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ゲノム医療センター(Genome Medical Center)


静岡市立静岡病院は、2025年2月1日付で
「がんゲノム医療連携病院」に指定され、ゲノム医療センターを開設いたしました。

がんゲノム医療中核拠点病院である静岡県立静岡がんセンターと連携し、がんゲノム医療を推進してまいります。
指定を受けたことで、当院でがん遺伝子パネル検査の実施が可能となりました。
遺伝性のがんの可能性がある場合、遺伝カウンセリングの提供を行います。

ゲノム医療センター スタッフ一同


がんゲノム医療とは

がんは遺伝子の変化が積み重なって起こり、その変化は患者さん一人ひとり、そして同じ患者さんでも細胞ごとに異なります。がんと関係する遺伝子は数百種類あると言われています。
がんの組織を用いて、がんに関わる数10個~数100個の遺伝子を一度に調べ、そのがん細胞に生じている遺伝子の変化を見つけ出す検査を「がん遺伝子パネル検査」と言います。がん遺伝子パネル検査の結果をもとにして、患者さん一人ひとりに適した治療法を提供する医療を「がんゲノム医療」と呼びます。

がん遺伝子パネル検査

がん遺伝子パネル検査の目的

患者さんのがん細胞の特徴をゲノム解析によって網羅的に調べ、がんと関連する多数の遺伝子の状態を確認することを通して、それぞれの患者さんのがんの特徴を調べ、適切な薬剤や治療法、参加できる可能性がある臨床試験・治験の有無を専門家チームが検討し、その結果をお伝えする検査です。
※国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT)提供

がん遺伝子パネル検査でわかること

治療につながる情報について

がん細胞に生じている遺伝子の変化をもとに、患者さんごとの病気の特徴にあった治療薬や臨床試験などの情報を得ることができます。ただし、現在の治療につながる割合は10~20%程度です。つまり、80~90%の患者さんはこの検査を受けても、検査の結果がご自身の治療に直接つながらない可能性があります。

遺伝性のがんの可能性について

検査を受けた方の数%に遺伝性のがん(生まれつきがんにかかりやすい体質)が分かる場合があります。その体質を知ることで、今後の対策ができる可能性もあり、健康管理に活かすことができる情報となります。一方で、血縁者の方も同じ体質である可能性があり、血縁者の方にも影響がおよびます。別途、ご本人とご家族に遺伝相談外来をご案内させていただくことがあります。

がん遺伝子パネル検査の限界

  • がんにかかわる遺伝子の研究は日進月歩であり、専門家が最新かつ確かな情報を用いて検討しますが、今後のがんの治療に役立つ情報が得られない可能性は残ります。
  • 解析に用いた検体の品質や量によっては、解析自体が不成功に終わる可能性があります。
  • 遺伝子の変化に応じた薬剤が見つかった場合でも、以下のような場合には、治療法として選択できないことがあります。
    • 本国内では販売が承認されていない薬剤の場合
    • 目的のがんへの適応が認められていない薬剤の場合(患者申出療養制度等により治療できることもあります)
    • 全身状態などからその薬剤の臨床試験・治験への参加条件を満たさない場合

がん遺伝子パネル検査が保険適応となる方

  • 標準治療が終了となった、あるいは終了が見込まれる固形がん(血液のがん以外)の方
  • 原発不明がん(がんが最初に発生した臓器がはっきりせず、転移病巣だけが大きくなったがん)の方
  • 標準的な治療法が確立されていない希少がん(患者数が少ないまれながん)の方
※がん遺伝子パネル検査が保険適用となるかどうかは、当院に受診いただいた後にこれまでの治療経過や全身状態をもとに判断させていただきます。

当院で実施しているがん遺伝子パネル検査

FoundationOne®(ファンデーション ワン) CDx がんゲノムプロファイル

がん組織検体を用いて、がんに関連した324の遺伝子の変化について調べ、がんにどのような遺伝子の変化があるのかを調べます。

FoundationOne® Liquid(ファンデーション ワン リキッド) CDx がんゲノムプロファイル

身体に固形がんがある場合、血液中にはがん細胞から漏れ出たDNA(遺伝子)が循環しています。血液検体を用いて、がんに関連した324の遺伝子の変化について調べ、がんにどのような遺伝子の変化があるのかを調べます。

検査を受けられる方へ

「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」「FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の検査を受けられる方とそのご家族に向けた情報提供サイトです。検査についての詳細は下記サイトをご覧ください。

