ぜひご覧になってくださいね。


さて、抗がん剤治療中に便秘の症状に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
抗がん剤のなかには、副作用として便秘が起こるものがあります。
また、嘔気などの副作用対策に用いられる制吐剤や、症状緩和のために用いられるモルヒネなどの薬剤が腸蠕動の低下を招き便秘を引き起こすことがあります。さらに、食欲低下に伴う水分摂取量の減少が便秘の要因となることもあります。
このように、便秘の原因や増悪因子が組み合わさって便秘が生じます。


便秘薬は、便秘の程度や原因によって処方されます。それらの便秘薬を、自分の排便状況に合わせ適切に用いることが必要となります。
内服のタイミング等のご相談がありましたら、外来化学療法室スタッフにお伝えください。

便秘

便秘薬

水分を摂取、ストレッチやおなかマッサージ、散歩


ご自身で行うことのできる便秘対策として、毎日一定の時間に排便を試みること、水分を十分に摂取すること、ストレッチや散歩などの適度な運動があげられます。
また、腹部を温めマッサージを行うこともよいでしょう。

便秘の症状がある場合は、主治医や薬剤師、看護師に伝え、適切な便秘対策を講じて、2~3日に1回は排便があるように調整していきましょう。

中秋の名月のディスプレイ

「向日葵」


8月に入り猛暑が続いていますが、この暑さの中でも元気に咲いている「向日葵」をたくさん見かけます。


「向日葵」は、太陽が移動する方向に花が回るため「向日葵」と呼ぶそうです。
この「向日葵」の動きは有名ですが、この動きは成長が盛んな若い時期だけです。
開花してからは、おおむね東南の方向で落ち着くようです。

ひまわり


そして「向日葵」の花言葉には「私はあなただけを見つめる」「あこがれ」「熱愛」といった情熱的なものがあります。
ギリシャ神話の中には、太陽の神アポロンに恋をした、海の神クリュティエが失恋をし、悲嘆にくれたクリュティエが、涙を流しながら9日間ずっと天空をかけるアポロンを見つめ続け、「向日葵」の花になってしまったという伝説もあります。

あこがれ

外来化学療法室の通路には「ひまわり」が飾ってありますので、ぜひご覧になって元気をもらってくださいね



外来化学療法室の通路には「向日葵」が飾ってありますので、ぜひご覧になって元気をもらってくださいね。

さて、抗がん剤治療や放射線療法を受けていると皮膚障害が出現する場合が多くあります。
そこで、スキンケアはとても重要になります。
「清潔」「保湿」「保護」がスキンケアの基本となりますが、夏のこの時期は、特に紫外線から皮膚を保護する必要があります。
外出する場合は、日傘や帽子、長袖の衣服、手袋をして紫外線を遮断しましょう。
日焼け止めを使用することも、紫外線の防御になります。

外出する場合は、日傘や帽子、長袖の衣服、手袋をして紫外線を遮断しましょう。日焼け止めを使用することも、紫外線の防御になります。


紫外線を防御し皮膚障害が悪化しないように日常的にセルフケアすることは大切ですが、それでも起こってしまった皮膚の変色や、外見上気になる手術の痕等を化粧でカバーする方法を「カモフラージュメイク」と言います。
「カムフラージュメイク」は、病気の前と同じ状態に戻すのではなく、皮膚症状の見た目を抑えることを目標に行います。


爪の障害に対し外来化学療法室で取り組んでいるネイルケアも「カムフラージュメイク」の1つです。
「カムフラージュメイク」について興味がありましたら、外来化学療法室看護師にご相談ください。


猛暑を「向日葵」からパワーをもらって乗り切りましょう。

カモフラージュメイク

ひまわりからパワーをもらって、猛暑をのりきりましょう!

「朝顔」

雨の日が多く、日照時間も短い日が続いています。
そのような中でも、夏の風物詩の「朝顔」のつるがあちらこちらで伸び始めています。
みなさまも、小学生の頃に栽培した経験があるのではないでしょうか。
「朝顔」を見ると、夏休みに観察日記を書いたことを思い出す方も多いと思います。

あさがお

朝顔のつる



さて「朝顔」のつるですが、左回りに伸びるそうです。
左回りになるのは、つるの右側と左側で成長の速度が違うからだそうです。「朝顔」のつるは、右側が左側に比べ成長ホルモンが濃く成長が早いため、左回りにらせんを描きながら支柱に巻き付きます。

また、夜明けとともに花が咲くイメージがありますが、「朝顔」の開花を促すのは、朝日ではなく夜の長さです。日没で暗くなってから、およそ9時間くらいで開花します。
「朝顔」も体内時計を持っているのですね。
そして、紫陽花のように土壌の成分によって色調が変化したり、朝と夕方でも色調が変化したりと、調べると、美しいだけでなく色々な特徴を持った面白い花です。
外来化学療法室のディスプレイも「朝顔」をイメージしたものとなっているので、ぜひ見にきて初夏を感じてください。

外来化学療法室のディスプレイも朝顔をイメージしたものとなっています



さて、抗がん剤の種類によっては「下痢」の症状を引き起こすことがあります。
下痢の種類は、抗がん剤開始から24時間以内に起こる「早発性の下痢」と、抗がん剤投与終了24時間以降から数日たってから出現する「遅発性の下痢」に分けられます。
いずれにせよ「下痢」の原因に合わせた対処方法が必要となりますので、「下痢」の症状がでた場合は、医師や看護師・薬剤師にご相談ください。

抗がん剤の種類によっては下痢の症状を引き起こすことがあります



あらかじめ、下痢止めが処方されている場合は、我慢せず薬を使用しましょう。
食事は、腸管への負担が少ない消化吸収のよいものを食べるように心がけてください。
また、お腹を温めることが腸蠕動を鎮静化させ腹痛の緩和につながるので、腹痛がある場合はお腹を温め心身の安静が保てるようにすることも必要です。

お腹をあたためます

スポーツ飲料・経口補水液や果物や野菜ジュースなどの水分を摂取するようにしましょう


下痢が続く場合は、脱水や電解質の異常をきたすことがあるので、食事が食べられなくてもスポーツ飲料・経口補水液や果物や野菜ジュースなどの水分を摂取するようにしましょう。
そして、アルコールやカフェインの含まれるものや、牛乳などの乳製品は避けることも必要です。

お腹の調子を整えて、夏本番を乗り切りましょう。

朝顔をイメージしたディスプレイ

「梅雨」

梅雨入りをむかえ、湿気の多い時期となりました。寒暖差もあり、体調を崩される方も多いのではないでしょうか。

梅雨

じめじめ


湿気の多いこの時期には、汗をかいたときに汗の蒸発を妨げてしまい、熱が体にこもり「熱中症」になってしまう場合もあります。
真夏の熱中症は、温度調節に注意が必要ですが、梅雨のこの季節は湿度調節に注意が必要です。特に風のない日は湿度が上がりやすいので、湿度調節を心がけてください。


窓を開けて換気を良くしたり、エアコンの除湿機能を活用することで、湿度の調整を図ることができます。
お部屋に炭を置いても除湿効果があるそうですよ。インテリアとして備長炭を飾るのも良いですね。

お部屋に炭を置いても除湿効果があるそうですよ

外来化学療法室の通路にも紫陽花が飾ってあるので、ぜひご覧になってくださいね



憂鬱な気分になりがちな梅雨のこの時期ですが、そんな気分を吹き飛ばしてくれるのが美しい紫陽花です。雨露のついた紫陽花は格段に美しいと思います。
外来化学療法室の通路にも紫陽花が飾ってあるので、ぜひご覧になってくださいね。

また、今月も通院治療を受けている方が、作品を持ってきてくださいました。「花菖蒲の写真」が展示してありますので、ご覧になって癒されてください。

花菖蒲のすてきなお写真が展示してありますので、ぜひご覧になってください

〈クリックすると拡大します〉

さて、抗がん剤の種類によっては、副作用として「肺障害」が出現する場合があります。
特に、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤などは、頻度は少ないですが「間質性肺炎」という副作用が出現することがあります。

から咳や息切れなどの症状が出現した場合には、受診することをおすすめします。
ゼーゼーとした呼吸音がしたり、食欲不振、発熱を伴う場合もあります。
初期の症状は風邪と似ているため、注意が必要です。

肺障害が重症化する前に、治療を開始し、抗がん剤を中止する必要があります。
特に、内服薬の分子標的治療薬を内服している方は「これくらいは大丈夫」と過信して服用し続けずに、まず主治医にご相談ください。
また、治療終了後も間質性肺炎が起こる場合もありますので、長期間にわたり症状に注意していきましょう。

から咳や息切れなどの症状が出現した場合には、受診することをおすすめします

梅雨

「作品展」

新緑が美しく過ごしやすい季節となりました。
元号も「令和」となり、気持ちも新たになったのではないでしょうか。
私たち化学療法室スタッフも、みなさまの身近な存在となれるように努力し療養生活を支えていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。


令和となりました

作品展

外来化学療法室の通路には、みなさまにお持ちいただいた写真や刺繍など、さまざまな作品を展示させていただいています。
提供していただいた素晴らしい作品を、多くのみなさまに見ていただきたく、今月は「作品展」として、外来化学療法室の通路に、書道、ビーズ、フェルト等の作品を展示させていただきました。

いずれも、手の込んだ素晴らしい作品ばかりです。そして、作品を見ていると、大きなパワーと癒しをもらえる気がします。
みなさまも、外来化学療法室にいらした際には、ぜひごらんになってください。


さて、抗がん剤治療をしていると、体のだるさ「倦怠感」といった症状がでることが多くあります。
以前も書かせていただきましたが、倦怠感は単独の要因でなく、身体的・心理・社会的要因など多くの原因が関連しあって起こり、メカニズムは明らかになっていません。

倦怠感の対処法として「休息」や「睡眠」を十分とること、またウォーキングなどの適度な運動などが推奨されています。
そして「気分転換」を図ることも対処法の1つとなります。

「気分転換」を図るために、趣味は重要な役割をはたします。
音楽が好きな方は音楽を聴いてリラックスしたり、何かを作ることが好きな方は製作に熱中することで「倦怠感」を忘れることができたりします。
ぜひ、「趣味」や「好きなこと」「今までの習慣」を継続してください。

