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尿路結石症とは


尿路結石症とは

尿路にみられる結石の総称で、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などがあります。胆管や胆嚢にできる胆石とはまったく関連がなく成因も違います。
尿路結石の成分となるカルシウム、シュウ酸、リン酸といった物質は誰でも尿中にある程度含まれており、十分な量の尿が作られていれば濃度が薄いまま排出されます。それらの物質が体内でよほど大量に生成されたり、尿量が少なかったりすると、その成分が濃縮され、腎臓の中で結晶をつくり少しずつ大きくなり結石ができるのです。多くは無症状ですが、結石が動くと痛みが生じることがあります。

尿路結石症の痛みの原因

結石が腎臓の中でじっとしている間は痛みは通常ありません。結石が移動して狭い部分にはまり込むと(陥頓)、尿の流れが滞り、上流に溜まった尿が尿路を内側から押し広げて痛みが生じます。結石の刺激により周囲組織が痙攣し収縮すると尿の流れが完全に止まってしまい、急速に内圧が上昇して激痛をきたします(疝痛発作)。結石と周囲組織の隙間から尿が下流に流れて上流の内圧が下がると痛みが落ち着きます。小さなサイズ(おおよそ6mm以下)の結石では、このような激痛と症状消失を繰り返しながら結石が下流に移動し、膀胱まで落下すれば痛みがおさまります。中程度のサイズの結石は嵌頓したまま落下せず、いつまでも痛みを繰り返す場合があります。サイズの大きな結石の場合、むしろ嵌頓しにくいので痛みを伴わないことがしばしばあります。
尿道の直径が尿管の直径よりかなり大きいため、尿管から膀胱内に落下した結石はその後の排尿とともに速やかに排出されることがほとんどです。ただし、もともと尿が出にくい状態で排尿後も尿が膀胱内に残ってしまっている(残尿)方は、結石が膀胱内で徐々に増大してしまう場合があります。
結石が排出されず、上流に尿が溜まって腫れたままでも、内圧が高くなりすぎて腎臓が尿を作るのを止めてしまった結果、痛みがほぼなくなることがあります。仮に片方の腎臓が尿をまったく作らなくても、もう片方の腎臓が正常に働いている限り、それまでと同じように尿が出ます(ただし老廃物の処理が間に合わず、血液内の老廃物の量が増えています)。気が付かずにそのような状態のまま数か月以上放置すると、腎臓が縮んでいき(萎縮)、元に戻らなくなることがあります。痛みがなくなったとしても結石が排出されたとは限らないことに注意が必要です。

尿路結石症の診断

レントゲン検査:ほとんどの尿路結石が映ります。尿酸を主成分とする結石は単純レントゲン検査では映らないことがあります。

エコー検査:腎臓と膀胱を観察することができます。結石そのものを描出したり、結石陥頓により上流に溜まった尿とくに腎臓に尿が溜まって腫れている状態(水腎症)を確認します。被爆はありません。膀胱内を観察するには膀胱内に尿を溜めた状態でエコー検査を行う必要があります。

CT検査:尿酸を主成分とする結石も含め、すべての尿路結石が映ります。結石の位置やサイズ、周囲の尿の流れ具合などが詳細にわかります。結石の硬さもわかり、特殊な撮像処理(dual-energy CT)を行えば結石成分を推定できます。造影剤点滴を行わない単純CTでもかなりの情報が得られますが、造影剤を使用するとさらに情報量が増え治療に有用です。ただし、単純、造影いずれも、少量ではあるものの被爆が生じます。当院のような最新のCT検査機器だと腹部単純CT1回の被爆量が5~20mSv程度に抑えられており、腹部レントゲン検査1回あたり1mSvに比べ数倍になりますが、100mSv未満の被爆では健康に影響がないとされていますので、よほど頻回に繰り返して撮影しない限り問題ありません。
その他の尿路造影検査:結石の位置や尿の通過状態をより詳細に調べたり、尿路の狭窄や奇形などを疑う場合、尿道から膀胱に内視鏡を入れ、尿管にカテーテルを入れて造影剤を流す「逆行性腎盂尿管造影(RP)」を行うことがあります。