費用について

がん遺伝子パネル検査は一生に一度だけ医療保険制度を使って行えます。検査に対する保険点数は56,000点(合計56万円)で、そのうち1-3割の自己負担がかかります。なお、検査費用は2回に分けてお支払いいただきます。
保険点数 3割負担 2割負担 1割負担
検査申込時 44,000点(44万円) 13万2千円 8万8千円 4万4千円
結果説明時 12,000点(12万円) 3万6千円 2万4千円 1万2千円
※「高額療養費制度」が適応となりますので、収入に応じて決められた自己負担分以外は払い戻しを受けることができます。
※その他、診察料、診断料などが別途必要です。また、検査後の治療のための費用は含まれません。

患者さんへ:検査の流れ

がん遺伝子パネル検査の相談から結果説明まで、ゲノム医療センターが中心となり多職種連携によりサポートします。
がん遺伝子パネル検査の大まかな流れは、次の通りです。

予約 → 1回目受診(検査説明)→ 検査 → 2回目受診(結果説明)

※検査説明から結果説明まで約2ヵ月程度かかります。
※医療機関に入院中の方は、がん遺伝子パネル検査のための受診はできません。

① 予約

【当院で治療されている方】
現在がん治療でかかっている主治医にご相談ください。
【当院以外で治療されている方】
患者さんからの直接の予約は受け付けておりません。
  • がん治療でかかりつけの主治医に、当院を受診希望であることをご相談ください。
    かかりつけの医療機関から当院の地域連携室へお申し込みいただきます。
  • 検体の状態やこれまでの治療経過、全身状態をもとに、検査の適応を判断します。
    適応であると判断された場合、検査説明のため受診していただきます。
  • お申込み完了後、受診日の調整をします。

② 1回目受診(検査説明)

  • 当院の担当医から、検査の内容や費用を説明します。
    同意いただけた場合、検査を申し込みます。
  • 検査申込時に検査費用のお支払いが必要です。

③ 検査

  • 検査には、がん組織検体(生検もしくは手術等により採取・切除された組織)が優先されます。
  • なんらかの理由(がん組織の採取が困難な場合等)で組織を用いた検査が行えない場合、血液検体を用いた検査が可能です。
  • 検体の状態によっては検査できない可能性があり、新たに検体採取や採血が必要になることがあります。
  • 以下の流れで検査が進みます。1回目受診から2回目受診まで約2ヶ月程度かかります。
1回目受診 → 検体提出 → 検査結果 → 専門家会議開催 → 専門家会議検討結果返却 → 2回目受診
※専門家会議:エキスパートパネルと呼びます。 静岡県立静岡がんセンターと連携して検討会を開催

④ 2回目受診(結果説明)

当院の担当医から検査結果、ならびに専門家会議検討結果を説明します。
結果説明後の治療方針は、当院の担当医またはかかりつけの主治医とご相談ください。
遺伝性のがん(生まれつきがんにかかりやすい体質)の可能性のある遺伝子の変化が見つかる場合があります。その場合、ご本人とご家族に遺伝相談外来をご案内させていただくこともあります。

がんゲノム情報管理センターC-CAT(シー・キャット)登録の大切な役割について

患者さん一人ひとりの遺伝子解析の結果得られる検査データおよび診療データを集約・保管し、利活用するための機関として、国は2018年6月に「がんゲノム情報管理センターC-CAT」を国立がん研究センター内に設置しました。
「がん遺伝子パネル検査」を受けた患者さんで、C-CATへのデータ登録に同意された場合、検査データや診療情報を登録しています。

C-CAT登録には大切な2つの役割があります。
  • 一つは、患者さんの治療に役立つ情報が得られる場合があります。
    患者さんの検査結果に基づき、遺伝子変化の意義づけをして、治験・臨床試験の情報を記載したC-CAT調査結果が返却され、専門者会議で検討されます。
  • もう一つは、将来の患者さんのため、医療の質を高めることに役立てられます。
    C-CATに登録されたデータの一部を国内外の研究機関や製薬会社などへ提供し、がんについての新たな知見の創出や新規医薬品などの開発を支援しています。
※C-CATへのデータ登録に同意されない場合は、C-CAT調査結果は作成されません。
患者・一般向け解説動画 第3部:C-CATの役割
※国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT)提供

医療関係者の方へ:がん遺伝子パネル検査のご紹介

予約方法

  • がん遺伝子パネル検査受診のための必要書類一式をダウンロードしてください。
  • 必要書類にご記入の上、印刷して、地域連携室宛にFAXしてください。
【FAX送信先】
静岡市立静岡病院 地域連携室
FAX:054-252-0358
TEL:054-253-3125
(電話受付時間:月曜日から金曜日8時30分から17時15分まで(祝日・休診日を除く))
  • 速やかにFAX受領の返信をいたしますので、書類正本、ならびに検査のための組織検体をゲノム医療センターまでお送りください。
【書類正本・検体送付先】
〒420-8630 静岡市葵区追手町10番93号
静岡市立静岡病院 ゲノム医療センター
TEL:054-253-3125(代表)
(電話受付時間:月曜日から金曜日9時から17時まで(祝日・休診日を除く))