そして、趣味の作品を外来化学療法室に展示してくださる方は、ぜひお持ちになってください。

休息やウォーキング

趣味や好きなこと

みなさんのすてきな作品

「花見団子」


4月に入ってからも寒暖の差が激しい日が続いていますね。

桜も散り始めましたが、みなさまは「お花見」はされたでしょうか。

みなさまはお花見はされたでしょうか

お花見といえば三色の花見団子が思いうかびます


「お花見」といえば三色の「花見団子」が思いうかびます。

「花見団子」は、派手好きの豊臣秀吉が、お花見の席で女性達をもてなすために考案したものだそうです。

三色団子の3色には、それぞれ意味が込められていて、ピンクは「春の花」、白は「冬の雪」、緑は「夏の新緑」と季節を表しています。
この季節に「秋」に含まれていないのが「食べあきない」とかけているからだそうです。

みなさまも「花より団子」で、やさしい甘さの三色団子を味わってみてはいかがでしょうか。

さて、抗がん剤というと「吐き気」や「嘔吐」のイメージが強い方も多いと思います。

「吐き気」や「嘔吐」の発生頻度は、使用する抗がん剤によって異なります。
抗がん剤による「吐き気」「嘔吐」には、抗がん剤点滴後24時間以内に発生する「急性の悪心・嘔吐」と、24時間以降から3~4日まで続く「遅発性の悪心・嘔吐」があります。

抗がん剤というと、吐き気や嘔吐のイメージが強い方も多いと思います

抗がん剤点滴を受ける場合、「吐き気・嘔吐」のリスクに合わせた嘔気止めを治療の時に用いますので、「吐き気」や「嘔吐」は、感じなくて済んだり最小限にすることが可能になってきています。
それでも、症状がある場合は、薬剤師の介入により嘔気止めの変更や頓用薬の処方を提案させていただきますので、「抗がん剤の点滴をしているから仕方がない」「これくらいは我慢しないとならない」などと思わず、ご相談ください。
「吐き気」「嘔吐」のコントロールが不十分な場合には、不安によって抗がん剤治療の前から症状が出現する「予測性の悪心・嘔吐」という症状がでることがありますので、症状を十分に予防しコントロールすることが重要です。

抗がん剤投与による「吐き気」「嘔吐」は、最もつらい症状の1つであり、その症状が出ることにより食欲不振や脱水、低栄養をまねくこともあります。
そこで私たちスタッフと共に症状と嘔気止めの効果の評価をし、副作用症状が最小となるようにしていきましょう。

私たちスタッフにご相談ください

4月

「ひな人形」

桃の節句


3月3日は、桃の節句「ひな祭り」でしたね。

女の子のいるお宅では「ひな人形」を飾ったでしょうか。



最近は、シンプルでコンパクトな暮らしを好む傾向があったり、住宅事情からも、小さなひな人形が流行っています。

昭和の時代に飾っていた豪華な段飾りのひな人形は一般の家庭では飾られることは少なくなり、ディズニーやキティちゃん等のキャラクターのひな人形や、ガラス細工の物やちりめんでできた物など様々なタイプの小さなひな人形を飾る家が多いそうです。

ひな祭り




3月中は、外来化学療法室にもかわいらしいおひな様が飾ってありますので、ぜひ見に来てください。

おひな様をいつまでも飾っておくと、お嫁にいけなくなるという言い伝えは、迷信だそうですので気にしないでくださいね。

3月中は、外来化学療法室にもかわいらしいおひな様が飾ってありますので、ぜひ見に来てください。

採血や治療

さて、抗がん剤治療を長期間行っていると血管が出にくくなり、採血や治療の際に何回か針を刺される経験がある方も多いと思います。

外来化学療法室でも、1回の穿刺(針をさすこと)で済むように努力をしていますが、なかなか1回では済まない場合もあります。
また、使用する抗がん剤の種類によっては、薬が血管の外に漏れてしまうと強い炎症をおこしてしまったり、場合によっては壊死してしまうこともありえます。
そこで、看護師は血管の選択を慎重に行い、針を刺した部分の観察を頻回に行わせてもらっています。
治療中、何回も針をさした部分を観察させていただくのでゆっくり休むことができないかもしれませんがご了承ください。
また、治療中に針をさした部分が痛くなったり腫れてきたりしたら、我慢せずに、すぐ看護師に声をかけてください。
点滴中に血管の痛みが出現する薬剤もありますので、その場合もできる限り対処させていただきます。
そして、治療室に来る前には、あまり腕を冷やさないようにして、血管が出やすくなるように温かくしてきてくださいね。

ひな祭り

「バレンタインデー」


2月になり、お店には様々な種類のチョコレートが売られていますね。
チョコレートの成分には、脂質、ポリフェノール、食物繊維など、体に良い効果をもたらすものが含まれています。
またチョコレート独特の香りは、神経に作用してリラックスさせてくれる効果があるといわれています。
バレンタインデーには、自分のために甘いチョコレートを用意して癒やされてみてはいかがでしょうか。

バレンタインデー

患者さんが作ってくださった、すばらしいフェルトで作ったチョコレートです

〈クリックすると拡大します〉



さて、外来化学療法室のディスプレイも「バレンタインデー」をテーマとしたものになっています。

ディスプレイの中には、フェルトで作ったチョコレートが飾ってあります。

この作品は、外来化学療法室で治療を受けている患者さんが製作してくれました。
その本物と見まごう作品は、1針1針ていねいに作られたすばらしいものです。
外来化学療法室にいらした際には、ぜひご覧になってくださいね。


抗がん剤治療を行っていると、様々な皮膚のトラブルが現れることがあります。
皮膚のトラブルに対して日常的に行うスキンケアの基本は「清潔」「保湿」「保護」となります。

体や顔を洗うときに肌を強くこするようなことや、洗浄剤を直接体になすりつけることは避け、可能であれば泡で包み込むように洗ってください。
また、洗い残しやすすぎ残しがないようにしましょう。

入浴やシャワーの後などは、皮膚の水分量が急速に拡散されます。そこで、入浴後等は早めに保湿剤を塗ることをおすすめします。
また、きつい衣服や履物を避けることも大切です。そして、外出時は日焼け止めを用い、紫外線からも皮膚を保護することが必要となります。

皮膚障害として、爪の割れや欠けや変色などの障害が出現することもあります。外来化学療法室では爪障害に対してネイルケアも行っています。

スキンケアや爪の障害についてお悩みの点につきましては、外来化学療法室看護師にご相談ください。

入浴後等は早めに保湿剤を塗ることをおすすめします

外出時は日焼け止めを用い、紫外線からも皮膚を保護しましょう

Happy Valentine's Day!!

「新年」



あけましておめでとうございます。

今年の5月には「平成」から元号が変わり、新たな時代の幕開けとなりますね。

あけましておめでとうございます




みなさまはどのような新年を迎えられたでしょうか。

年末、年始の風習や行事として「除夜の鐘」「大掃除」「初日の出」「門松」「しめ縄」「お年玉」「おせち」「おとそ」「お雑煮」「初詣」「書き初め」「初夢」「七草粥」「鏡開き」など様々ありますが、みなさまはどのように過ごされましたか。

お正月気分を味わえたでしょうか。

お正月



さて、寒さが強くなるとともにインフルエンザが猛威をふるっています。

抗がん剤治療をすると、骨髄抑制という副作用がでることがあります。
骨髄抑制が起きて白血球が減少すると感染を起こしやすくなります。
白血球は抗がん剤治療後1~2週間後に最も低値になることが多いので、
その時期は特に感染に注意してください。

うがいと手洗いを頻回に行い、インフルエンザの予防に努めましょう。

寒さが強くなってきました

インフルエンザの予防につとめましょう

昨年も外来化学療法室では多くの方々が抗がん剤治療を受けられました。
今年に入り、1月4日から外来化学療法室の予約が混み合い、みなさまには大変ご迷惑をおかけしております。

今年も外来化学療法室スタッフ一同、みなさまの治療の効果が最大限に出るよう願いを込めながら、副作用症状が軽減できるように精一杯支援させていただきたいと思います。

すてきなお写真

〈クリックすると拡大します〉

HAPPY NEW YEAR 2019

「クリスマスツリー」


早いもので、もう12月、年の瀬です。
街中も、すっかりクリスマスのイルミネーションで輝いていますね。

クリスマス



化学療法室もクリスマスのディスプレイに変わっていて、
クリスマスツリーも様々のオーナメントでかわいらしく飾ってありますよ。

化学療法室もクリスマスのディスプレイで、クリスマスツリーも飾ってあります


さて、クリスマスツリーに「もみの木」が用いられるのはなぜでしょう。

「もみの木」は針葉樹で、冬でも枯れずに青々としていることから、「永遠に枯れない象徴」として用いられています。
他にも「もみの木には幸せを運ぶ小人が住んでいる」など諸説あるので、調べてみてもおもしろいですよ。
化学療法室のディスプレイの中にも小人が隠れているので、探してみてくださいね。

化学療法室のディスプレイの中にも小人が隠れているので探してみてくださいね

抗がん剤治療をしていると、つかれやだるさといった「倦怠感」に悩まされることが多いと思います。倦怠感の原因は様々です。電解質の異常など原因が明らかな場合は、その原因に対して対処すれば症状が改善します。
しかし、「倦怠感」は単独の要因でなく、身体的・心理社会的な多くの要因が関連しあって起こり、正確なメカニズムは明らかになっていません。
一般的に、抗がん剤治療に伴う「倦怠感」は抗がん剤治療の数日後から強くなり、次の抗がん剤治療予定日までに徐々に回復していきます。
「倦怠感」は、他の人には理解されにくい症状であり、やる気や行動範囲を低下させてしまうこともあります。

まず、「倦怠感」を感じたら無理をせず「休息」や「睡眠」を十分にとりましょう。
音楽を聴いたり、テレビを観たりして気分転換を図ってみましょう。
先月、書かせていただいた「アロマの香り」で自分を癒やすのも良いと思います。

