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喀血外来について



喀血外来開設のお知らせ

当院呼吸器内科では、血痰(けったん)や喀血(かっけつ)の症状にお悩みの方を対象に、「喀血外来」を開設いたしました。
「咳をしたら痰に血が混ざった」「血を吐き出してしまった」という症状は、患者さんやご家族にとって大変心配なものです。
患者さんの不安を少しでも和らげられるよう、診察、専門的検査を行い、お一人おひとりの状態に合わせた最適な治療法を提案いたします。長引く血痰や喀血にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

喀血(かっけつ)とは?

「吐血(とけつ)」との違い

口から血を吐く症状には、大きく分けて「喀血」と「吐血」の2つがあります。これらは出血している場所(臓器)が異なります。
  • 喀血(かっけつ)
肺や気管、気管支など「呼吸器」から出血した血液を、咳とともに吐き出すことです。気管支動脈という血管から出血することが多く、泡が混ざった鮮やかな赤い血液が出ることが特徴です。
  • 吐血(とけつ)
食道や胃、十二指腸など「消化管」から出血した血液を吐き出すことです。胃酸と混ざることで、黒っぽい茶褐色(コーヒーの残りかすのような色)の血液を吐き出すことが多くみられます。

喀血の危険性

喀血は、出血した血液が気道(空気の通り道)に詰まることで窒息を引き起こす危険や、肺に血液が溜まることで呼吸不全を招くことがあります。出血量に関わらず、背景に肺の病気が隠れていることが多いため、軽く考えず医療機関を受診することが重要です。

喀血を引き起こす主な原因疾患

喀血の約8割は、背景にある呼吸器(肺)の病気から発生します。
  • 非結核性抗酸菌症
  • 気管支拡張症(気管支が広がって血管が傷つきやすくなる病気)
  • 肺アスペルギルス症(カビの感染によって肺に炎症が起きる病気)
  • 肺結核後遺症
  • 肺がん(進行するまで症状が出にくいですが、血痰が病気のサインになることがあります)
  • 肺塞栓症(肺の血管に血の塊が詰まる病気。息苦しさや胸の痛みを伴います)
  • 特発性(とくはつせい)喀血症(検査をしても肺に異常が見つからない、原因不明の喀血。全体の約2割を占めます)

喀血に対する治療

喀血の治療は、「出血を止めること(止血)」と「背景にある根本的な病気(原疾患)の治療」を両立させることが基本となります。
  1. お薬による保存的治療
  2. 出血量が少ない場合は、まずは止血剤(点滴や内服薬)を使用し、安静を保ちながら経過を見ます。
  3. カテーテル治療(BAE:気管支動脈塞栓術)
  4. お薬で出血が止まらない場合や、出血量が多く呼吸に影響を及ぼす可能性がある場合は、カテーテルを用いて出血している血管を塞ぐ治療(BAE)を行います。これは現在、喀血治療における標準的な治療法となっています。
  5. 背景疾患(原因疾患)の治療
  6. カテーテル治療で出血が止まっても、背景にある疾患が続いていると、再度出血(再喀血)を来すことがあります。そのため、原因となる疾患の治療を継続することが重要です。

診断から治療の流れ

患者さんが受診されてから、検査、治療、そして退院までの一般的な流れです。

診察と精密検査

診察を行い、胸部X線や造影CTなどの画像検査を行います。肺の中にあるどの血管(原因血管)から出血しているかを正確に特定し、治療計画を立てます。
~受診される患者さんへ~
  • 喀血の写真が参考になります: 出血の量や色、血痰の様子は口頭では伝わりにくいことがあります。吐き出した血液や血痰をスマートフォンなどで写真に撮って受診時にお持ちいただくと、貴重な判断材料になります。
  • 血痰があるときは、入浴や飲酒を避けて安静に: 血流が良くなると、血痰から一時的に大量の喀血へと悪化することがあります。血痰が出ているときは、お風呂(入浴)や飲酒、激しい運動などを控えてください。

治療方針の決定

検査結果を精査し、お薬による治療を行うか、カテーテル治療(BAE)を行うか、治療方針を決定します。

入院とカテーテル治療(BAE)

BAE(カテーテル治療)を行う場合は、通常2泊3日程度の入院となります。治療はカテーテル室で行います。
足の付け根や手首の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、喀血の原因血管まで進め、金属製のコイルで『詰め物』をして塞ぎます。

退院後の経過観察

カテーテル治療後は翌々日頃に退院が可能です。退院後は日常生活に大きな制限はありませんが、かかりつけ医の先生と連携し、定期的にレントゲンやCT検査で血管の状態を確認するとともに、背景にある呼吸器疾患の治療・管理を継続していきます。

当院の強み~呼吸器内科医自らが行うBAE(カテーテル治療)~

気管支動脈塞栓術(BAE)は、カテーテルを用いて出血している血管に金属コイルなどの塞栓物質を詰め、直接的に止血する血管内治療です。
カテーテル治療を呼吸器内科医自らが実施している医療機関は多くありません。
当院のように呼吸器専門医がカテーテル治療を直接行う体制には、患者さんにとって次のようなメリットがあると考えています。
  • 診断からカテーテル治療、退院後のケアまで、一貫して受けられる
  • 呼吸器疾患の専門知識に基づいた、再発を防ぐトータルケア

紹介先・受診先のご案内(患者さん・開業医の先生へ)

当院では、患者さんと地域の先生方(かかりつけ医)との円滑な医療連携を重視しております。

患者さん・ご家族の方へ

血痰や喀血が長引いているなどお悩みの方は、当院の喀血外来への受診をご検討ください。まずはかかりつけ医の先生にご相談いただき、当院呼吸器内科(喀血外来)宛ての紹介状をご依頼ください。
※紹介状をお持ちでなくても受診は可能ですが、国が定める「特別初診料・再診料」が別途かかる場合があります。

開業医(紹介元)の先生方へ

長引く血痰や繰り返す喀血、あるいはその背景として非結核性抗酸菌症や気管支拡張症、肺真菌症などが強く疑われる患者さま、通常の保存的治療でのコントロールが困難な患者さまがいらっしゃいましたら、当院喀血外来へご紹介ください。
根本原因の評価、治療を行ったうえで、適切なタイミングでご紹介元へお返しいたします。

外来のご案内

場所:呼吸器内科/西館1階
外来受付時間:火曜日(祝日・年末年始を除く)8時30分~11時30分