がん遺伝子パネル検査受診のための必要書類

①ゲノム医療センター受診申込書 所定の書式(下記)にご記入ください。
②紹介状(診療情報提供書) 紹介元医療機関の書式で問題ありません。
③病理診断報告書 組織検体パネル検査の場合、検査に使用する標本の報告書が必要です。
④がん遺伝子パネル検査用臨床情報用紙 所定の書式(下記)にご記入ください。
  • 組織検体情報
  • 血液検体パネル検査が必要な場合、その理由
  • 臨床サマリー

受け入れ可否のご連絡と予約の完了

  • がん遺伝子パネル検査の対象かどうかを判断し、受け入れの可否を決定いたします。提出していただいた病理診断報告書について、当院の病理医から貴院の病理医へ連絡する場合がありますので、ご了承ください。
  • 受け入れ可の場合は、予約日時を予約通知票で返信いたしますので、患者さんにお伝えください。

エキスパートパネル

紹介から結果報告までの流れ

予約 → 受診日確定
1回目受診[検査説明・検査同意]
※血液パネル検査の場合、採血を実施
エキスパートパネル参加(がん遺伝子パネル検査用診療情報提供書内に参加希望の有無のチェック欄があります。参加いただく場合は当院にお越しいただきWebでの参加となります。参加希望者には日時をご連絡いたします。火曜日16時から17時)
2回目受診[結果説明・紹介元医療機関へ報告書送付]

紹介から結果報告までの流れフロー図

エキスパートパネル後追跡調査

  • 検査結果の報告から 3~5 か月後に当院よりあらためてご連絡いたします。
  • エキスパートパネル後調査票をご記入の上、当院まで返送ください。
※ エキスパートパネル後の治療情報や転帰情報のご記入お願いします。

遺伝相談外来について

遺伝カウンセリング

がんの多くは、生活習慣や環境の要因により遺伝子に変化が起こることで生じるため、このような変化は次の世代に受け継がれることはありません。
一方で、生まれながらに持っている遺伝子の違いが原因で「がん」になりやすい体質であることがあります。
このような「がん」のことを「遺伝性腫瘍」と言います。がん遺伝子パネル検査を行うことで、遺伝性腫瘍の可能性が判明することがあります。
遺伝性腫瘍の可能性が判明することで、遺伝に関する悩みなど、精神的な負担になることもあります。このようなことに対して、「遺伝カウンセリング」を行っておりますので、別途、ご本人とご家族に遺伝相談外来をご案内させていただくこともあります。
全て事前予約制となります。
開催日 毎月第3木曜日
11時~/13時~/14時~/15時~
場所 西館2階 合同処置室
料金 30分 5500円(税込)
60分 11000円(税込)
遺伝子検査実施時は別途実費をご負担いただきます
※自費診療(保険適応外)
遺伝カウンセリング担当者
  • 河合貞幸(非常勤 臨床遺伝専門医)
  • 浄住佳美(非常勤 認定遺伝カウンセラー®)
  • 本田剛一(遺伝カウンセラー)
【お問い合わせ先】
静岡市立静岡病院 ゲノム医療センター
TEL:054-253-3125(代表)
受付時間:月曜日から金曜日 9時から17時まで(祝日・休診日を除く)

遺伝カウンセリングとは

スタッフ紹介

ゲノム医療センターメンバー
センター長・医師(外科・消化器外科) 前田 賢人
副センター長・医師(外科・消化器外科) 矢﨑 真澄
医師(内視鏡科、消化器内科) 黒石 健吾
医師(血液内科) 山崎 寛章
医師(呼吸器内科) 藤井 雅人
医師(産婦人科) 堀越 義正
医師(泌尿器科) 八木橋 祐亮
医師(小児科、臨床遺伝専門医) 吉岡 耕平
医師(病理診断科) 江河 勇樹
非常勤・医師(臨床遺伝専門医) 河合 貞幸
非常勤・認定遺伝カウンセラー🄬 浄住 佳美
看護師(総合相談センター) 鈴木 公子
看護師(総合相談センター) 井上 暢子
看護師(化学療法室) 原木 久美
看護師(外来) 鍋田 泉
看護師(看護部) 増田 友美
薬剤師(薬剤部) 望月 英明
薬剤師(薬剤科) 淺利 亜規代
薬剤師(薬剤科) 青木 望
薬剤師(薬剤科) 浅井 珠江
薬剤師(薬剤科) 川口 真未
臨床検査技師(検査技術科) 堂本 浩二
臨床検査技師(検査技術科) 望月 裕一
事務職員(総務課) 森川 秀幸
事務職員(総務課) 本田 剛一

がんゲノム医療お役立ちサイト