しかし、「休息」を取ろうとするあまり、過剰に安静にしてしまうと、筋力や体力の低下を招くことがあるので、自分のできる範囲で体操や散歩など取り入れてください。

つかれやだるさといった倦怠感の原因は様々です。

すいみん、おんがく、おさんぽ

今年一年、抗がん剤治療を受けられている皆様と様々なお話をさせていただき、私たち看護師が大きなパワーと元気をもらったと実感しています。

来年も、少しでも皆様のお力になれるよう努力していきたいと思っています。
少し早いですが、素敵なクリスマスと良いお年をお迎えください。

素敵なクリスマスと良いお年をお迎えください。

メリークリスマス!コビトを探してね

「紅葉」

「紅葉」は日本の四季の美しさを象徴する風景のひとつです。
木々が緑から黄色、赤と色づく様はとても神秘的ですね。
でも、秋になると葉が赤や黄色に色づくのはなぜでしょう。

もみじ

春や夏に葉が緑色なのは、葉にクロロフィルという緑色に見える色素がたくさんあるからです。
冬が近づくと木が葉を落とす準備をして、枝と葉の間に壁をつくります。それにより葉の中のクロロフィルは老化しアミノ酸に分解され、緑色が目立たなくなります。
葉の中には黄色の成分であるカロチノイドが含まれており、春夏は目立たなかったカロチノイドの黄色の成分が見えるようになり、葉は黄色くなります。葉が赤くなるのはクロロフィルが分解された成分を材料にして、アントシアニンという成分が合成されるからです。
アントシアニンという成分はブルーベリーなどに含まれて目に良いことでも有名です。
紅葉ではアントシアニンが視覚でも私達を楽しませてくれますね。

紅葉は日本の四季の美しさを象徴する風景のひとつです

さて、外来化学療法室の通路でアロマを焚いていることに気づかれている方もいらっしゃると思います。
アロマテラピーを行い期待できる効果として、不安の緩和、リラクゼーション、痛みの緩和など様々なものがあるといわれています。
外来化学療法室では「薬のにおいがする」「嘔気がある」という声に対して、少しでもそれらが緩和できるようにと、2年前よりアロマを導入しています。
香りの種類は様々で、毎日看護師が精油をブレンドしています。
化学療法室で頻回に使用している「ペパーミント」の香りは、嘔気を緩和したり、清涼感が高ぶった気持ちを落ち着かせたり、うつ症状の回復や、胸やけや下痢を緩和するなど様々な効能がいわれています。
「グレープフルーツ」は気分を明るくひきたてたり、むくみを改善したり、肌を引き締める作用等があるといわれています。
「ローズマリー」は認知症に効果があったり、健康長寿に有効であるなんて話題にもなりました。

化学療法室にいらした際にもぜひアロマの香りを楽しんでくださいね

このように、アロマテラピーは、自分が心地よい香りをかぐことで自律神経や内分泌系に良い影響を与えます。
日本では、医療に使われる薬剤ではないので症状の治療としては用いられませんが、自分が好きな香りを嗅いでリラックスしてみてはいかがでしょうか。
また、化学療法室にいらした際にもぜひ「本日の香り」を楽しんでくださいね。

紅葉は日本の四季の美しさを象徴する風景のひとつです

「ハロウィン」

10月の風物詩として「ハロウィン」は、すっかり日本にも定着してきました。
ハロウィンは古代ケルト人の宗教的な行事の「万聖節」が発祥で、秋の収穫を祝い悪霊を追い出すお祭りです。
しかし、日本では宗教的な意味合いはなく祝われています。
子供たちもかわいらしいお化けの仮装をして「Trick or Treat」なんて言いながらお菓子をもらう楽しいイベントとなっています。
外来化学療法室は、今年もハロウィンのディスプレイをしているのでぜひ立ち寄ってくださいね。

HAPPY HALLOWEEN

インフルエンザにかからないようにするためには予防が重要です



さて、日々肌寒くなるこの時期はインフルエンザが流行しはじめます。
今シーズン静岡市内の小学校でもインフルエンザによる学級閉鎖がありました。
インフルエンザにかからないようにするためには予防が重要です。

ワクチンを接種しても100%インフルエンザにかからないというわけではありませんが、ワクチンを接種することで、インフルエンザウイルスに対抗するための抗体をつくることができます。
また、発症した場合には重症化を防ぐことができます。
抗がん剤治療を受けていて予防接種を希望する方は、主治医と相談し、インフルエンザの流行が始まる11月頃までに接種をすませましょう。

インフルエンザ予防接種


自分自身で行える予防法として、手洗い、うがい、マスクの装着があります。
インフルエンザウイルスは咳やくしゃみなどの飛沫や接触によって伝播します。
そこで外出後は、必ず手洗いとうがいをしましょう。アルコール製剤による手指衛生も感染予防に効果があります。
マスクは、他人からの感染を予防するだけでなく、自分自身が他人に感染させないためにも着用をすることをおすすめします。

手洗い、うがい、マスクをしよう

そして「咳エチケット」を行ってください。
咳やくしゃみをする場合は、他人から顔をそらすこと、ティッシュ等で口と鼻を覆い、使用後のティッシュは捨てること、マスクやティッシュがない場合は上着の内側や袖で口と鼻をおおって咳をすること、これらをおたがいに心掛けていきましょう。

使用後のティッシュは捨てましょう

外来化学療法室は、今年もハロウィンのディスプレイをしているので、ぜひ立ち寄ってくださいね

「旬」

季節は秋へと移り変わりつつあります。
やっと寝苦しい夜から解放されますね。しかし、この猛暑を乗り切った体には疲労が蓄積されていることと思います。
そこで、秋ならではの「旬」の食材を食べ、冬に備えていきましょう。

旬

「旬」の食材は、最も栄養価の高い時期に収穫するため美味しく、しかも価格も安いというメリットがあります。
秋が「旬」の食物としては、「秋刀魚」「鯖」「なす」「根菜類」「柿」「ぶどう」など様々なものがあります。そして、美味しい「新米」も出まわります。また、「そば」も秋が「旬」の食べ物です。
「旬」の食材を口にしたり、楽しんで季節を感じていただきたいと思います。
外来化学療法室のディスプレイの中にも秋の食材が飾ってあるので、ぜひ見にいらしてください。

外来化学療法室のディスプレイの中にも秋の食材が飾ってあるので、ぜひ見にいらしてください

さて、抗がん剤治療をしていると、副作用として「味覚障害」が起こることがあります。
「口の中がざらざらしたような感じ」や「何を食べても苦い」「砂をかんでいるみたい」「味がしない」など、症状も人それぞれです。
食事がおいしく食べることができなくなると、食欲不振の原因となります。
「抗がん剤の影響だから仕方ない」と思いがちですが、ちょっとした工夫でおいしく食べることができることもあります。
カレー、しょうが、香辛料、梅などで、味にアクセントを付けたり、工夫してみてください。
唾液の分泌を促すために、シュガーレスガムやあめを口に含んだり、炭酸水などでうがいをするのもよいでしょう。

また、舌の細胞の新陳代謝を促すために、ビタミンB12や鉄、亜鉛が多く含まれる食品などを食べるのもおすすめです。
外来化学療法室の通路に、ビタミンB12や亜鉛の多く含まれる食材やレシピについて掲示してありますので参考にしてください。

最も大切なのは、栄養状態が維持できるように、食べたい時に食べれる物を摂取することです。
抗がん剤の副作用による味覚障害や食欲不振でお悩みの方は、外来化学療法室看護師にご相談ください。

外来化学療法室の通路に、ビタミンB12や亜鉛の多く含まれる食材やレシピについて掲示してありますので参考にしてください

今月の飾りつけ

「甲子園」

「甲子園」

夏といえば「甲子園」。今年は100回記念大会です。
高校球児が日々熱戦を繰り広げています。応援にも熱が入りますね。
さて、高校野球全国大会が、天候に左右されないドームで開催されないのはなぜでしょう。
高校野球全国大会は、1915年から朝日新聞社が「全国中学校優勝野球大会」を豊中運動場で開催したのがはじまりです。豊中グラウンドは野球大会を行うには手狭なため鳴尾競馬場内に野球場を建設し、第3回大会より会場が移りました。しかし、大会の人気は高まり、鳴尾球場では観客が収容しきれなくなりました。そこで、日本で初めて大規模な球場建設がはじまり、1924年に甲子園球場が完成しました。
甲子園はそもそも「高校野球」を開催するために作られた球場なのです。
甲子園の収容人数は日本の野球場で最大人数で47500人の収容ができるそうです。内野グラウンドは土で、外野グラウンドは天然芝です。美しいグラウンドと高校球児の熱闘。「甲子園」で開催されるからこそ、より感動を呼ぶのですね。

夏といえば「甲子園」。

さて、連日の猛暑で体力が低下している方も多いのではないでしょうか。
この時期は「熱中症」にならないように注意が必要です。
私たちの身体は血管を広げて、外に体内の熱を逃したり、汗をかいたりすることで、体温の急激な上昇を防いでいます。しかし外気温が高いと体内の熱は放散せず、湿度が高いと汗が蒸発しません。
熱中症は、外気温上昇に身体が対応することができず、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れることで起こります。
そして熱中症は、気温が高い場合だけでなく、湿度が高い場合や、風が弱く日差しが強い環境でも起こりやすくなります。
抗がん剤治療の副作用で食欲が低下し、水分も多く摂取できない方は特に「熱中症」にならないように注意しましょう。

この時期は「熱中症」にならないように注意が必要です。

最も大切なのは、暑さを避けることです。屋外では、日陰を選んで歩いたり日傘や帽子を身につけ、屋内では、扇風機やエアコンを適切に使用し、すだれやカーテンで直射日光を避けましょう。そして、こまめに水分を補給してください。
天気予報を確認し、急に暑くなる日は外出を避けるほうがよいでしょう。

暑い日は、涼しい部屋で、高校球児達の熱戦を応援しましょう。

暑い日は、涼しい部屋で、高校球児達の熱戦を応援しましょう。

今月は「夏」の飾りつけ。手づくりの水族館やビーチが登場です!