尿路結石症の治療

1. 痛みに対する治療

鎮痛剤(内服薬、座薬、注射)を使用します。尿管の痙攣を止める薬剤(注射、内服薬)を併用することがあります。ただし痙攣を止める薬剤を多用すると尿管の蠕動運動(尿を自然に下流へと移動させる筋肉の働き)が低下し、結石の排出が遅れます。吐き気がひどく脱水状態になっている状態だと、点滴して水分補給することで楽になります。

2. 保存的治療

尿管を広げて排石を助ける薬(アルファブロッカー)を内服し、水分摂取、運動を促して排石するかどうか様子をみます。飛び跳ねるような体に振動を与える運動が有効です。途中で痛みがぶり返した場合、鎮痛剤を適宜使用します。
尿酸やシスチンなど特殊な成分の結石では尿をアルカリ性にすることでゆっくりとですが結石を溶かすことができます。それ以外の成分の結石には溶かす薬はありません。

3. 補助的治療

陥頓した結石による高度の痛みが頻回に生じたり、結石の上流で尿路感染をきたし高熱を生じた場合などに、閉塞を一時的に解除するための「尿管ステント留置術」を行うことがあります。自排しそうにない結石ですぐに積極的処置が難しい場合(仕事の都合でしばらく入院できない場合や妊娠中など)に一時しのぎの処置として行う場合もあります。後に解説するTUL、ECIRSなど尿管に内視鏡を入れる手術の術前にこの尿管ステントを留置することで、尿管内への内視鏡挿入を確実に行えるようにすることができ、手術中の尿管損傷を予防する効果も期待できます。
結石の上流に溜まった尿に感染をきたし高熱をきたしている状況で、尿管ステントを入れようとしても入らない場合(尿管そのものが狭い、尿管と結石とに隙間がない、膀胱内で尿管の出口がわからないなど)、背中から腎臓まで小さな穴を開けてカテーテルを留置する「腎瘻造設」を行う場合があります。

4. 積極的治療

数十年前までは、大きな結石や排石しない結石に対して、開腹による手術で結石を摘出していました。最近では開腹手術を行うことはほとんどなく、以下の方法のいずれか、あるいは複数の方法を組み合わせて結石を除去します。

体外衝撃波結石砕石術(ESWL)

花火大会を間近で見ているときに、花火と同時か少し遅れて体に振動を感じることがありませんか?あれが空気中を伝わってきた衝撃波です。ESWLは、体の表面に当てた結石破砕装置から発生させた衝撃波をレンズのように結石に集め、結石を砂状に粉砕し尿とともに自然に排出させる治療法です。麻酔を使わずに治療できる(一般に座薬による鎮痛を行う)ため、日帰り治療が可能です。約1時間かけ2000~3000発の衝撃波を当てます。破砕装置の接する体の表面を平手で叩くような痛みがあります。結石の大きさ、数、位置、硬さにより複数回の治療が必要なことがあり、迅速な効果(痛みの消失、腎機能の回復)が期待できないことから、一般的にサイズが1cm以下の単発の結石が対象になります。レントゲンに映りにくい結石(尿酸結石など)は焦点を合わせることができないためESWLの適応になりません。非常に硬い成分の結石は、ESWLでは破砕できないことがあります。膀胱結石は破砕1発ごとにあちこち移動してしまい焦点が合わないためESWLの適応になりません。血液をサラサラにする薬剤(抗凝固剤、抗血小板剤)を内服している場合、一時休薬が必要です(休薬している間に血栓症を生じるリスクがあります)。
破砕した砕片の排石は尿とともに自然に任せることになり、出にくい位置の結石は破砕されても排石されないことがあります。また、砕片が大きいと下流で嵌頓する場合もしばしばあります。

経尿道的尿路結石砕石術(TUL)

入院し麻酔をかけて細い内視鏡を尿道から尿管まで入れ、結石を直接見ながら破砕し摘出します。最近では摘出しなくてもすむサイズまで粉々に粉砕する方法(dusting法)も主流になりつつあります。当院では全身麻酔下に細径硬性尿管鏡や軟性尿管鏡を用いてレーザー砕石を行っており、入院期間は通常3-5日程度です。尿管結石が主な対象となり、サイズが小さく数が少ない腎結石に対してもTULが可能です。破砕力の高いホルミウムレーザーを使用し、大きな結石や比較的硬い結石、複数個の結石にも有効な反面、尿管に入れられるアクセスシース(手術時の通路となるプラスチックの筒)のサイズが4mm以下の細いものに限定され経路が細いため、破砕や摘出の効率がさほど高くなく、大きな結石では時間がかかります。手術が長時間に及ぶと、尿路内圧上昇からの敗血症や、術後の尿管狭窄を発症するリスクが高まることもあり、大きな腎結石には向いていません。

