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ホーム > 診療科・部門 > 外科系の診療科 > 形成外科 > 眼瞼下垂の治療について

眼瞼下垂の治療について



まぶたが下がって見えにくい、目が開きにくいと感じていませんか?

静岡市立静岡病院 形成外科では「眼瞼下垂(がんけんかすい)」治療を行っています

まぶたが下がって視界が狭くなる「眼瞼下垂」。
当院形成外科では、患者さんの生活の不便を解消し、QOL(生活の質)を向上させるための保険診療による手術を行っています。

こんな症状でお悩みではありませんか?

日常生活を送る中で、以下のようなお悩みはありませんか?
  • まぶたが重く、下がってきて、目が開きづらい
  • 信号機やテレビ、パソコンの画面が以前より見えづらくなった
  • 物を見るとき、あごを上げて(上から見下ろすようにして)見ないと見えにくい
  • 眠たくないのに、周囲から「眠そうだね」「疲れているの?」とよく言われる
  • おでこのシワが深くなり、眉毛の位置が高くなった気がする
  • 「慢性的な肩こりや首こり、頭痛」に悩まされている

眼瞼下垂 目元の変化のイラスト

眼瞼下垂 目元の変化

眼瞼下垂 患者さんの見え方の変化のイラスト

眼瞼下垂 患者さんの見え方の変化

実は「まぶたの下がり(目の開きにくさ)」が原因かもしれません

肩こり、首こり、頭痛やおでこのシワ。一見、目とは関係のないように思えるこれらの症状が、実は「まぶたの下がり(眼瞼下垂)」によって引き起こされているケースがあります。
まぶたが下がって黒目(瞳孔)が隠れてくると、私たちの体は「なんとかして視野を確保しよう」として、本来は使わなくてもよい筋肉を過剰に働かせるようになります。
  • おでこの筋肉(前頭筋)の無理な負担
まぶたを上げるために、おでこの筋肉を使って眉毛を一生懸命上に引き上げようとします。これが毎日、朝から晩まで続くことで、おでこの筋肉が緊張して「筋緊張性頭痛」を引き起こしたり、おでこに深い横シワができたりします。
  • 首を後ろに傾ける姿勢(頸部後屈)
下がったまぶたの下から物を見ようとするため、無意識のうちにあごを前に出し、首を後ろに傾けた不自然な姿勢をとるようになります。これが首の後ろから肩にかけての筋肉を疲弊させ、「慢性的な肩こりや首こり」を招きます。
  • 自律神経への影響(ミュラー筋の過緊張)
まぶたの奥にある「ミュラー筋」という不随意筋を無理に緊張させ続けると、自律神経(交感神経)が刺激され、体が常に緊張した状態(自律神経の過緊張)になり、全身の強い疲労感に繋がることがあります。

眼瞼下垂(がんけんかすい)とは?

眼瞼下垂とは、まぶた(眼瞼)が十分に上がらなくなり、垂れ下がった(下垂)状態を指します。大きく分けて以下の3つの原因があります。

後天性眼瞼下垂(加齢や生活習慣によるもの)

もっとも患者数が多いタイプです。多くは、まぶたを持ち上げる主役の筋肉(眼瞼挙筋)の力を、まぶたのフチにある硬い組織(瞼板)へ伝えるための「腱膜(けんまく)」が、長年の使用や摩擦ではがれたり緩んだりすることで起こります。
  • 加齢: 60代〜70代以降の患者さんに多く見られます。
  • まぶたへの慢性的な刺激: 花粉症やアトピーなどで目をよく擦る癖がある方。
  • コンタクトレンズの長期装用: 特にハードコンタクトレンズを長年使用している方に多く見られます。
  • その他: 白内障など、眼科の手術を受けた後に発症することもあります。

先天性眼瞼下垂(生まれつきのもの)

生まれつき、まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)の発達が不十分であったり、神経に問題があったりするものです。片目の場合、下垂が強いと視力の発達を妨げ「弱視」の原因になることがあるため、必要に応じて眼科と連携しながら慎重に治療を検討します。

その他(神経疾患、全身疾患などによるもの)