「夏祭り」

7月に入り、暑い日が続いています。
夏本番を迎え、体調をくずされている方も多いのではないでしょうか。
脱水や熱中症予防のために、こまめに水分を摂るように努めてくださいね。

暑い日が続いています

夏といえば「夏祭り」があちらこちらで催されます。
季節によって「祭り」の意味合いは異なりますが、「夏祭り」は疫病退散や台風などの天災を取り払う目的で祭りが行われることが多いようです。
「夏祭り」は、京都の「祇園祭り」や青森の「ねぶた祭り」が有名ですが、静岡でもさまざまな場所で「夏祭り」が開催されます。
御神輿や夜店に花火、盆踊り、金魚すくいなど、考えるだけで童心にかえりワクワクします。
みなさまも、体調と相談しながら、夏祭りに出かけたり、夜空を彩る花火を眺めて気分転換を図ってみてはいかがでしょうか。
外来化学療法室のディスプレイも「夏祭り」をイメージしたものとなっているので、ぜひ見にきて夏を感じてください。

夜空を彩る夏祭りの花火

さて、夏のこの時期は紫外線が強くなります。
抗がん剤や放射線治療の影響で皮膚に刺激や炎症を起こしやすい状態の場合は、特に紫外線から皮膚を守る必要があります。

紫外線には波長の長いUV-A(紫外線A波)、波長の短いUV-B(紫外線B波)とUV-C(紫外線C波)があります。UV-Cはオゾン層に吸収されるため地表には届きません。
UV-Aは地表に届く紫外線の9割を占め「生活紫外線」と呼ばれ、皮膚を黒くしたりシワやたるみを引き起こします。
UV-Bは、たくさん浴びてしまうと赤く炎症を起こしメラニンを生成し、シミや色素沈着の原因となります。
日焼け止めでは紫外線を防ぐ効果として、UV-Bの防止効果を示すSPFとUV-Aの防止効果を示すPAが用いられます。生活に合わせて適したSPF、PAの製品を選びましょう。肌の弱い方はノンケミカルの日焼け止めを選ぶのが良いでしょう。
そして、紫外線の強い時間帯には2、3時間ごとに塗り直すことをおすすめします。
また、外出する際は、日傘や帽子、長袖の衣服の着用で紫外線を防ぎましょう。

日焼けの予防方法等、外来化学療法室看護師にご相談ください。

外出する際は、日傘や帽子、長袖の衣服の着用で紫外線を防ぎましょう

ディスプレイも「夏祭り」をイメージしたものとなっているので、ぜひ見にきて夏を感じてください

「梅雨」

梅雨

雨が降り続き、ジメジメした梅雨の時期となりました。
雨のせいで外出するのが億劫になったり、気分が沈んだり、食欲が落ちたり・・と体調がすぐれない方も多いと思います。
梅雨は、なにかとネガティブなイメージが多いですが、なぜこの季節の長雨を「梅雨」とよぶのでしょうか。
「梅雨」の語源にはいくつかの説があります。梅の実が熟す頃に降る雨なので「梅雨」とした説や、「黴(カビ)が生えやすい時期の雨で「黴雨(ばいう)」と呼んだのですがカビでは語感が悪いので「梅」の字にしたという説、毎日雨が降ることから毎日の「毎」から「梅」という言葉をあてたという説など様々あるそうです。
この「梅雨」という言葉は、江戸時代に中国から伝わってきたそうですが、それ以前は梅雨のことを「五月雨(さみだれ)」と呼んでいたそうです。「梅雨」も「五月雨」も、風情のある美しい言葉ですね。

梅雨の時期となりました

看護師手作りの「雨とカエルと紫陽花」の切り絵

湿度が高く、洗濯物も乾かないうっとうしい「梅雨」ですが、「雨」が歌詞に出てくる歌はとても多くあります。
そんな歌を聴いて気分転換を図ってみてはいかがでしょうか。
外来化学療法室のコルクボードには看護師手作りのかわいい「雨とカエルと紫陽花」の切り絵が貼ってあるので、見に来てくださいね。
さて、抗がん剤治療をしていると食欲が落ちることがあります。
食欲がないときは、好きなものもおいしく食べられず、何を食べてよいのか困っている方も多いと思います。
食事量が減り、食べられない期間が長くなると体力低下を招き、更に食欲が低下してしまうという悪循環に陥ってしまう場合もあります。

食欲がないときは

抗がん剤治療によって食欲が落ちている場合は、食べ物の好みが変わることもあります。
味のはっきりしたラーメンやうなぎの蒲焼き、フライドポテトなどを好まれる方、菓子パンなら食べられる方、さっぱりとしたものを好まれる方、麺類なら食べられる方など様々な方がいらっしゃいます。
食欲がなくてもひと口食べると、食べすすめられる場合もあります。何品かを小盛りにしてみたり、つるんとした食感のプリンやゼリーなどを取り入れてみてもよいでしょう。

つるんとした食感のプリンやゼリー

いろいろと試してみても食べられない方は、栄養補助食品を利用してみましょう。
当院売店やドラッグストアなどにも取り扱いがあります。
ドリンクタイプやゼリータイプ、ビスケットタイプなどありますので、自分に合ったものを試してみましょう。ドリンクタイプのものを冷凍してシャーベット状にしても食べやすくなります。
食欲が低下しお困りの方は、ぜひご相談ください。

ドリンクタイプ、ゼリータイプ、ビスケットタイプの栄養補助食品

梅雨の晴れ間のディスプレイ。てづくりしています。

「柏餅」

天気の良い日には、青空がとてもきれいな季節となりました。
この時期、青空を泳いでいる鯉のぼりには元気をもらえますね。

こいのぼり

5月5日は端午の節句です。端午の節句には「柏餅」が供物として用いられます。
柏餅にもヨモギ・粒あん・こしあん・味噌あんなどの種類があり、どれを食べようか迷ってしまいます。
柏餅を包む柏は、新芽がでるまで古い葉が落ちないため「こどもができるまで親が死なない」と言われ、「子孫繁栄」「後継ぎが途絶えない」と、端午の節句に柏餅を縁起の良い食べ物として江戸時代より東日本を中心に食べるようになったそうです。
柏の木は西日本では自生しないため、西日本では中国から伝わってきたチマキを端午の節句に食べることが多く、現在でもその傾向が残っているようです。
みなさまは、柏餅、それともチマキのどちらを召し上がりますか。

かしわもちとちまき

さて、抗がん剤治療を行うと、使用する薬剤によっては脱毛が起こる場合があります。
脱毛は抗がん剤治療開始後2~3週間後から始まります。
抗がん剤治療が決定してから実際に脱毛が始まるまでは、数週間の時間的な余裕があるため、
帽子や必要に応じてウィッグを準備するとよいでしょう。
ウィッグはとても高価なものから数千円の物まで様々な価格の物があります。必ずしも医療用と
うたっている高価なウィッグが、自分にとって良い物だとは限りません。
何より大切なのは、自分が気に入ったスタイルで、かぶり心地がよいものを選択することです。
私たちも、何十万もするウィッグを購入しても「装着すると暑いから」と帽子ですませている方や、高価なウィッグを販売店ですすめられるまま購入したけどしっくりこなくて、インターネットの通販サイトで購入した1万円程のウィッグを気に入りいつも装着している方など、様々な患者さんをみています。
ウィッグを使用する頻度や生活スタイルなどを考慮して、自分にあった物を選択するとよいでしょう。

帽子やウイッグ

わたしたち外来化学療法室看護師にご相談ください

実際に、脱毛が始まると、病気を知ったときと同様に精神的ダメージも強く感じることが多くあります。
そのような場合、外来化学療法室看護師にご相談ください。
ウィッグの選択方法や脱毛時の頭皮ケアや気持ちのつらさについて、いろいろとお話しさせてください。

5月は端午の節句の飾りつけ

「ランドセル」

4月に入り新年度を迎えました。
職場でも新しい人が入社してきたり、人事異動などで落ち着かない日が続いている方も多いのではないでしょうか。
また、お子さんやお孫さんが入学式を迎えた方もいらっしゃると思います。
この時期、大きな真新しいランドセルを背負っている小学生はとても愛らしく感じますね。

この時期、大きな真新しいランドセルを背負っている小学生はとても愛らしく感じますね。

「ランドセル」は江戸幕府が軍隊制度を導入する際にオランダの布製の「背嚢(はいのう)」を輸入したのがはじまりです。
そして、明治時代に開校した学習院初等科が通学鞄として利用しはじめたそうです。
動きやすい、両手が自由に使えるといった理由から、ランドセルは全国的に普及しました。
今ではランドセルのデザインや色も様々で、大きさもA4サイズのクリアファイルが曲げずに入るものとなっています。色やデザインが楽しめる反面、高価なランドセルを購入する親やおじいちゃん、おばあちゃんの負担も大きくなっているようですね。
外来化学療法室では看護師手作りの可愛らしいランドセルが2つ飾ってあるので、外来化学療法室へいらした際にはぜひ見てください。

外来化学療法室では看護師手作りの可愛らしいランドセルが2つ飾ってあるので、外来化学療法室へいらした際にはぜひ見てください。

さて、外来化学療法室では点滴や注射の抗がん剤治療を行っていますが、それらと併用して内服の抗がん剤を使用している方や、内服の抗がん剤のみを内服している方もいらっしゃると思います。
多くの経口の抗がん剤は、一定期間毎日続けて飲み、その後数日間のお休み(休薬期間)があります。
主治医が、患者さんの症状や副作用の様子をみて、内服の量を減らしたり休薬期間を延ばしたりすることがあります。
副作用で内服を中断すると、病気が進行するのではないかと心配になるとは思いますが、副作用によっては薬を中止しないと症状が更に悪化してしまうことがあるので、主治医の指示に従いましょう。

医師、看護師、薬剤師にご相談ください。

また、経口抗がん剤を飲み忘れたことに後から気づいた場合は、飲み忘れた分は内服せず、次の分から服用して下さい。絶対に2回分を一度に内服しないように注意してください。
そして、診察の時に服薬を忘れていたこと、いつまで服用していたか、何日間お休みしていたか、伝えてください。
そして、副作用症状が強い場合には我慢せずに病院に連絡をし、医師、看護師、薬剤師にご相談ください。