経皮的尿路結石砕石術(PNL)

入院し麻酔をかけて背中から腎臓まで6~8mmの穴を開け(腎瘻造設)、内視鏡を入れてレーザーまたはリソクラスト(金属の棒を圧縮空気を用いて振動させ、結石をつついて破砕する機器)を用いて腎結石を破砕し摘出する手術です。結石に対する破砕力や破砕効率がTULより高く、ESWLやTULでの治療が難しい、サイズの大きな結石や腎盂腎杯を埋めるサンゴ状結石の除去も可能です。尿路結石治療ガイドラインでは、2㎝以上の腎結石にはPNL(または後述のECIRS)が第一選択とされています。
背中に6~8mmの穴を開けますので、多少の痛みがあります。また、術後数日間はその穴にカテーテルを留置しますので、多少の不快感があります。1週間前後の入院が必要です。
腎瘻穿刺時の血管損傷から出血量が多くなる場合があり、時に輸血が必要となります。術中出血が多いと視野不良から結石処置が不十分なまま終了せざるをえない場合もあります。手術時間が長時間に及ぶと出血量がかさんで輸血が必要になる可能性が高くなるだけでなく、敗血症をきたすリスクも高くなります。腎瘻から内視鏡が届く操作範囲が狭いのもPNLの欠点の一つです。
大きな穴を開けた方が結石破砕効率が高く短時間で手術が完了しますが、出血量が多くなる場合があり、当院では直径8㎜の硬性腎盂鏡と直径4㎜の硬性腎盂鏡を使い分けています。

経皮経尿道併用内視鏡手術(ECIRS)

PNLの対象となる腎結石に対して、経皮的に行うPNLと尿道から行うTULを同時に行う最新の手術方法です。2020年4月から保険適用となり、近年導入する病院が増加しつつあります。当院でも2023年4月からECIRSを導入しました。
エコーガイドと腎盂内からの内視鏡による観察を併用することで適切な位置への安全な腎瘻造設が可能となり出血が少ない、腎瘻と尿管の2方向に灌流液を排出できるため腎盂内圧が上がりにくく敗血症リスクが低いなどの利点があり、手術時の安全性が向上しました。また、主に腎盂鏡にて結石を破砕摘出し、尿管鏡操作は結石の把持移動を担当することで、造設した腎瘻から遠い位置の結石の破砕摘出が可能となり、破砕効率も向上しました。
とくに、腎盂腎杯を埋め尽くすサンゴ状結石のような大きな結石に対して、従来のPNLより合併症や出血量が減少し、手術時間が短くなり、stone free rate(完全除石率)も向上します。結果的に患者さんの負担も少なくなるので、PNLよりECIRSを選ぶ場合が増えています。

尿路結石症の予防

結石の自排にだけでなく、予防にも十分な水分摂取と適度な運動が大切です。食事については、結石の成分を確認し、その成分を摂り過ぎないことが大切ですが、実際には食事療法はなかなか難しいものです。
簡単な予防としては、水分を多く摂取し1日尿量1500~2000mlを目標にしましょう。食事と食事の間に何回かに分けても良いですから水分(水、白湯、番茶、ほうじ茶、麦茶)を摂りましょう。コーヒー、紅茶、緑茶(特に玉露・抹茶)、ウーロン茶、コーラなどにはシュウ酸が比較的多く含まれていますので、大量に飲むのは勧められません。また、清涼飲料水や甘味飲料水を大量に飲むと、多量の砂糖を摂取することにより尿中カルシウムを増加させ、結石ができやすくなります。
一方、麦茶やほうじ茶にはシュウ酸が少ないので安心して飲むことが出来ます。紅茶やコーヒー、ココアには牛乳を加え、1日に何杯も飲まないなど注意すれば楽しむことは可能です。
アルコールを飲むことにより一時的に尿量は増えますが、就寝中の脱水を引き起こし、また、尿酸、カルシウム、リンの尿中排泄を増加させ、結石ができやすくなります。飲みすぎないよう注意しましょう。

