腎デナベーション(腎交感神経除神経)
当院 循環器内科では2026年4月より「治療抵抗性高血圧」(お薬を飲んでも下がりにくい高血圧)に対する新しいカテーテル治療「腎デナベーション(腎交感神経除神経)」(RDN)を導入しました。
この治療は、全国で96病院、静岡県内で4病院、静岡市内では当院のみが治療を行える施設として、日本腎デナベーション協議会に認定されています。(2026年7月現在)
この治療は、全国で96病院、静岡県内で4病院、静岡市内では当院のみが治療を行える施設として、日本腎デナベーション協議会に認定されています。(2026年7月現在)
高血圧について~放置するリスク・診断基準・基本治療~
高血圧と「脳心血管病」との関連(放置するリスク)
血圧が高い状態が続くと、血管に常に強い負担がかかり、脳卒中(脳梗塞や脳出血)や心筋梗塞、心不全といった命に関わる「脳心血管病」のリスクが高まります。研究データ(※)によると、脳卒中死亡の約38%、心筋梗塞などの冠動脈疾患死亡の約26%が、高血圧に起因しているとされています。(※)『Hypertension Research』(2025)48, pp.1428-1433
日本における高血圧治療の現状
日本には約4,300万人の高血圧の患者さんがいると推計されています。(2017年のデータ)
しかし、そのうち約7割にあたる3,100万人の方が十分に血圧をコントロールできていない(※)のが現状です。
血圧を十分に管理できている割合は、先進国の中でも低くなっています。(※)上の血圧(収縮期血圧)140mmHg以上または下の血圧(拡張期血圧)90mmHg以上
しかし、そのうち約7割にあたる3,100万人の方が十分に血圧をコントロールできていない(※)のが現状です。
血圧を十分に管理できている割合は、先進国の中でも低くなっています。(※)上の血圧(収縮期血圧)140mmHg以上または下の血圧(拡張期血圧)90mmHg以上
高血圧の診断基準と目標とする血圧値
高血圧の診断基準は、以下のとおり定義されています。(「高血圧管理・治療ガイドライン2025」より)
血圧を適切にコントロールすることで「脳心血管病」の発症リスクを下げることができます。(※)
目標とする血圧値は、年齢や持病に関わらず、以下の数値を目指すことが基本となります。
- 診察室での血圧:140/90 mmHg 以上
- 家庭での血圧:135/85 mmHg 以上
血圧を適切にコントロールすることで「脳心血管病」の発症リスクを下げることができます。(※)
- 上の血圧(収縮期血圧)を5mmHg下げると:心血管病は約1割、脳卒中と心不全は約1割強発症を抑制
- 上の血圧(収縮期血圧)を10mmHg下げると:心血管病は約2割、脳卒中と心不全は約3割弱発症を抑制
目標とする血圧値は、年齢や持病に関わらず、以下の数値を目指すことが基本となります。
- 診察室での血圧:130/80 mmHg 未満
- 家庭での血圧:125/75 mmHg 未満
高血圧の原因
高血圧は、以下の2つに分類されます。
二次性高血圧は明確な原因(基礎疾患など)によって引き起こされる高血圧です。主な原因として、内分泌性疾患(原発性アルドステロン症)、腎血管性高血圧、睡眠時無呼吸症候群などがあります。食生活や生活習慣(塩分過多、肥満、喫煙、ストレスなど)も影響します。
- 本態性(ほんたいせい)高血圧:原因が明確でないもの
- 二次性高血圧:他の病気や原因があるもの
二次性高血圧は明確な原因(基礎疾患など)によって引き起こされる高血圧です。主な原因として、内分泌性疾患(原発性アルドステロン症)、腎血管性高血圧、睡眠時無呼吸症候群などがあります。食生活や生活習慣(塩分過多、肥満、喫煙、ストレスなど)も影響します。
高血圧の基本治療
高血圧の基本治療には、以下の「生活習慣の改善」と「お薬(降圧薬)の服用」があります。
これらの治療を行っても血圧が適正にコントロールできない「治療抵抗性高血圧」に対して、カテーテル治療である「腎デナベーション(腎交感神経除神経)」(RDN)が可能となりました。
- 食生活の改善: 減塩、野菜や果物類の摂取
- 適切な運動: 毎日20〜30分程度の運動