4月の飾りつけ

「さくら」

3月に入り、日々春めいてきました。
河津桜も咲き始め、しばらくすると駿府公園も染井吉野があでやかに咲きますね。

さくら

春の季節のお菓子として桜餅があります。
桜餅を包んでいる桜の葉の塩漬けは食べる方と食べない方がいると思いますが、桜の葉の塩みや桜の香りは、あんこの味を引き立てるような気がします。
しかし、とても美味しい桜餅も、口内炎ができていると痛くて食べる気がなくなってしまうかもしれません。

口内炎は、抗がん剤投与により活性酸素が産生されて口腔粘膜の破壊や再生が阻害されることで、炎症が起こり発症します。また、白血球が減少することで、口の中の菌に感染して発症することもあります。

さくらもち・口内炎

清潔を保つために毎食後歯磨きを行いましょう

口内炎がひどくなると、痛みにより食事だけでなく水分を摂取することも難しくなることがあるので、予防と悪化を防止することが大切です。
口内炎の予防と悪化防止には、口腔内の清潔を保つ必要があります。清潔を保つために、毎食後、歯磨きを行いましょう。そして、歯ブラシは口腔内を傷つけないように柔らかめの物を選んでください。

水分をとりましょう

また、うがいも並行して行うとよいでしょう。うがい薬は処方されたものでも、水や微温湯でもかまいません。水やうがい薬がしみて痛みがある場合には、水1リットルに食塩9グラム(500ミリリットルの水に食塩4.5グラム)を溶かし、体液の塩分濃度に近いうがい液を作成してもよいでしょう。

また、口腔内を乾燥させないように、水分を摂取し口腔内を潤わせてください。
口内炎の痛みが強い場合や、食事、水分摂取に支障をきたしている場合はご相談ください。
さて、3月に入り化学療法室のディスプレイも春仕様になり、桜の花びらが舞っています。
桜は春の季語で、古来より詩歌に歌われ、多くの人に愛されています。
みなさまも桜の花を見て、一句詠んでみてはいかがでしょうか。

すてきな作品

桜の花びらが舞っています

「チョコレート」

今年もバレンタインの季節がやってきました。
外来化学療法室のディスプレイも、赤いハートがたくさん舞ってかわいらしくなっています。

赤いハートのディスプレイ

バレンタインデーのチョコレート

バレンタインデーのチョコレートは好きな人に渡すというより、お世話になった人や女性同士で交換したり、自分のために購入したりと、楽しみ方が変化してきています。

チョコレートを食べ過ぎると糖分の取り過ぎになってしまったり、虫歯になりやすくなったりしてしまう場合もありますが、メリットもあります。
抗がん剤治療をしていて食欲がなく栄養不足になりがちの方にとっては、ブドウ糖や果糖はエネルギー源と重要な栄養素となります。
また、チョコレートやココアに含まれるカカオポリフェノールは、血圧を低下させたり善玉コレステロールを増やしたりといった効果があるといわれています。そして、何より甘いチョコレートを食べると幸せな気持ちになります。

食欲がない方も、チョコレートを一粒口にしてみてはどうでしょうか。
ぜひ自分の好きな人や友人、家族と一緒に甘いチョコレートを口にいれて笑顔になってください。

いっしょに笑顔

限度額認定証申請の手続きをしておくことをおすすめします

さて、病気になると、長期にわたり高額な医療費を支払わなければならない場合が多くあります。そこで、経済的負担を減らすための制度として「高額療養費制度」があります。
これは、医療機関に支払う「自己負担額」が「自己負担限度額」を超えた場合に、超えた分の払いもどしを受けられる制度です。自己負担額は年齢や所得によって異なります。また、加入している健康保険によって申請先が違います。
治療が開始されることが決まったら、事前に「限度額認定証」申請の手続きをしておくことをおすすめします。

Valentine's Day

「新年」

あけましておめでとうございます。
みなさまはどのような新年を迎えられたでしょうか。
美味しい料理を食べたり、家族や親しい人とのんびりと過ごすことはできたでしょうか。

新年あけましておめでとうございます

すてきな作品

外来化学療法室のディスプレイも「新年」をテーマにしたものになっていますので、外来にいらした際にはぜひご覧になってください。

「新年」を迎え、みなさまも希望や目標を持たれたことと思います。

すてきな作品

今年も私たち外来化学療法室看護師は、お薬の効果がでるように願いを込めながら、みなさまと一緒に抗がん剤治療に取り組んでいきたいと思っています。
また、色々お話をさせていただき、みなさまの笑顔をみたいと思います。

もくひょう

病気になると、「新年の目標」を考えることも億劫になってしまうことがあります。
しかし、目標を持つことで気持ちがポジティブになったり、不安が減ることがあります。
目標は、どのようなものでも良いのです。
例えば、「毎日、体操をする」「薬を飲み忘れない」「毎月、1冊本を読む」等々、簡単な目標を立ててみてください。
そして、目標を達成することにこだわらないでください。
目標を達成できなくても、目標を考えた過程や目標に挑戦することで、自分自身の気持ちが変化するのです。
しかし、目標を達成した暁には、大いに自分を褒めてくださいね。

さて、病気になると様々な情報を耳にします。
知人やインターネットなどから「〇〇が、がんに効く」などという健康食品やサプリメントの情報を得ることも多いと思います。
しかし、がんに効くとうたっている健康食品やサプリメントは良い面ばかりを強調している場合もあります。サプリメントは健康補助食品であり、がんに対する効果効能はよく調べられていません。また、サプリメントは飲み合わせによっては、抗癌剤の効果を弱めてしまったり、場合によっては人体に悪影響を及ぼす場合もあります。
高価なサプリメントや健康食品を購入するまえに、医師・薬剤師・看護師にご相談ください。

ことしもよろしくおねがいします



「クリスマス」

12月に入り、街にはクリスマスイルミネーションが輝いています。

クリスマスイルミネーション

サンタさん


「クリスマス」というと、サンタクロースが思い浮かびます。
サンタクロースは聖ニコラスという実在の人物がモデルになっています。ニコラスは、貧しい家庭に食料や金銭をこっそり分け、助けていたそうです。ある日、ニコラスは近所に住む3人の娘が貧しさのあまり売られていくことを知り、その家の煙突から金貨を投げ入れたそうです。金貨は暖炉のところに掛けてあった靴下に偶然入ったそうです。

そこから、サンタクロースが煙突から入ってきて、靴下の中にプレゼントを配っていくという逸話が生まれたといわれています。

クリスマスプレゼントをあげたりもらったりすることは、子どもから大人までワクワクします。

みなさまも周囲の人に感謝の気持ちを込めてプレゼントを用意してみたらどうでしょうか? 物でなくてもカードや言葉のプレゼントも、心がこもっていてとても嬉しいものですよ。

カードや言葉のプレゼント


外来化学療法室も、クリスマスのディスプレイとなっています。今年の流行語大賞は「インスタ映え」でしたね。
化学療法室の通路にも「インスタ映え」がする写真スポットを作ったので、私たちと一緒に写真を撮りましょう。

私たちと一緒に写真を撮りましょう


おなかにはらまき

さて、先月は「便秘」について書かせていただきましたが、使用する抗がん剤によっては「下痢」を起こしやすくなる場合もあります。
不安やストレスは自律神経を刺激し、腸蠕動の亢進や粘膜の分泌を亢進させ下痢を悪化させる場合があるので、下痢が起きた場合は、できる限り心身の安静が保てるようにしてください。また、腹部を温めることで、腸蠕動を鎮静させ腹痛の緩和につながります。
食事は、腸管への負担が軽減できるように、温かく消化吸収のよい、食物残渣の少ないものを食べるようにしましょう。下痢の時は、腸管に刺激のある香辛料、アルコール類カフェイン飲料、繊維や脂肪分の多く含む食品や牛乳や乳製品などは避けるようにしてください。
下痢の原因により使用する薬剤は変わってきますので、自己判断で下痢止めを内服せずに、必ず主治医に相談してください。

ジュース

下痢が続く場合は、脱水や電解質の異常をきたすことがあるので、電解質バランス維持のため、スポーツ飲料・経口補水液やフルーツジュースなどを摂取してください。
重症な下痢の場合は点滴が必要になる場合もあるので、我慢せず主治医、看護師、薬剤師にご相談ください。
今年、みなさまが病気と闘い、抗がん剤治療をがんばって受けたことに、私たちは尊敬の気持ちを持つばかりです。来年も少しでも抗がん剤治療を受けるみなさまのお力になれたらと思っています。それでは、楽しいクリスマスと、少し早いですがよいお年をお迎えください。

よいお年を、来年もよろしくね

メリークリスマス!!

「皆様から寄せられた作品展」

11月となり、紅葉がきれいな季節となりました。
皆様は紅葉狩りに行かれたでしょうか?