尿路結石の治療・予防に使われる薬剤

さまざまな薬剤があり、状況に応じて使い分けます。

アルファブロッカー(タムスロシン、シロドシン、エブランチルなど)
元々は前立腺肥大症や神経因性膀胱などで尿道を広げ、膀胱に溜まった尿を出しやすくする薬ですが、尿管を広げて結石が落ちやすくする効果が実証されており、尿管結石に広く使われます。

クエン酸カリウム(ウラリットなど)
尿をアルカリ性にすることで尿酸結石を溶解する効果があります。アルカリ化およびキレート作用によりシュウ酸カルシウム結石を予防する効果もあります。
アルカリ化しすぎるとリン酸結石が形成されることもあり、PH7を超えないよう適切にコントロールしていくことが必要です。

サイアザイド系利尿剤(フルイトランなど)
尿中カルシウム排泄量を減らし、カルシウム結石を予防します。血圧が下がり、めまいやふらつきを生じることがあります。

鎮痛剤(ロキソプロフェン、ジクロフェナクなど)
発作的な痛みを一時的に和らげるのに使います。内服薬、座薬、注射剤があります。

鎮痙剤(ブスコパンなど)
尿管の痙攣を止め、痛みを一時的に和らげます。使いすぎると結石の排出が遅れます。緑内障、前立腺肥大症の患者さんには使えません。

尿酸生成抑制薬(フェブリク、ザイロリックなど)
血液中の尿酸の濃度が高くなると痛風や尿路結石の原因になります。尿酸値が高い患者さんに使います。

酸化マグネシウム(マグミットなど)
主に下剤として用いられますが、尿中のシュウ酸カルシウムと結合し排石を促すことでシュウ酸結石の予防としても用いられます。

シスチン尿症治療薬(チオラ)
難溶性のシスチンを水溶性に変化させることで、シスチン結石を溶解したり、予防することができます。

高カルシウム血症
血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎると結石を頻回に生じます。
代表的な原因として、喉にある副甲状腺からホルモンが過剰に産生されると血液中のカルシウム濃度が異常に高くなります(副甲状腺機能亢進症)。見つかった場合には耳鼻科での摘出術が必要となります。
癌などの悪性腫瘍が原因でカルシウム濃度が上昇することがあります。
まれに骨粗鬆症の治療中に薬が効きすぎて血液中のカルシウムが異常に高くなることがあります。

食事療法

結石の生成に尿のPH(酸性・アルカリ性を表す数値)が関連しており、食事のバランスが悪く尿が酸性になりすぎたりアルカリ性になりすぎている状態だと結石ができやすくなります。肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、魚類、卵、砂糖など硫黄やリンを多く含む食品が酸性食品で、野菜、海藻、豆類、きのこ、梅干し、柑橘類などがアルカリ性食品です。酸性食品とアルカリ性食品をバランス良く摂りましょう。肥満も尿を酸性にしやすく尿路結石のリスク因子です。

食事からのカルシウムを制限すると、尿路結石がむしろできやすくなる
結石の成分のうちで最も多いのがシュウ酸カルシウムです。かつてはカルシウムが結石を作る原因の代表的なものであると考えられていましたが、さまざまな研究によって実はカルシウムよりもシュウ酸が良くないということがわかってきました。シュウ酸は体内で生成されるものもありますが、体外から摂取するものもあり、シュウ酸を多く含む食品を摂っていると結石を起こしやすいということになります。
シュウ酸が含まれている食品には、ナッツ類、ホウレンソウ、タケノコ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、チョコレート、ココア、紅茶、ビタミンCなどがあり、とくにホウレンソウには多量に含まれています。
シュウ酸は水に溶けやすい性質(水溶性)があるため、野菜を茹でることで減らす事ができます。