重症筋無力症、顔面神経麻痺、腫瘍、外傷、あるいは脳梗塞などの神経や筋肉の病気の一症状として、まぶたが下がってくることがあります。この場合は、まず背景にある病気の治療を優先することがあります。

当院形成外科での眼瞼下垂治療

眼瞼下垂は「まぶたの構造(筋肉の連結や皮膚の余り)」に原因があるため、内服薬や注射などの治療ではなく、手術治療が基本となります。
当院では「まぶたが下がって視野が狭い、生活に支障がある」といった、機能改善を目的とした保険診療の手術を専門に行っています。
手術方法について、当科では原因に合わせて以下の2つから選択しています。

挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)

まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)の腱膜が、はがれたり緩んだりしている場合に適応となります。二重まぶたのライン(または新たに二重を作るライン)に沿って皮膚を切開し、緩んでしまった腱膜を瞼板にしっかりと縫い付け直す(ピンと張り直す)手術です。ご自身のまぶたを持ち上げる力をダイレクトに伝えられるようにします。

眉毛下皮膚切除(除皺)

筋肉や腱膜の力には問題がないものの、まぶたの上の皮膚がたるんで覆いかぶさることで視界を遮っている場合に行います。たるんだ余分な皮膚を切除してすっきりとさせます。二重のラインで切除する方法や、眉毛の下のラインに沿って目立たないように切除する方法(眉毛下皮膚切除)があり、たるみの状態に合わせて最適な方法を選択します。
【入院について】
  • 1泊2日入院治療
眼瞼下垂手術は局所麻酔で行うため、日帰り手術も物理的には可能です。しかし、特に両目を同時に手術する場合、手術直後はまぶたが非常に腫れやすく、一時的に視界が狭くなってご自宅での日常生活に大きな支障や不安が生じることがあります。当院では、術後当日は病院で安全に安静を保っていただき、医師や看護師がケアを行うことで、患者さんが安心して治療を受けられるよう「1泊2日の入院」を基本としています。
  • 手術所要時間
おおむね1時間〜1時間30分程度です。※術式や患者さんの状態によって多少前後します。

手術後の経過と合併症について

  • 術後の腫れと内出血
  • 個人差はありますが、手術後約3日間は腫れのピークとなります。1週間程度で大きな腫れは落ち着き、むくみも含めて3週間程度でかなり自然な状態になります。また、内出血によりまぶたが一時的に紫色になることがありますが、1〜2週間かけて徐々に黄色く変化し、自然に消えていきます。(抜糸後はメイク等で隠すことができます)。
  • 抜糸について
  • 手術後、約1週間(術後6日〜10日目安)で外来にて抜糸を行います。抜糸の翌日からはまぶたのメイクも可能となります。
  • 一時的な見え方の変化
  • 手術直後は、まぶたが開くようになったことで一時的にまぶしさを強く感じたり、ドライアイ(乾燥)、一時的なかすみ目や乱視の変化などを感じたりすることがあります。これらは時間とともに体が新しいまぶたの開き方に慣れていくにつれて落ち着きます。
  • その他のリスク
生理的な範囲での左右差が生じる可能性があります。

当院での治療実績(眼瞼下垂手術件数)

2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
10件 13件 27件 11件 29件

受診について

眼瞼下垂はまぶたの病気ですが、「見えにくさ」の原因には、眼球自体の病気(白内障、緑内障、視力低下など)が隠れていることもあります。まずは眼球に問題がないかを専門医(眼科)に確認することが重要です。当科では眼科とも密に連携しながら、丁寧な診断と治療を進めてまいります。

「もしかしたら眼瞼下垂かもしれない」とお悩みの方は、まずは普段おかかりの「眼科」や「かかりつけの医院(内科など)」にご相談いただき、当院形成外科宛ての「紹介状(診療情報提供書)」をもらって受診されるとスムーズです。
※紹介状がなくても受診は可能ですが、国の定める制度により、通常の診療費とは別に「特別初診料・再診料」が別途かかる場合があります。

眼瞼下垂の治療を通して、患者さんの日常生活の不便を解消し、QOL(生活の質)の向上に貢献してまいります。どうぞお気軽にご相談ください。

【外来のご案内】
  • 場所:形成外科/西館1階
  • 受付時間:月曜日~金曜日(祝日・年末年始を除く)8時30分~11時30分