11月

すてきな刺繍と折り紙


11月に入り外来化学療法室のディスプレイも秋仕様となりましたが、今月のディスプレイは趣向をかえ、「皆様から寄せられた作品展」として、皆様が外来化学療法室に持ってきてくださった様々な作品を展示しています。

作品のなかには、切り絵や絵画、刺繍、折り紙など様々なものがありますが、いずれも美しく素敵な作品ばかりです。
治療を継続しながら趣味を継続されている方々に、私達も刺激とパワーをいただいています。

すてきなえんぴつ画の女の子

すてきな刺繍と折り紙

趣味は認知症を予防するともいわれています。認知症の予防効果の高い趣味としては、楽器演奏や手芸や絵画、合唱など、頭脳を刺激したり、体を動かしたり、団体で行動するようなものがあげられます。病気になったからといって趣味をあきらめず、ぜひ何かに没頭する時間を作ってみたらいかがでしょうか。

便秘

さて、使用する抗がん剤によっては「便秘」の副作用がでることがあります。
便秘が続くことで、抗がん剤の排泄が遅くなったり、食欲不振や嘔吐などを引き起こすこともあります。さらに悪化により腸閉塞に至ってしまうこともあります。
そこで適切な排便の調整が必要となります。排便の習慣を整えるために、毎日一定の時間に排便を試みることや、水分を十分に取ることが大切です。
また、体を動かすことにより腸のぜん動が促されるため、散歩などの運動を行ったり、腹部のマッサージなどを行うことも効果があります。

おさんぽ

食事に関しては、一般的には食物繊維を多くとることが推奨されていますが、直腸がんの手術後は食物繊維の多い食品(こんぶ、ごぼう、れんこん、たけのこ、わらび、柿など)を多量に摂取することで、腸閉塞のリスクが高まるので注意してください。

抗がん剤の治療中は、前述のような対策だけでは便秘が予防できないことも多くあります。そのような場合、主治医、看護師、薬剤師に相談してください。少なくとも2~3日に1回の排便があるように調整しましょう。

紅葉狩りにおでかけ



「カボチャ」


10月に入りすっかり秋めき、10月31日のハロウィンが思い浮かびます。
ハロウィンもすっかり日本に定着しましたが、日本では若者達が仮装してお祭り騒ぎをする印象が強く、何のイベントだろうと考えてしまいます。

ハロウィンは、古代ケルト人の宗教的な行事の「万聖節」が発祥で、収穫を祝ったり、1年の終わりや、亡くなった人の魂がこの世に戻ってくる日と言われているそうです。
ハロウィンの時にケルト人はカブやサトウダイコンの中身をくり抜いてランタンを作り悪魔よけとして飾っていましたが、アメリカにこの風習が伝わった時には、アメリカではカボチャの収穫が多かったことから、カボチャをくり抜いてランタンにしたそうです。

ハロウィンの時期になると、日本の店頭などでもオレンジのカボチャのかわいらしい置物や容器が並び、楽しい気分になります。ちなみにオレンジのカボチャはあまり美味しくないそうで、アメリカでは食用には使われないようです。

カボチャと作品

見に来てくださいね

外来化学療法室のディスプレイもハロウィン仕様になっているので、見に来てくださいね。

インフルエンザ

さて、毎年12月頃になると、インフルエンザが猛威をふるいます。
インフルエンザは強い伝染力を持ち、人から人へとうつります。
インフルエンザに罹患した人の咳やくしゃみなどとともにインフルエンザウィルスが飛沫となり空気中に飛びちり、これを周りの人が吸い込んだり、インフルエンザウィルスがついた手で目や口を触ることで感染します。
感染しても必ず発病するとは限りませんが、抗がん剤治療をして免疫力が低下している人は、発病すると重症化する恐れもあるため、予防することが重要となります。

ワクチン

インフルエンザの予防の1つとして、ワクチン接種があります。インフルエンザワクチンは毎年WHO(世界保健機関)が発表する推奨株を参考に、国立感染症研究所でその年の流行を予測、検討し決定されます。ワクチンの効果は接種後2週間目頃から5ヶ月程度持続します。
ワクチン接種を希望される方は、主治医と相談し、インフルエンザの流行が始まる前の11月から12月初旬頃までに接種を済ませることをおすすめします。

また、インフルエンザを発症しないよう、休息を十分にとること、室温や湿度(50~60%)を適度に保つこと、うがいと手洗いを頻回に行うこと、人ごみを避けること、外出時のマスクの着用など心がけてくださいね。

手洗いうがいマスク

ハッピーハロウィーン

「秋桜」

9月に入り、朝晩は涼しくなり、快適に過ごすことができるようになりました。秋の代表花といえば、「秋桜」(コスモス)が思い浮かびます。

「秋桜」は外来品種で、明治時代にイタリアの芸術家がメキシコから日本に持ち込んだ花だそうですが、日本の秋の風景や風土に合っていて、秋の季語としても用いられることも多くあります。
漢字での「秋桜」の表記は、さだまさしが作詞作曲し山口百恵が歌った「秋桜」という楽曲で、はじめて用いられたそうです。秋に咲き、桜の花と形状が似た「秋桜」という表記の歴史は浅いですが、何とも日本らしい風情が漂いますね。
外来化学療法室の通路も秋仕様となり、可憐な「秋桜」が飾ってあるので、ぜひ見にきてください。

コスモス

すてきな作品

さて、抗がん剤治療を受けていると「脱毛」が起こることがあります。
抗がん剤治療の副作用のイメージとして「脱毛」はすぐに思い浮かぶと思いますが、すべての抗がん剤で脱毛が起こるわけではありません。

抗がん剤治療を受けることが決まると、ウィッグや帽子を早々に準備される方がいらっしゃいますが、ご自身が使用する薬が脱毛を起こすか、主治医や看護師、薬剤師に確認してから準備することをおすすめします。

帽子

また、ウィッグの選択方法や脱毛時のケアについては、外来化学療法室の看護師がアドバイスを行っているので、外来化学療法室に通院していない方でも気軽に声をかけてください。

「脱毛」は一般的に、抗がん剤点滴2~3週間後くらいからはじまります。抗がん剤治療が終了してから1~2ヶ月で再生がはじまり、人によっては、6ヶ月をすぎるとウィッグが不要になってきます。
しかしながら「脱毛」がはじまると、病気の告知を受けたときと同じように精神的なダメージを受けることが多くあります。
いつまで治療が続くのか、脱毛は起きているのに薬の効果はどうなのか等々、多くの不安が出てきます。
そのような場合、ひとりで思い悩まず、外来化学療法室看護師にご相談ください。
私たちは、がんと戦っている患者さんの気持ちのつらさが少しでも軽くなればと考えています。

すっかり秋です

病院広報誌体温計の10月号に登場します

「ひまわり」

日差しの強い季節になりました。
夏の花の代名詞の1つとして「ひまわり」があります。
ひまわりはゴッホやモネの絵画のモチーフにもなっていて情熱的な印象です。

日差しの強い季節になりました

ひまわり


大輪のひまわりが太陽の方向に向かって咲き誇っている姿は、私たちに元気で前向きな気持ちを与えてくれます。

ひまわりの花は1つの大きな花のように見えますが、多数の花が集まって花の形を作っています。外側に黄色い花びらをつけた「舌状花」と、内側に花びらがない「筒状花」があります。花の大きさによって違いはあるそうですが、1本のひまわりからは1500~3000個くらいの種がとれるそうです。

根気のある方はひまわりの種を数えてみてはいかがですか。

熱いよう

さて、夏のこの時期は「熱中症」に注意が必要です。
抗がん剤の副作用で食欲が落ちて、水分も多く摂取できていない方は、特に注意が必要です。気温や湿度が高かったり、風が弱い日や急に暑くなった日には、特に注意してください。

フゥー、すずしいねぇ

めまい、失神、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、筋肉の硬直、大量の発汗、高体温など、熱中症の症状は様々ですが、そのような症状が出た場合、涼しい場所に移動し衣服をゆるめ、体を冷やしましょう。
また、暑い日には冷却グッズを身につけたり、日差しを避けるようにしましょう。室内にいる場合も「これくらいの暑さは大丈夫」と我慢せずに、エアコンや扇風機を活用してください。

水分補給が大切です!!

そして、喉がかわいていなくても、こまめに水分を摂ることも必要です。お茶やアルコールには利尿作用があるため、水分補給には効果的ではありません。スポーツ飲料などの塩分と糖分の含まれるものを摂取するのがおすすめです。スポーツ飲料は、汗で失われる塩分を補うことができます。
また、スポーツ飲料内の糖は腸管での水分の吸収を促進します。最近では脱水予防のための経口補水液も手軽に購入することができるので、そのような水分を携帯しておくこともよいでしょう。
トイレに何度も行くのは大変だったり、節電を気にすることもあると思いますが、まずは体調を整えていきましょう。

治療の副作用で水分摂取が困難な方は、主治医・看護師にご相談ください。
猛暑を一緒に乗り越えていきましょう。

海へおでかけ



「天の川」

7月に入りいよいよ夏本番となりました。
この時期は、夜空の「天の川」がきれいに見えます。
「天の川」は、夏と冬に南北に頭の上を越える位置にきます。

天の川

七夕

「天の川」は英語では「ミルキーウェイ」と呼ばれており、これはギリシャ神話からの由来で、女神ヘラの乳が流れた「乳の河」を表現した言葉だそうです。

日本では、織姫(おりひめ)と彦星(ひこばし)の伝説が有名です。

織り姫と彦星の伝説は、1年に1回しか会うことができない悲恋物語のように思われていますが、そうでもないようです。結婚を機に怠惰になった2人を天の神様が怒って、「天の川」を隔てて引き離したそうです。それより更に怠惰になってしまった2人に対し、天の神様は7月7日だけは会わせてあげることにしたそうです。
伝説を知って夜空を見上げると、また違った「天の川」が見えるかもしれませんね。


あさがお

さて、抗がん剤治療の副作用の1つに「末梢神経障害」があります。
すべての抗がん剤で出現する副作用ではありませんが、使用する薬剤によっては、主に手足にしびれが出る場合があります。
しびれが強くなると、洋服のボタンがはめにくくなったり、細かい作業が困難になることがあります。また、手に持った物を落としやすくなったり、つまずきやすくなったりすることがあるので、注意が必要です。

マッサージ

「末梢神経障害」(しびれ)に対しては、ビタミン剤や漢方薬、プレガバリン(リリカ®)等の内服薬が処方されることがありますが、いずれも完全に症状をなくすことはできません。そこで、自分なりの対処法が必要となります。しびれている部分を温めたり、マッサージをしたりして、自身の苦痛が軽減できる方法を探してみましょう。
そして、締めつける靴をやめたり、深爪をしないことも大切です。
症状が強くなり日常生活に支障をきたすようになった場合には、抗がん剤を一時的に休む必要がでてきますのでご相談ください。
外来化学療法室の通路には小さな笹が飾ってあります。外来化学療法室に来られた際には、短冊に願いごとを書いて笹に付けていってください。そして願いを込めて「天の川」を見上げてくださいね。

