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口腔癌とその治療


口の中にも癌はできるの?

口の中にも癌はできます。最も多いのが舌癌です。上顎、下顎の歯肉、口腔底、頬粘膜、軟口蓋、口唇など歯以外のすべての場所に癌はできます。

舌癌

舌癌

白板症を伴う舌・口底癌

白板症を伴う舌・口底癌

上顎歯肉癌

上顎歯肉癌

下顎歯肉癌

下顎歯肉癌

骨吸収(レントゲン写真)

骨吸収(レントゲン写真)

頬粘膜癌

頬粘膜癌

口唇癌

口唇癌


口腔癌は多い病気?

口腔癌は多くありません。全悪性腫瘍の約4%です。
男女比は2:1。男性に多いのですが、最近女性にも増えている?

発生する場所は?

舌が最も多く、次いで下顎、上顎の歯肉、下顎の後ろから軟口蓋に多く、さらに頬粘膜、口蓋、口底、口唇の順です。

現在わかっている関係がありそうな要因は?

  1. 喫煙
  2. アルコール(喫煙と一緒で危険率が著明に上昇)

どうしたら早く見つけられる?

発見のポイント
口の中は誰にでも見えて、触ることができるので、診断は可能です。1週間から10日間治らない口内炎は念のため、専門医を受診してください。

症状
自覚症状は約20%は無症状。最も多いのは痛みです。その他にしみる、口内炎が治らない。また、しこり、腫れや首のリンパ節が腫れたりすることもあります。
舌癌:舌の側縁にほとんどができます。
歯肉癌:ごく一般的な症状ですが、入れ歯が合わない、歯がぐらぐらする、歯を抜いた後が治らない。時に歯槽膿漏とも似ていますので、歯科医院にて相談してみてください。

どんな治療をする?

当科の治療方針:治療は手術を主体とし、病気の大きさ,進行度や癌組織の顕微鏡検査などを考慮し、放射線治療、薬物治療などを症例に応じて併用しております。特に進行癌では、術前に抗癌剤と放射線を同時に併用し治療を行い、効果の得られた症例では縮小手術を行い、出来る限り機能を温存するよう努めております。さらに切除後は後遺症を少なくするため様々な皮弁を用い再建も行っております。その後切除した組織を病理部とともに綿密に検索し、手術の評価とその後の治療の決定に役立てております。

治療成績は?

口腔内でも様々な部位の癌があり、一概には言えません。しかし、最も多い舌癌では、当科で根治的手術ができた患者さん122人の5年累積生存率(Kaplan-Meier法)は87%です。舌癌以外で死亡された患者さんを除いた病因特異的5年生存率は94%で、各病期(癌の進行具合)別では、病期Ⅰ(最も軽い):95%、病期Ⅱ:98%、病期Ⅲ:87%、病期 Ⅳ(最も進行した癌):83%でした。
また、75人の下顎歯肉癌の5年累積生存率は89%で、病因特異的5年生存率は病期I:100%、病期Ⅱ:100%、 病期Ⅲ:80%、病期 Ⅳ:94%で、全体での病因特異的5年生存率は93%でした。

後遺症は生じますか?

腫瘍の切除後には、顔の変形や噛む、言葉、飲み込みなどの口の大切な働きに障害が生じます。
マイクロサージャリー(微小血管外科)による再建(当科の後遺症の対策):当科では後遺症をできるだけ少なくするために切除した場所に合わせて、身体の別な所から最も適した皮弁(血管の付いた皮膚や骨)を採取し、切除部を補い、顕微鏡下に血管や神経を吻合し、口や顎の骨などの再建しております。なお、この手術はほとんどの患者さんで切除と同時に行います。顔の変形や口の機能の後遺症をできるだけ少なくするようにしております。
例えば、下顎の癌で顎の骨を切除しても、肩甲骨皮弁を用いて顎を出来る限り元の状態に近いように再建しています。すると顔の変形も比較的少なく、再び入れ歯を入れられるようになる方もおられます。さらに義歯が安定しない方にはインプラントを埋入し噛み合わせを安定させることもあります。

肩甲骨皮弁による下顎再建(3次元CT)

肩甲骨皮弁による下顎再建(3次元CT)

再建後にインプラントで咬合を再建(右側)

再建後にインプラントで咬合を再建(右側)

口腔癌になりやすい病気は?

前癌病変:口腔の前癌病変の代表は白板症です。これは、口腔の粘膜が白くなり、こすってもとれない白斑で、カビ(カンジダ症)やその他の病変とも違うものです。このような患者さんを、経過観察していると数パーセントの方に癌が生じます。ただし経過をしっかりみていけば大丈夫です。早期に見つけた癌はほとんど治ります。治療は切除や凍結外科などを行います。また広範囲の白板症は全部切除するのは困難です。その場合、数カ所で組織の顕微鏡検査を行い、定期的な観察を何年も続けていきます。

舌白板症

舌白板症

下顎歯肉白板症

下顎歯肉白板症