ホウレンソウを食べるときにちりめんじゃこやかつお節をかけて食べたり、コーヒー・紅茶にミルクを入れて飲む人は多いですが、それらに含まれるカルシウムが実は重要な働きをしています。カルシウムとシュウ酸が腸内で結合することによって、血液中に吸収されるシュウ酸を減らすことができるのです。
以前は、食事におけるカルシウム過剰摂取が尿路結石の成因として考えられ、カルシウム摂取量を控える食事指導が行われました。しかし、現在では再発防止にはカルシウムを一定量摂取することが重要である、とガイドラインに明記されています。

カルシウムは骨の主成分であり、食事から摂取され腸内に流れてきたカルシウムと血液中のカルシウム、骨のカルシウムとでバランスが取れるように「副甲状腺ホルモン」によって調整されています。食事からのカルシウム摂取量が減りカルシウムが不足すると骨や歯が脆くなり、高齢期、特に閉経後の女性では、骨粗鬆症が起こりやすくなります。また、神経や筋肉の興奮が高まり、筋肉の痙攣やてんかんが起こりやすくなります。カルシウム不足は高血圧、動脈硬化、糖尿病、アルツハイマーのリスク因子ともなるとされています。脂肪が蓄積しやすくなり肥満の原因にもなります。
一般に日本人のカルシウム摂取量は一日必要量の600mgに達していません。カルシウム摂取として牛乳を飲むのは良い方法です。ただし、脂肪の過剰摂取も尿路結石形成の危険因子と考えられているので、飲み過ぎないよう注意が必要です。低脂肪牛乳を選んだりするのも良いでしょう。

シュウ酸は様々な食品に含まれており、まったく食べないようにするのは不可能です。茹でる、食べる量や頻度を減らす、カルシウムと一緒に食べるなどで対応しましょう。

結石予防に役立つ食品成分

尿路結石を予防する食品成分がいくつか報告されています。それらを含む各種サプリメントが市販されており、中にはAmazonなど通信販売サイトから手軽に購入できるものもあります。まずは普段の食事内容の見直し、水分摂取、運動、減量などから心がけるのが大切ですが、それらを努力しても結石ができやすい方の場合、当てはまるサプリメントを使用するのも一法でしょう。

酸性尿の場合
クエン酸カリウム
テオブロミン

アルカリ性尿の場合
L-メチオニン
フィチン

高シュウ酸尿の場合
フィチン
ポリフェノール
マグネシウム

クエン酸カリウム
クエン酸とカリウムの化合物です。病院で処方される代表的な結石予防薬剤でもあります。
クエン酸は、レモンやグレープフルーツ、梅干しなどに多く含まれ、体内でアルカリ性として働くほかに、カルシウムなどのミネラルの吸収効率を高めるキレート作用※があります。
カリウムは、わかめやひじき、こんぶ、大豆などに多く含まれる、ナトリウムを排出し体内の塩分調節を行う重要な栄養素です。

※キレートとは、ミネラルなどの金属原子と、それらに結合できる分子とが結合した化合物のことです。ミネラルはキレート形成することによって体内に吸収されやすくなります。

テオブロミン(カカオ抽出物)
テオブロミンは、ココアなどに多く含まれる成分で、尿酸分子に似た分子構造をしているキサンチン誘導体の一つです。

フィチン
フィチン酸は、玄米や米ぬか、ゴマや大豆などに多く含まれる栄養素です。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルと結合した状態のことをフィチンと呼びます。
フィチン酸は、キレート作用※によってミネラルの吸収バランスを整える成分として期待されます。

ポリフェノール(ブドウ種子抽出物)
ポリフェノールは多くの植物に含まれる物質で、様々な種類があります。たとえば、ブドウ種子には、プロアントシアニジンやレスベラトロールというポリフェノールが含まれています。

マグネシウム
マグネシウムはわかめやこんぶなどの海藻類、ゴマや大豆、野菜類などに多く含まれています。カルシウムと同じ2価の陽イオンであり、腸管内でシュウ酸と結合し、シュウ酸吸収を抑制すると考えられています。血液中のシュウ酸を減らします。病院で便秘薬としてよく処方されています。

L-メチオニン
L-メチオニンは赤身の牛肉などの肉類、卵、マグロや鮭などの魚類、乳製品などの酸性食品に多く含まれており、ヒトの体内で作り出せない必須アミノ酸の一つです。硫黄を含むアミノ酸で、小腸で吸収された後、肝臓で代謝されて硫酸イオンおよび水素イオンとなり、尿として排泄されます。