- 適正体重の維持(肥満改善)、十分な睡眠の確保、禁煙、ストレス軽減
- 降圧薬の内服
これらの治療を行っても血圧が適正にコントロールできない「治療抵抗性高血圧」に対して、カテーテル治療である「腎デナベーション(腎交感神経除神経)」(RDN)が可能となりました。
腎デナベーション(腎交感神経除神経)(RDN)について
腎デナベーション治療とは(仕組み)
「腎デナベーション(腎交感神経除神経)」は、血圧を上げる原因の一つである「交感神経」の過剰な働きを抑える治療です。
【仕組み】
脳と腎臓を結ぶ交感神経の回路(遠心路腎神経と求心路腎神経)を遮断(除神経)することで、「血圧を上げろ」という不適切な信号をカットし、血圧を下げる効果をもたらします。方法としては、専用のカテーテル(細い管)を腎動脈まで進めて、超音波または高周波を腎動脈周囲の神経に照射して、不適切な回路の遮断(除神経)を行います。
【仕組み】
脳と腎臓を結ぶ交感神経の回路(遠心路腎神経と求心路腎神経)を遮断(除神経)することで、「血圧を上げろ」という不適切な信号をカットし、血圧を下げる効果をもたらします。方法としては、専用のカテーテル(細い管)を腎動脈まで進めて、超音波または高周波を腎動脈周囲の神経に照射して、不適切な回路の遮断(除神経)を行います。
治療の対象となる方・対象外となる方
【治療対象となる方】
以下の条件を満たす方が、治療を検討する対象となります。
【治療対象外となる場合】
以下の条件を満たす方が、治療を検討する対象となります。
- 3剤以上の薬(利尿剤を含む)を飲んでも血圧がコントロールできない(治療抵抗性高血圧)
- 食生活の改善(減塩、野菜と果物摂取)、生活習慣の改善(運動、肥満の改善、禁煙)を行っている
- 降圧薬の適切かつ確実な服薬ができている
- 家庭で正確に血圧を測定できている
- 腎臓の血管の形がカテーテル治療に適している
【治療対象外となる場合】
- 他の病気等が原因で血圧が高い「二次性高血圧」の方(内分泌性疾患(原発性アルドステロン症)、腎血管性高血圧、睡眠時無呼吸症候群など)
※まずは原因疾患の治療を優先します。
- 中等度以上の腎機能障害がある方(eGFR 40 mL/min/1.73m² 未満)
治療決定までの流れ
治療の対象条件を満たしている場合、まずは「1日の血圧の変化を調べる検査(24時間自由行動下血圧測定)」などを行います。
その検査結果をもとに、医師や看護師などで構成される院内の専門チーム「高血圧症腎デナベーション治療(HRT)チーム」にて、治療が患者さんに適しているか検討します。
その検査結果をもとに、医師や看護師などで構成される院内の専門チーム「高血圧症腎デナベーション治療(HRT)チーム」にて、治療が患者さんに適しているか検討します。
具体的な治療方法と入院スケジュール
治療はカテーテル室で行い、当院では3泊4日(治療前日に入院)のスケジュールで実施します。
【治療方法】
【治療方法】
- 足の付け根にある血管(大腿動脈)から専用の細い管(カテーテル)を入れ、造影剤を使って腎臓の血管(腎動脈)を確認します。
- 治療専用のカテーテルを腎動脈まで進めます。カテーテルから高周波(熱エネルギー)または超音波を照射し、血管の内側から血管の壁越しに、腎動脈周囲の腎交感神経に熱を加え、デナベーション(除神経)します。これにより、過剰に高まっている交感神経の働きを和らげます。
受診・紹介先について(患者さん・開業医の先生へ)
血圧の管理が難しくお悩みの方は、当院の内分泌・代謝内科「高血圧専門外来」(火曜日)または循環器内科(初診)(水曜日を除く)へご相談ください。
受診を希望される患者さんは、まずはかかりつけの先生にご相談いただき、上記の「高血圧専門外来」(火曜日)または循環器内科(初診)(水曜日を除く)宛の紹介状を依頼してください。(紹介状がなくても受診は可能です。その場合、特別初診料・再診料が別途かかります。)
受診を希望される患者さんは、まずはかかりつけの先生にご相談いただき、上記の「高血圧専門外来」(火曜日)または循環器内科(初診)(水曜日を除く)宛の紹介状を依頼してください。(紹介状がなくても受診は可能です。その場合、特別初診料・再診料が別途かかります。)