今月もおでかけ

七夕の願い事

「紫陽花」

6月に入り梅雨の季節となりました。
雨ばかりだと鬱々とした気持ちになりがちですが、そんな気持ちを癒やしてくれるこの季節の花に「紫陽花」があります。

紫陽花は、土壌の性質によって花の色が変化するのは有名です。

酸性の強い日本の土壌では青や紫の紫陽花が、アルカリ性の強いヨーロッパの土壌ではピンク色の紫陽花が多く咲くそうです。

あじさい

また、紫陽花の色は、日が経つにつれて変化していきます。
そんな、色の変化を楽しめる紫陽花の花言葉は多くありますが、その花言葉の中には「移り気」「浮気」なんてものもあります。とても色気のある花ですね。

憂鬱な雨の日も紫陽花のように七変化を楽しみ、明るい色の傘をさして紫陽花を見に出かけてみたらいかがでしょうか。
外来化学療法室の通路にも紫や青の紫陽花が飾ってあるので、病院にいらした際には、ぜひ立ちよってみてください。

あじさい


さて、抗がん剤治療をしていると、副作用として「味覚障害」が起こることがあります。
「味覚障害」が起こり食事をおいしく食べることができなくなると、食欲不振の原因となり、栄養状態が悪化したり食べる楽しみがなくなり、気持ちが沈んだりすることがあります。
「抗がん剤の影響だからあきらめるしかない」と思いがちですが、ちょっとした工夫でおいしく食べることができることもあります。

亜鉛を含むココアやきなこなどもよいでしょう

うまみやこくをきかせたり、酸味をきかせたり、からし・カレー・ショウガ・梅・香辛料などで味にアクセントをつけたり、少し食物を冷ましてから食べたりすると食べやすくなったりします。
また、亜鉛やビタミンB12が多く含まれる食品などを食べるのもよいでしょう。亜鉛はココアやきなこ、牡蠣、いわし等、様々な食品に含まれています。
また、唾液の分泌を促すために、うがいを頻回に行ったりアメやガムを口に含むこともよいでしょう。

歯みがき、キュッキュッ

そして何より、口の中の清潔を保つことが大事です。
うがいや歯磨きを丁寧に行って、舌の細胞の感受性を高めてください。
梅雨で体調を崩しやすい時期ですが、「旬」の食べ物の香りや味を体に取り入れて、舌の細胞を活性化しましょう。

今月も傘とおでかけ!

カエルちゃんもいます



「こいのぼり」

こんにちは。

5月5日は「こどもの日」で、「端午の節句」ともいわれています。
この「端午の節句」では、こどもの健康と立身出世を願います。

かしわもちくん


「端午の節句」には、「こいのぼり」を立てる習慣がありますが、この習慣は江戸時代に将軍家に男児が生まれると「のぼり」を立てて祝ったことからはじまったそうです。「のぼり」を立てる習慣は次第に庶民にも広がり、「鯉の滝登り」から立身出世をイメージし、鯉を模したのぼりが「こいのぼり」として定着したそうです。

かぶとかざり

現在は、大きな「こいのぼり」を飾っている家も少なくなりましたが、青空に泳いでいる「こいのぼり」を見ると、大変すがすがしい気持ちになります。
外来化学療法室の通路にも小さな「こいのぼり」が泳いでいるので、ぜひ見にきてください。

こいのぼり

さて、「病気」になると不安になり、自分の病気や治療について調べて、さまざまな情報を得ると思います。また、家族や身近な人からも「○○が、がんに効くよ」「〇〇を毎日飲むと良いらしい」などとさまざまな情報が耳に入ってきます。
しかし、それらの情報は医学的根拠に基づくものから、そうとは言えない怪しげな情報まで含まれていることがあります。

インターネットが発達し、メディアでも「がん」について取り上げられることも多くなり、情報が手軽に入手することができるようになった反面、私たちは「自分にとって有益な情報は何か」を十分に考えることが必要になっています。
すべての情報を鵜呑みにしてしまい、高価なサプリメントを飲んだり、不必要な食事制限をしてしまうことで、かえって体調を崩されてしまう方もいらっしゃいます。

主治医や看護師などに相談してみてください

そこで、病院で提示されている治療以外の方法を試す場合には、主治医や看護師・薬剤師、あるいは客観的に判断できる第三者の意見をきいてみてください。

私たち医療者は、患者さんが試したいことをむやみに止めることはしませんが、あきらかに害を及ぼす事に関しては、客観的に判断し、意見を述べさせていただくことができます。

情報の波に飲み込まれず、「自分の心と身体にとって良いこと」を一緒に考えていきましょう。

五月かざり。菖浦園におでかけ。ボクもかぶと!!

「お花見」

のつぼみも膨らみはじめ、駿府公園の桜も咲き始めています。まだまだ冷える日もありますが、春が着実に訪れています。

4月に入り外来化学療法室のディスプレイも「お花見」をテーマにしたものとなっています。

みなさまは、お花見をされる予定などあるでしょうか。ディスプレイのなかには、かわいいお団子屋さんもあります。ぜひ、お団子を食べながらお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

お団子を食べながらお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか

さて、病気になり治療をはじめると、生活にさまざまな支障がでてくることがあります。治療の副作用によって嘔気や倦怠感がでたり、何となく気持ちが沈んでしまい、さまざまなことにやる気が起きなくなることもあります。そのような状況になると、なかには今まで続けていた趣味や習慣をやめてしまう方がいらっしゃいます。そのような方に、外来化学療法室の看護師は、趣味や習慣をできる限り続けるようにすすめています。

自分の好きなことをして、それに熱中することでよい気分転換となり、趣味が「生きがい」になる場合もあるからです。抗がん剤治療に通院中の方の中にも、病気になってからやめていた絵画を再開された方もいらっしゃいます。

点滴の詩

外来化学療法室には、患者さまから提供していただいた写真や絵画、刺繍の作品なども展示させていただいています。どれも素敵な作品ばかりで、通院中の患者さんばかりでなく、私たち看護師も作品に「癒やし」を与えてもらっています。ある方が描いた「点滴の詩」という作品を見た時には、その素晴らしさに感動して涙がでました。

お花見しよう

旅行が趣味の方も、あきらめずに一度主治医に相談してください。白血球が低値にならない時期に旅行を計画したり、治療のスケジュールの調整をしてもらうことも可能です。

病気になったからといっていろいろなことをあきらめずに、できる範囲で趣味や習慣を続け、みなさんが生き生きと生活できることを願っています。
そして、みなさまの趣味の作品がありましたら、ぜひ外来化学療法室に展示をさせてください。

みなさまの趣味の作品がありましたら、ぜひ外来化学療法室に展示をさせてください

「ひなまつり」

色とりどりの花や新緑が美しい季節となりました

3月に入り、すっかり春めいてきました。
色とりどりの花や新緑が美しい季節となりました。
3月3日は、桃の節句「ひなまつり」です。
外来化学療法室のディスプレイも「ひなまつり」をテーマにしたものになっています。
桜の花も飾り、柔らかい雰囲気です。

桜の花も飾り柔らかい雰囲気です


うさぎのおひなさま

今回外来化学療法室では、おひなさまを飾る際に、男雛と女雛を左右どちらに飾るか、看護師によって意見が分かれました。調べてみますと、関東と京都(関西)で違いがあるようです。関東風は向かって左に男雛、右に女雛を飾り、関西では向かって右に男雛、左に女雛を飾る習慣があり、理由は諸説あるとのことでした。

外来化学療法室では、うさぎのおひなさまを関東風に並べてありますが、みなさまのお宅ではどのように並べたでしょうか。


さて、抗がん剤の治療をしていると様々な副作用が出現する場合があります。
皮膚障害もそのうちの1つです。使用する薬剤の種類によっては、かなり強く皮疹や皮膚の荒れが出ることがあります。効果と皮疹の発現が比例しているといわれている薬剤もあるので、皮膚障害が出ることは一概に悪いこととばかりいえません。
皮膚障害が強く出現する薬剤もありますが、一般的に抗がん剤は細胞周期の早い細胞に副作用が出やすい特徴があります。そのため、細胞周期の早い皮膚には症状が出やすいといえます。
そこで、抗がん剤治療をうけている方は日々のお肌のケアが大切となります。

お肌には保湿剤で十分に潤いを

皮膚障害を予防したり悪化させないためには、「清潔」「保湿」「保護」の3点が重要となります。顔や体を洗う際には、石けんを十分に泡立てて、お肌を包み込むようにやさしくしてください。そして、清潔になったお肌には保湿剤で十分に潤いを与えてください。
お肌を保護するためには、強い刺激や圧迫を与えないことが大切です。顔や体を拭く際にゴシゴシ体をこすって刺激を与えたり、きつい衣類や靴を着用して圧迫することを避けるようにしましょう。

日焼け止めを塗って帽子をかぶろう

また、これからの時期は紫外線が強くなります。抗がん剤治療をしている時期に日焼けをしてしまうと、皮膚に色素沈着が残ってしまうことがあります。日焼け止めを塗り、帽子をかぶるなどしてUVケアに努めてください。
皮膚のケアを行って、すべすべお肌をめざしましょう。

「バレンタインデー」

こんにちは。

2月14日は「バレンタインデー」ですね。
外来化学療法室のディスプレイも、バレンタインデーを意識し、ハートがたくさんで かわいらしくなっています。

ハートがたくさん♪

自分チョコですもん

バレンタインデーは、日本では女性から男性にチョコレートをプレゼントし、愛を告白する日として定着していましたが、最近は様相がかわり、友達同士で交換する「友チョコ」や、お世話になっている方などにお渡しする「義理チョコ」がメインとなってきているようです。

そして、この時期はきれいなチョコレートや、普段食べることのない高級なチョコレートがお店にならびます。そんなチョコレートを見るのも楽しいですね。最近では、自分にチョコレートを贈る「自分チョコ」なんて言葉もあるようです。
みなさんもぜひ「自分チョコ」として、甘いチョコレートを自分にプレゼントしてみてはどうですか。

朝起きたら今日1日笑顔で過ごしましょう

2月に入り、外来化学療法室の通路のコルクボードの一枚にウィッシュボードを作成しました。ウィッシュボードには自由に記入できるカードが貼ってあるので、外来化学療法室に来た際には自由に記入してみて下さい。

「朝起きたら、今日1日笑顔で過ごしましょう」「残り少ない人生楽しみます。いつもありがとう」など、素敵な言葉を記入してくださった方がいらっしゃいます。その言葉に、私たち看護師も励まされています。

さて、抗がん剤治療をしていると副作用として、爪の障害が出てくることがあります。
主な症状として、爪が薄くなったり割れたり、色素沈着があります。
そのような患者さんに対し、外来化学療法室では「ネイルケア」を実施しています。

自分でマニキュアをおとす除光液をお持ちでない方や、マニキュアを塗ったことがない方も水で落とすことができるマニキュアもあるので、ぜひネイルケアにチャレンジしてください。
私たち、化学療法室看護師が にわかネイリストになって、みなさんの爪をおしゃれにしますよ。

みなさんの爪をおしゃれにしますよ!

「お正月」

あけましておめでとうございます。

2017年、新しい年を迎えました。
みなさまは、どのようなお正月を過ごされたでしょうか。

お正月

外来化学療法室では、年末は12月28日まで年始は1月4日から、多くの患者さんが抗がん剤治療を受けています。そのため、体の面でも精神面でも、年末年始気分を満喫する余裕もない方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。

抗がん剤の副作用はお薬の種類によってさまざまですが、多くの患者さんが抗がん剤治療中に経験される症状に「倦怠感」があります。「倦怠感」は「体がだるい」「すぐ疲れてしまう」「やる気がでない」「集中力がない」など、さまざまな形で現れてきます。「倦怠感」は一概に、抗がん剤だけが原因となって起こっている場合ばかりではありません。がんになると、健康な人に比べ代謝やエネルギー量が亢進していたり、貧血や脱水、抑うつ症状などさまざまな要因が重なり、「倦怠感」が出現していることがあります。

いずれにせよ、「倦怠感」は他者には理解されにくく、場合によっては「さぼっている」「気持ちの問題だよ」などと言われてしまうこともあります。そのような場合、周囲の人や家族が理解できるように、今起こっている症状を言葉で伝え、大変な時はひとりで我慢しないで協力をしてもらうことが大切です。

ウォーキングなどをはじめるのもおすすめです

また、生活リズムを整えることや運動療法も、倦怠感の改善に効果がある場合もあります。
新年を迎え、ウォーキングなどをはじめるのもおすすめです。家の周囲を散歩することで気分転換を図り季節を感じてください。そして、本当につらいときは、無理せず体を休ませてあげてください。自分を甘えさせてあげることも大事です。

お正月


さて、外来化学療法室では「お正月」をテーマにディスプレイをしています。
やっこ凧が壁を舞っているので見てください。そして、棚の上に飾ってある宮下病院長手作りの酉年の素敵な凧は必見です。

外来化学療法室のディスプレイが抗がん剤治療を受けている患者さんの「癒やし」になればと考え、今年も継続していく予定ですので、楽しみにしていてください。

お正月

「クリスマスプレゼント」

雪のクリスマス

こんにちは。

12月に入り、街はすっかりクリスマスモードとなりました。
外来化学療法室のディスプレイも「クリスマス」をテーマにし、変更しています。

棚の上は雪のクリスマスをイメージしてディスプレイしています。コルクボードにはクリスマスツリーのタペストリーを作成して展示してあるので、化学療法室に来た際には、ぜひ見ていって下さい。

さて、12月に入り、空気も乾燥し冷え込みも強くなりました。風邪をひいたり、体調を崩されている方も増えているようです。
抗がん剤治療を受けていると、副作用によって白血球が減少することがあります。白血球が減少しても自覚症状はありませんが、感染を引き起こしやすくなります。抗がん剤治療後、だいたい7日~14日で白血球が最低値となり、徐々に回復します。白血球減少の発生率は、抗がん剤の種類や治療スケジュールにより異なりますが、いずれにせよ感染に注意しなければなりません。

感染の予防にはうがいと手洗いが一番です

感染の予防には、うがいと手洗いが一番です。インフルエンザも猛威をふるいはじめました。みなさん、ぜひ、うがいと手洗いをして、感染から身を守って下さい。もちろん、抗がん剤治療を受けていない方も、うがい・手洗いを意識して行って自分が感染しないことはもちろん、自分が感染をひろげないように注意することも大切です。
自分自身の体をいたわること、周囲の人の体をいたわることが、目には見えませんが素敵な「クリスマスプレゼント」になると思います

クリスマスプレゼント

「クリスマス」はすっかり日本に定着し、「クリスマスプレゼント」をもらったり渡すことはとてもわくわくします。年齢を重ねても「クリスマスプレゼント」はうれしいものです。
病気になり、いつも検査や治療をがんばっている方や、「みんなに迷惑をかけて申し訳ない」と口癖のように言っている方は、ぜひ自分自身の心と体をいたわるような「クリスマスプレゼント」を自分自身にわたしてください。

物でなくても良いのです。がんばっている自分や病気と闘っている自分に「がんばっているね」「すごいよ」「そんなに気を使わないで」と声をかけてください。
そして、ご家族や友人などに優しい言葉のプレゼントを用意してみてはいかがでしょうか。

「笑顔」

こんにちは。

すっかり秋も深まり、肌寒い季節となりました。
外来化学療法室のディスプレイも「秋らしさ」を意識したものとなっています。
秋は「食欲の秋」といわれているように、おいしい食べ物が多くあります。
好きな食べ物を目にしたり想像しただけで、思わず笑顔になり、幸せな気持ちになった経験はありませんか?

Autumn

Smile

さて、11月に入り、外来化学療法室のディスプレイを変更しました。
テーマは、「笑顔」です。

外来化学療法室の通路にあるコルクボードにスマイルマークをたくさん貼らせていただいているので、外来化学療法室に来る機会がありましたら、ぜひ見て下さい。

「笑い」は、リンパ球にあるNK細胞を活性化し、免疫力を上げることが科学的に証明されています。NK細胞は体の中に入ってきたウィルスやがん細胞を攻撃する役割があります

人は「がん」になると、「なぜ自分ががんになってしまったのだろう」「自分の○○がいけなかったのではないか」「周りの人や家族に迷惑をかけてしまう」等々、自分を責めることが多くなり、抑うつ状態になってしまうことがあります。そのような場合、外来化学療法室の看護師は、患者さんに感情を表出し、ひとりで苦痛を抱え込まないことをお話しさせてもらうと同時に「笑顔」を作ることをおすすめしています。
心の底から笑顔にならなくても、口角を上げて笑顔の表情を作るだけでも免疫力が上がるのです。そして笑顔を作ることで、少し心が軽くなったりすることもあります。

声を出して笑うことができる生物は人間だけです。人は年齢を重ねるにつれて、笑うことが少なくなります。そこで、1日何回か意識して声を出して笑ってみて下さい。それだけでNK細胞が活性化するのです。

やきいも

そして、笑顔をつくるために自分を楽しませることをみつけて下さい。
たとえば、お笑い番組をみたり、好きな音楽を聴いて歌を唄って笑顔をつくるなんてどうでしょうか。

アロマの香りで癒やされてください

こんにちは。

外来化学療法室では、毎日多くの患者さんが抗がん剤治療を受けています。
抗がん剤治療では、様々な副作用がでることがあります。
副作用の中でも吐き気はとても不快な症状で、他者に理解されにくく、闘病意欲や生活の質を低下させてしまいます。現在、薬でかなり症状をおさえられるようになっていますが、すべての患者さんの吐き気が “0” になるわけではありません。患者さんの中には化学療法室に入ると「薬の臭いがする」「消毒の臭いがして気持ち悪くなる」「点滴を受けると自分の体から薬の臭いがしてくる」と訴える方がいらっしゃいます。

そこで、外来化学療法室に入った時の不快な臭いを緩和しようと思い、アロマの香りを取り入れることにしました。外来化学療法室の看護師が、吐き気をおさえたり、リラックス作用のあるアロマオイルをブレンドし、アロマを焚いています。外来化学療法室にいらした際には、ぜひ香りに癒やされて下さい。

アロマを焚いています


halloween

さて、10月に入り外来化学療法室のディスプレイも変更しました。
テーマは「ハロウィン」です。

ハロウィンは古代ケルト人のお祭りで、秋の収穫を祝ったり、亡くなった人の霊がこの世に帰ってくるといわれており、10月31日は古代ケルト人の間では一年の終わりとされていたそうです。日本でいう「お月見」と「お盆」と「大晦日」が合わさっているお祭りのようです。

日本では「仮装」ばかりが着目されていますが、「仮装」にも意味があります。
ハロウィンの時には亡くなった人の魂と共に悪霊や魔物がこの世に降りてきて、子供たちをさらったりするといわれています。子供たちの魂が悪霊や魔物にさらわれないように、子供たちに魔物にみせかけたお化けの衣装を着せるのです。「仮装」の意味を知って、いつもと違うメークや服装を楽しんでみてはいかがでしょうか。

おばけのパーティー♪

「お月見」のディスプレイをしました

こんにちは。外来化学療法室の紹介をさせていただきます。
外来化学療法室は、外来通院をしている患者さんが点滴注射の抗がん剤治療を受けるお部屋です。この部屋では、年間のべ3000件以上の抗がん剤治療を行っています。

年齢も様々な患者さんが、このお部屋で抗がん剤治療を受け、「がん」と闘っています。
外来化学療法室の看護師は、治療を受ける患者さんやご家族が安心して治療を継続できるように支援していきたいと考え、日々患者さんに関わらせていただいています。

患者さんが撮影された写真や絵画などを展示しています

さて、外来化学療法室では、患者さんに季節感を楽しんでいただき、少しでもリラックスできる環境を整えるための試みを始めました。

お月見

外来化学療法室に入室するまでの短い通路の壁にコルクボードを設置し、患者さんが撮影された写真や絵画などを展示させていただいています。また、棚の上の小さなスペースに季節を感じるディスプレイをしています。

お月見

今月のディスプレイのテーマは「お月見」です。

お月見は農作物豊作の祈願と収穫を感謝し、月を愛でる行事です。
今年の「中秋の名月」は9月15日です。みなさんもお団子を食べながら、月を見上げてみませんか。

お月見の飾りつけ


お月見の飾りつけ